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住宅ローン控除に立地要件が追加|災害レッドゾーン内の新築住宅は令和10年以降対象外に

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 19 時間前
  • 読了時間: 7分

おはようございます!代表の安田です。


住宅を購入する際、多くの方が気にする税制の一つが住宅ローン控除です。住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合、一定の要件を満たせば、年末の住宅ローン残高等をもとに所得税から控除を受けることができます。


これまでは、住宅ローン控除というと、住宅の床面積、所得要件、省エネ性能、借入金の内容、入居時期などが主なチェックポイントでした。しかし、令和8年度税制改正により、今後は住宅の立地も重要な確認項目になります。


令和8年度税制改正では、令和10年以降に入居する新築住宅等について、いわゆる災害レッドゾーンと呼ばれる一定区域内に存在する場合、住宅ローン控除の適用対象外とする見直しが行なわれました。一方で、土砂災害警戒区域など、いわゆる災害イエローゾーン内の新築住宅については、令和10年以降も引き続き住宅ローン控除を適用できる見込みです。


今回は、住宅ローン控除に追加された立地要件について、税理士の視点からわかりやすく解説します。


住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、住宅ローン等を利用して居住用家屋の新築、取得、増改築等を行い、一定の期限までに居住を開始した場合に、住宅ローン等の年末残高をもとに計算した金額を、所得税額から控除できる制度です。


住宅ローン控除について、住宅ローン等を利用して居住用家屋の新築等や既存住宅等の取得等をし、令和12年12月31日までに居住の用に供した場合に、住宅ローン等の年末残高の合計額等に控除率を乗じた金額を、控除期間に応じて各年分の所得税額から控除する制度と整理されています。


住宅購入者にとっては、税負担に大きく影響する制度であり、マイホーム取得時の資金計画にも直結します。


令和8年度改正で追加された「立地要件」とは?

今回の改正で新たに設けられたのが、災害リスクの高い区域にある一定の新築住宅等を住宅ローン控除の対象外とする立地要件です。


令和8年度改正では、「災害危険区域等」に令和10年以降居住する新築住宅等について、住宅ローン控除の適用対象外とする見直しが行なわれました。ただし、建替え等は除かれるとされています。


つまり、令和10年以降に新築住宅を取得して入居する場合には、その住宅がどの区域に建っているのかを確認する必要があります。


対象となる「災害危険区域等」とは?

住宅ローン控除の対象外となる災害危険区域等として、次の5つが挙げられています。

  1. 一定の災害危険区域

  2. 地すべり防止区域

  3. 急傾斜地崩壊危険区域

  4. 土砂災害特別警戒区域

  5. 浸水被害防止区域


これらの区域は、一般に災害レッドゾーンと呼ばれる区域に該当します。災害レッドゾーンは、災害リスクが特に高く、建築や居住に一定の制限・配慮が求められる区域です。


今回の改正は、こうした災害リスクの高い区域への新規居住を税制面から抑制する趣旨があると考えられます。


災害イエローゾーンは対象外になるのか?

今回の改正で実務上よく出そうな疑問が、災害イエローゾーンも住宅ローン控除の対象外になるのかという点です。


一部の実務家の間では、土砂災害警戒区域のような災害イエローゾーンも立地要件に含まれるのではないかという懸念があったようです。しかし、今回の立地要件の対象は、先ほど挙げた5つの区域に限られるため、土砂災害警戒区域などの災害イエローゾーンは、災害危険区域等には当たらないと整理されています。


したがって、災害イエローゾーン内の新築住宅については、他の要件を満たしていれば、令和10年以降も住宅ローン控除を適用できる見込みです。


「土砂災害特別警戒区域」と「土砂災害警戒区域」の違いに注意

ここで注意したいのが、似た名前の区域の違いです。


今回、住宅ローン控除の対象外となる災害危険区域等には、土砂災害特別警戒区域が含まれます。これは、いわゆる災害レッドゾーンに該当する区域です。


一方、土砂災害警戒区域は、いわゆる災害イエローゾーンであり、今回の立地要件の対象には含まれないとされています。


名称が似ているため、不動産購入時や住宅ローン控除の相談時には、どちらの区域に該当しているのかを正確に確認することが重要です。


いつから影響するのか

今回の立地要件は、令和10年以降の入居分から影響します。災害レッドゾーンに該当する一定区域内の新築住宅等について、令和10年以降の入居分から住宅ローン控除の対象外とする見直しが行なわれました


そのため、令和8年や令和9年に入居するケースについて直ちに影響するわけではありません。ただし、住宅購入や新築計画は数年単位で進むことも多いため、令和10年以降の入居を予定している方は、早めに立地要件を確認しておく必要があります。


建築確認後に区域指定された場合はどうなる?

