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会計士試験に2027年から「英語出題」が本格導入へ

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


公認会計士・監査審査会は、2027年第Ⅰ回短答式試験から、公認会計士試験に英語での出題を導入することを公表しました。


会計士試験は長年、日本語で実施されてきましたが、今回の見直しは、公認会計士を取り巻く業務環境の変化を強く反映したものといえます。

本記事では、制度変更の概要と、実務家・受験生・企業それぞれの立場からの影響を整理します。


1.なぜ今、会計士試験に「英語」なのか

英語出題導入の背景として、次のような環境変化が挙げられています。

  • IFRS(国際会計基準)適用企業の拡大

  • 海外子会社を含むグループ監査の増加

  • 英文財務諸表・英文監査報告書への対応

  • 海外投資家とのコミュニケーションの重要性の高まり

実務の現場ではすでに、「英語を使う会計士」が特別な存在ではなくなりつつあるのが実情です。

今回の制度改正は、こうした実務環境を踏まえ、試験段階から英語リテラシーを確認する狙いがあると考えられます。


2.英語出題の概要

● 対象試験

  • 短答式試験

  • 2027年第Ⅰ回試験から適用

● 対象科目

次の3科目で、英語による問題が出題されます。

  1. 財務会計論

  2. 管理会計論

  3. 監査論

● 配点イメージー短答式試験の総得点の約1割程度が英語問題になる見込み

英語問題が「英語そのもの」を問うのではなく、会計・監査の内容を英語で理解できるかが問われる点が特徴です。


3.サンプル問題から見える出題イメージ

公表されているサンプル問題では、例えば次のような内容が示されています。

  • 管理会計や財務諸表の基本概念の説明文(英文)から正しいものを選択

  • 英文監査報告書の一部の穴埋め

  • 日本基準と国際会計基準の差異に関する英文問題

いずれも、難解な英文読解力ではなく、実務で頻出する英語表現や概念理解

が前提となっている点が特徴です。


4.試験制度全体への影響:短答式は「通りやすく」?

今回の発表では、英語出題とあわせて、試験全体のバランス調整についても言及されています。

  • 短答式試験の合格者数を増加

  • 短答式試験の合格率は上昇

  • 論文式試験では、より適正な競争を促進

という方向性が示されており、「英語導入=単純な難易度上昇」ではない点も押さえておく必要があります。


公認会計士の視点:この改正が意味するもの

●受験生にとって

  • 会計・監査の専門英語への早期対応が重要

  • IFRSや英文監査報告書に親しむことが有効

  • 英語が「加点要素」から「前提スキル」へ移行


●企業・実務家にとって

  • 将来の会計士人材は、国際対応力を前提としたスキルセットになる

  • 英文開示・海外子会社対応の体制整備がより重要に

  • グローバル業務を担える会計士の価値はさらに高まる


まとめ

2027年から始まる会計士試験の英語出題は、単なる試験制度の変更ではなく、「これからの公認会計士像」を示すメッセージと捉えることができます。

  • 国際会計基準

  • 英文監査報告書

  • グローバル企業の監査・アドバイザリー

といった分野は、今後さらに重要性を増すでしょう。



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