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社員食堂・食事補助の非課税が拡大へ

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


令和8年度税制改正大綱では、会社が従業員に提供する社員食堂・食事補助(社食・チケット等)について、所得税が非課税となる「会社負担額の上限」を月額7,500円(現行3,500円)へ引き上げられました。


さらに、深夜勤務時に夜食の現物支給が難しい場合に支給する金銭についても、非課税限度額を1回650円(現行300円)へ引き上げられました。いずれも通達改正で措置され、令和8年4月1日以後の支給分から適用されています。


本記事では、会計事務所の税理士として、改正の要点と、企業が見直すべき社内規程・給与実務のポイントを整理します。


1. 何が変わる?非課税上限が“実務で使える水準”へ

食事の支給(社員食堂・食事補助など)

  • 会社負担額の上限:月3,500円 → 月7,500円へ引上げ予定


深夜勤務の「夜食代」(現物支給の代わりに金銭支給)

  • 1回300円 → 1回650円へ引上げ予定


適用は2026年4月1日(令和8年4月1日)以後の支給分です。


2. “50%要件”は変わらない:従業員負担が半分以上必要

食事支給の非課税判定は、いわゆる所得税基本通達の枠組みで、次の2つを満たす必要があります。

  • 要件①:従業員から徴収する金額が食事価額の50%相当額以上

  • 要件②:(食事価額-徴収額)=会社負担額が月額上限以内(現行3,500円 → 改正後7,500円)


このうち、従業員負担の50%要件は改正後も変わっていません。


3. 要注意:会社負担が上限を超えると「超えた部分だけ」ではなく“全額課税”

実務で一番事故が起きやすいのがここです。

会社負担額が上限(改正後7,500円)を1円でも超えると、会社負担分のうち「超えた部分」だけが課税ではなく、会社負担額の全額が課税対象となり、源泉徴収が必要になります。


4. 【例で理解】月額15,000円の食事(750円×20日)の場合

月額15,000円の食事のケースで考えてみましょう。

  • 改正前:会社負担3,500円を非課税にするため、従業員負担は11,500円が必要

  • 改正後:会社負担7,500円まで非課税にでき、従業員負担は7,500円で足りる→ 従業員の負担が大幅に軽くなる


「物価高で社食や食事チケットの単価が上がった結果、制度が実態に合わなくなっていた」企業にとって、福利厚生として使いやすい改正と言えます。


5. 企業が整備したい「社内規程・運用」チェックリスト

社内規程等を整備しておくべきと言えます。実務上は、次を点検するとスムーズです。


① 食事補助の設計(会社負担と従業員負担のバランス)

  • 会社負担を増やし、従業員負担を減らすか(ただし50%要件は維持)

  • 上限超過で“全額課税”になるため、月の上限管理(利用回数・単価上限)をどう設けるか


② 給与計算・福利厚生システムの設定変更

  • 食事チケット/IC決済型の食事補助は、月次で会社負担額を集計できるか

  • 月途中入退社、休職、短時間勤務などの取り扱い


③ 深夜勤務の夜食代(現物→金銭支給)の運用確認

  • 「現物支給が著しく困難」という前提に該当するか

  • 1回650円以下の枠内で支給設計できるか


まとめ:食事補助は“賃上げ以外の手取り支援”として見直し余地が大きい

令和8年度改正では、食事支給の非課税上限が月7,500円へ、深夜勤務の夜食代の非課税上限が1回650円へ引き上げられ、2026年4月1日以後の支給分から適用されました。


一方で、従業員負担50%要件は維持され、上限超過時は会社負担額の全額が課税になる点が重要です。


当事務所では、食事補助制度の設計(非課税要件の充足チェック)、社内規程の見直し、給与計算への落とし込み(源泉徴収リスクの回避)まで一体でサポートしています。制度設計の棚卸しをご希望の企業様はお気軽にご相談ください。


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