top of page

インボイス「2割特例」後の選択がラクに?

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 13 時間前
  • 読了時間: 4分

おはようございます!代表の安田です。


インボイス制度開始に伴う経過措置として知られる「2割特例」。

令和8年度税制改正大綱では、この特例を見直し、対象を個人事業者に限定した上で、納付税額を売上税額の3割とする“3割特例”として2年延長する方向が示されました。


一方で、法人は現行期限で終了となる見込みで、特例終了後は「一般課税」か「簡易課税」のどちらかを選んで申告する必要があります。


さらに実務上大きいのが、2割特例(または3割特例)から簡易課税制度へ移行する際の「選択届出書」提出期限が後倒しされる点です。

本日は、会計事務所の税理士として、制度の要点と今やるべき実務対応を整理します。


1. 「個人だけ」2割特例は延長、法人は終了の方向

現行の2割特例は、「令和5年10月1日~令和8年9月30日」を含む課税期間で適用可能です。

改正大綱では、次のように整理されています。

  • 個人事業者(適格請求書発行事業者):令和9年・令和10年に含まれる各課税期間について、納付税額を売上税額の3割とできる(=3割特例)


  • 法人:3割特例の対象外。令和8年9月30日を含む課税期間で特例終了見込み


個人は「2割→3割→特例なし」へ、法人は「2割の後は特例なし(一般 or 簡易)」という流れが示されています。


2. 簡易課税への移行がしやすくなる(届出期限が後倒し)

2-1. 原則のルール

簡易課税制度を使うには原則として、適用を受けようとする課税期間初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。


2-2. 改正のポイント:2割(3割)特例の次は「確定申告期限まで」に届出OK

改正大綱では、2割特例・3割特例の適用を受けたインボイス発行事業者が簡易課税へ移る場合、“特例適用の翌課税期間”の確定申告期限までに届出書を提出すれば、その翌課税期間から簡易課税の適用を受けられる方向が示されています。

要するに、「翌期に入ってからでも、申告期限までに届出すれば間に合う」方向です。


3. 【具体例】9月決算法人:届出は11月末まででOKに

記事では、法案成立を前提とした例として、次が示されています。


  • 令和8年9月期に2割特例を適用した法人が

  • 令和9年9月期から簡易課税を適用したい場合→ 届出書は 令和9年9月期の確定申告期限(令和9年11月30日まで)に提出すればよい

従来の原則(期首前日まで)と比べると、意思決定の猶予が大きくなるのが分かります。


4. 申告期限延長の法人はさらに注意:届出期限は「課税期間末日の翌日から3か月以内」

消費税の申告期限は原則「課税期間終了後2か月以内」ですが、法人税の申告期限延長の特例を受け、消費税についても延長届出を出している場合は、消費税の確定申告期限が1か月延長されます(結果として3か月以内のイメージ)。


記事では、2割特例から簡易課税へ移行する場合、この“特例による提出期限”までに届出すればよいとされ、言い換えると届出期限は 「課税期間末日の翌日から3か月以内」になる、と整理されています。


5. 事業者が今やるべきチェックリスト(実務用)

法人(特例終了見込み)

  • 令和8年9月30日を含む課税期間の後は、一般課税 or 簡易課税の選択が必要

  • 取引先とのインボイス運用が固まった後、簡易課税の方が有利か(みなし仕入率・仕入税額控除の実態)をシミュレーション

  • 簡易課税にするなら、改正後は「翌期の確定申告期限まで」に届出できる可能性


個人事業者(3割特例へ)

  • 令和9年・10年に含まれる課税期間は3割特例の対象となる方向

  • その後(特例終了後)を見据え、簡易課税へ切替えるか、一般課税へ行くかを検討

  • 3割特例→簡易課税の切替も、届出期限が後倒しされる方向


まとめ:ポイントは「法人は出口戦略」「簡易届出は申告期限まで」

令和8年度改正大綱では、インボイス対応の経過措置である2割特例について、個人は3割特例として延長、法人は終了という方向が示されています。

そして実務では、2割(3割)特例の適用後に簡易課税へ移行する場合、「翌期の確定申告期限まで」届出が可能となる方向が示され、切替判断の猶予が広がります。


当事務所では、2割(3割)特例の適用可否確認から、一般課税・簡易課税の有利不利判定(試算)、届出期限管理まで、実務一式をサポートしています。

特例終了が近い法人様は、早めの出口戦略の検討をおすすめします。


神戸の税理士事務所ロゴ

コメント


bottom of page