実務上もう一つ重要なのが、住宅の建築確認時点では災害危険区域等の外だったものの、その後に区域指定された場合です。


資料によると、居住用家屋等に係る建築確認を受けた時点で、その住宅を建築する土地の全部が災害危険区域等の外にあったにもかかわらず、その後に災害危険区域等とされた場合には、予見可能性が難しいことなどから、立地要件の対象外とされています。この場合、他の要件を満たしていれば、住宅ローン控除を適用できると整理されています。


これは、購入者や建築主にとって重要な救済的取扱いといえます。


中古住宅や建替え等はどうなるのか

今回の立地要件について、令和10年以降居住する新築住宅等(建替え等除く)が対象とされています。


したがって、すべての住宅取得が一律に対象外となるわけではありません。ただし、具体的にどの住宅が対象外となり、どのケースが除かれるかは、取得形態や法令上の区分によって変わる可能性があります。


不動産購入や住宅ローン控除の申告時には、「新築か中古か」「建替え等に該当するか」「入居時期はいつか」「災害危険区域等に該当するか」をセットで確認することが大切です。


実務で確認しておきたいポイント

令和10年以降に住宅ローン控除を受ける可能性がある方は、次の点を確認しておくと安心です。


まず、購入予定地や建築予定地が災害危険区域等に該当するかを確認することです。自治体のハザードマップや指定区域情報、不動産会社・建築会社からの説明資料などを確認する必要があります。


次に、該当する区域が災害レッドゾーンなのか、災害イエローゾーンなのかを区別することです。災害イエローゾーンだからといって直ちに住宅ローン控除の対象外になるわけではありません。


さらに、建築確認時点での区域指定状況を確認できる資料を残しておくことも重要です。後日、区域指定の時期が問題になる場合に備えて、建築確認関係書類や自治体資料を保存しておくと安心です。


税理士として相談を受ける際の注意点

税理士が住宅ローン控除の相談を受ける場合、従来は年末残高証明書、登記事項証明書、売買契約書、工事請負契約書、住民票関係などの確認が中心でした。しかし、令和10年以降の入居分については、今後、立地要件の確認も新たなチェックポイントになります。


特に次のような相談では注意が必要です。

  • 令和10年以降に新築住宅へ入居予定

  • 山間部、傾斜地、河川流域など災害リスクがある地域の住宅取得

  • ハザードマップ上で区域指定がある土地

  • 土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域の区別が不明なケース


住宅ローン控除は、適用できるかどうかで税負担が大きく変わります。そのため、制度適用の可否を確認する際には、税務書類だけでなく、不動産の立地情報にも目を向ける必要があります。


まとめ

令和8年度税制改正により、住宅ローン控除に立地要件が追加されました。


令和10年以降に居住する新築住宅等について、一定の災害危険区域等、いわゆる災害レッドゾーン内に存在する場合には、住宅ローン控除の適用対象外となります。対象となる災害危険区域等には、一定の災害危険区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域が含まれます。


一方で、土砂災害警戒区域などの災害イエローゾーンは、今回の災害危険区域等には含まれないため、他の要件を満たせば住宅ローン控除を適用できる見込みです。また、建築確認時点では災害危険区域等の外にあった土地が、その後区域指定された場合には、立地要件の対象外とされ、他の要件を満たせば控除を受けられるとされています。


今後、令和10年以降に新築住宅を取得・入居する方は、住宅性能や借入条件だけでなく、その住宅がどの区域に建っているかも確認しておくことが大切です。住宅ローン控除の適用可否を判断する際には、契約前の段階から、ハザードマップや自治体の区域指定情報を確認しておきましょう。

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