税制改正)免税事業者からの仕入れに係る消費税控除が段階的に縮小
- 安田 亮
- 6 時間前
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おはようございます!代表の安田です。
インボイス制度開始後の激変緩和措置として設けられている「免税事業者からの課税仕入れに係る税額控除の経過措置」について、令和8年度税制改正により、内容の見直しが行なわれます。
今回の改正は、
小規模事業者への配慮
一方で、制度の濫用(租税回避)への対応
という二つの観点を踏まえたものです。
本日は、改正内容と実務への影響を解説します。
■制度のおさらい
免税事業者からの仕入れでも控除ができる「経過措置」
インボイス制度では原則として、適格請求書(インボイス)がなければ仕入税額控除は不可です。
しかし、制度導入直後の混乱を避けるため、
免税事業者からの仕入れであっても
一定割合については仕入税額控除を認める経過措置
が設けられています。
■今回の改正のポイント①
適用期限の延長と控除割合の段階的縮小
● 適用期限は「2年延長」
経過措置の最終適用期限は、
改正前:2029年9月30日まで
改正後:2031年(令和13年)9月30日まで
と 2年間延長 されます。
● 控除割合は段階的に引き下げ
一方で、控除できる割合は次のとおり段階的に縮小 されます。
期間 | 控除可能割合 |
~2026年9月 | 80% |
2026年10月~2028年9月 | 70% |
2028年10月~2030年9月 | 50% |
2030年10月~2031年9月 | 30% |
時間の経過とともに、免税事業者からの仕入れに係る税負担は確実に増加します。
■今回の改正のポイント②
「上限額」が10億円 → 1億円へ大幅引下げ
もう一つの重要な改正が、経過措置を適用できる仕入額の上限です。
改正内容
一の免税事業者からの課税仕入れの年間合計額が1億円を超える部分について→経過措置の適用不可
(改正前は10億円まで認められていました)
特定の免税事業者との高額・継続取引がある場合には、影響が非常に大きい改正です。
■実務上の注意点①ー仕入先ごとの「年間取引額管理」が必須に
上限額の引下げにより、
どの免税事業者から
年間いくら仕入れているか
を仕入先ごとに正確に把握する必要があります。
これまで大きな問題にならなかったケースでも、消費税の追徴リスクが生じる可能性があります。
■実務上の注意点②ー取引先の見直し・価格交渉の必要性
今後は、
免税事業者のまま継続する取引先
インボイス発行事業者へ転換する取引先
で、実質的な消費税負担に差 が生じます。
そのため、
取引条件の見直し
価格への消費税相当額の転嫁
仕入先の選定方針の整理
といった経営判断が求められる場面も増えてきます。
■税理士の視点:今後に向けた対応の考え方
今回の改正により、インボイス制度の経過措置は
「とりあえず使える制度」から
「計画的に縮小される制度」
へと明確に位置づけられました。
特に事業者の方は、
免税事業者との取引割合
将来の仕入構造
消費税負担の見込み
を中長期的に見直すことが重要です。
■まとめ
免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置は、
適用期限は延長されるものの
控除割合は確実に縮小
さらに高額取引には強い制限
という内容に改められました。
「まだ経過措置があるから大丈夫」と考えていると、数年後に消費税負担が急増する可能性があります。
当事務所では、
インボイス制度対応の見直し
免税事業者との取引に係る消費税影響の試算
取引条件変更を含めた実務的アドバイス
を行なっています。
インボイス制度や消費税対応でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。




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