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税制改正)事業承継税制の「計画提出期限」が延長

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 18 時間前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


令和8年度税制改正では、中小企業の円滑な世代交代を支援する事業承継税制(特例措置)について、承継計画の提出期限が延長されることとなりました。


「後継者が決まらず、まだ計画を出せていない」「制度は知っているが、いつまでに何をすればよいか分からない」


このような経営者の方にとって、極めて重要な改正といえます。


1.事業承継税制(特例措置)のおさらい

事業承継税制(特例措置)は、

  • 非上場株式等(法人版)

  • 個人事業用資産(個人版)

を後継者に承継する際の相続税・贈与税の納税を実質的に猶予・免除する制度です。


通常の相続税・贈与税と比べて極めて大きな節税効果がある一方で、

  • 事前に「承継計画」を提出していること

  • 期限内に承継を実行すること

が適用の前提条件となっています。


2.今回の改正ポイント

「承継計画の提出期限」が延長


① 法人版事業承継税制(特例措置)

非上場株式等に係る特例承継計画の提出期限が、次のとおり延長されます。

  • 改正前:2026年(令和8年)3月31日

  • 改正後:2027年(令和9年)9月30日

 → 1年6か月の延長となります。


② 個人版事業承継税制

個人事業用資産に係る個人事業承継計画の提出期限については、

  • 改正前:2026年(令和8年)3月31日

  • 改正後:2028年(令和10年)9月30日

 → 2年6か月の延長となります。


3.注意点:制度そのものの「適用期限」は延長されません

今回の改正で重要なのは、延長されるのは「計画の提出期限」のみという点です。


適用期限(改正なし)

  • 法人版:2027年(令和9年)12月31日

  • 個人版:2028年(令和10年)12月31日

つまり、

  • 計画提出は延長されたが

  • 実際に承継を行なえる期限は変わらない

ため、「まだ時間がある」と油断すると間に合わない可能性があります。


4.なぜ今、期限延長が行なわれたのか

背景には、次のような実情があります。

  • 経営者の年齢ピークが2018年当時の「60代後半」から現在は「50代後半」へ若返っている

  • 一方で、70代以上で事業承継が必要な経営者が依然として多数存在

  • コロナ禍や物価高の影響で、承継準備が後回しになっていた企業も多い

こうした状況を踏まえ、制度を最大限活用できるよう最後の準備期間を与えるという政策判断がなされたものと考えられます。


5.実務上の重要ポイント

「計画提出=適用確定」ではありません

承継計画を提出しただけでは、税務上の効果はまだ発生しません。

  • 実際に贈与・相続が行われ

  • 認定・届出等の手続きを適切に行なう

ことで、はじめて納税猶予・免除の適用を受けることができます。

 → そのため、計画提出後も継続的な管理・サポートが不可欠です。


税理士の視点:今から着手すべきこと

今回の期限延長を踏まえると、次のような対応を早めに進めることが重要です。

  • ✔ 後継者の候補を明確にする

  • ✔ 自社株評価・相続税の試算を行う

  • ✔ 法人版・個人版のどちらが適用対象か整理する

  • ✔ 計画提出から承継実行までのスケジュールを逆算する


特に、「制度を使うかどうか、まだ決めきれていない」という段階であっても、計画提出だけは行っておくという選択肢を検討する価値は十分にあります。


まとめ

令和8年度税制改正による事業承継税制の承継計画提出期限の延長は、制度活用の猶予期間を広げる一方、実質的には最後の準備機会ともいえる改正です。

適用期限そのものは延長されないため、「いつかやる」ではなく「いつまでに何をするか」を明確にすることが重要になります。


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