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新リース会計基準、適用はいつから?
おはようございます!代表の安田です。 今回は、2024年9月に公表された「企業会計基準第34号 リースに関する会計基準(以下、新リース会計基準)」について、上場企業の最新動向を踏まえて解説いたします。 新リース会計基準の概要と適用時期 新リース会計基準は、2027年4月1日以後開始する事業年度からの適用が原則ですが、2025年4月1日以後の早期適用も認められています。 この基準の最大の変更点は、従来「オフバランス」扱いだった借手のオペレーティング・リースが、原則としてオンバランス計上されることです。これにより、財務諸表におけるリース取引の透明性が大きく向上します。 最新情報:早期適用予定企業は3社のみ 2025年3月期の有価証券報告書を対象とした調査(2025年6月30日時点)によると、新基準を早期適用する予定と注記している企業は、以下の3社にとどまりました。 企業名 業種 適用予定期 備考 アウトルックコンサルティング 情報・通信業 2027年3月期 解約不能なリース料 約5,965万円 アズビル 電気機器 2027年3月期 解約不能なリース料
安田 亮
2025年8月2日


後発事象の会計基準案が公表
おはようございます!代表の安田です。 2025年7月8日、企業会計基準委員会(ASBJ)は「後発事象に関する会計基準(案)」を公表しました。本稿では、この会計基準案のポイントと実務への影響について、会計事務所の立場からわかりやすく解説します。 後発事象とは? 「後発事象」とは、決算日に関する事象のうち、決算日後に発生したが、財務諸表の作成や監査において反映・開示が必要とされる事象のことをいいます。これまでは監査基準報告書560に基づく実務指針により、主に監査の文脈で整理されていました。 【今回の改正ポイント①】対象期間の変更 これまでの実務指針では、後発事象の対象期間は「監査報告書日」までとされていました。しかし、今回の会計基準案では、対象期間を 「財務諸表の公表の承認日」まで に変更するとしています。 また、新たに以下の注記が必要になります。 財務諸表の公表の承認日 承認を行った機関または個人の名称 これは利用者の情報提供ニーズに対応するための措置であり、開示の透明性を高める効果が期待されます。 【改正ポイント②】監査との整合性と特例処理の維持
安田 亮
2025年7月31日


短期リースの取り扱い
おはようございます!代表の安田です。 新基準では、「短期リース」はリース開始日から12カ月以内に終了し、購入オプションが付いていないリースを指します。たとえば、1年契約で事務機器などを借りる契約がこれに該当する可能性があります。 このような短期リースについては、従来どおりリース料を定額法で費用処理(賃借料として処理)することが認められています。つまり、資産計上やリース負債の認識を省略できるため、経理処理が簡素になります 会計処理の選択肢と適用単位 短期リースの会計処理は、 「資産の科目ごと」 「用途が似ている資産のグループごと」 のいずれかで一括して適用可否を判断できます。これは企業側の実務に合わせて柔軟に運用できる点で実務負担の軽減にもつながります。 また、連結財務諸表では個別財務諸表で行った選択を見直す必要はありません。これはグループ全体の会計処理の一貫性を保ちつつ、事業会社ごとの実務にも配慮した設計です。 「リース期間」の判定がカギ 新基準では、「借手のリース期間」を用いて短期リースに該当するかを判定します。ここでいうリース期間とは、 解約
安田 亮
2025年7月28日


グローバル・ミニマム課税と四半期注記
おはようございます!代表の安田です。 2024年4月以降開始の事業年度から適用が始まったグローバル・ミニマム(GM)課税制度。すでに2025年3月期の有価証券報告書等では、この新制度に基づく法人税等の計上が行われていますが、四半期財務諸表における注記対応は「2026年3月期から」本格スタートする点に注意が必要です。 ■ GM課税制度とは? 多国籍企業が最低水準の法人税を回避するのを防ぐため、15%の最低税率を確保する国際的な枠組み。日本でも2024年4月以降に開始する会計年度から適用されています。 ■ 会計処理上の基本方針 企業は、GM課税にかかる法人税等について、以下のように対応することとされています(実務対応報告第46号 第6項): 財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、 合理的に見積もった税額を損益に計上する これにより、2025年3月期の有価証券報告書には、国際最低課税に対応した税効果が表示されている企業も増えてきています。 ■ 四半期注記の特例と注意点 一方で、四半期財務諸表や中間財務諸表では、当面の間GM課税にかかる法人税等を計上
安田 亮
2025年7月16日


「女性管理職比率」2026年4月から公表義務化
おはようございます!代表の安田です。 2026年4月より、企業における女性管理職比率の公表が義務化されることが決まりました。本改正は、「女性活躍推進法」の期限延長とともに、企業の人事・開示対応に大きな影響を与えるものです。 ■ 改正の背景と法的根拠 2025年6月11日に公布された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)」により、以下の改正がなされました: 女性活躍推進法の有効期限が2036年3月31日まで延長(従来は2026年3月末まで) 常時雇用する労働者が101人以上の企業に、「男女の賃金差異」および「女性管理職比率」の公表を義務化 ■ 施行日と経過措置 施行日:2026年4月1日 適用対象:施行日以後に終了する事業年度の「翌事業年度」から適用 例えば、3月決算の企業であれば、2027年3月期の実績を2027年6月頃までに公表する必要があります。 ■ 有価証券報告書にも開示義務 この法改正により、情報公表が義務付けられる企業は、有価証券報告書においても同様
安田 亮
2025年7月5日


内部統制報告書が"数値基準"から"質的リスク重視"へ
おはようございます!代表の安田です。 2025年3月期から、改訂された内部統制基準に基づく開示がついに本格適用されました。 これにより、企業の内部統制報告書の記載内容も大きく変化しつつあります。 これまでの機械的・数値的な記載から、質的リスクを踏まえた開示へと進化。 本記事では最新の記載事例とともに、会計・監査実務で注意すべきポイントを解説します。 ■ 新基準で強化された「開示の質」とは? 2025年3月期以降、企業は「評価の範囲、基準日および評価手続に関する事項」について、以下の3項目を理由付きで記載することが求められます: 重要な事業拠点の選定指標とその割合 業務プロセス選定における勘定科目の記載(例:売上、原価等) 個別に追加した拠点やプロセスの具体的内容 これにより、単なる「売上高上位3拠点を選びました」という開示では不十分となり、なぜその拠点が重要か、どのようなリスクがあるかを示す必要があります。 ■ 旧来の“3分の2ルール”からの脱却 従来は、「売上高等の3分の2をカバーする拠点を対象とする」といった定量的な指標に依存した評価が主流で
安田 亮
2025年7月1日


MD&Aの開示
おはようございます!代表の安田です。 上場企業が提出する「有価証券報告書」において、MD&A(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)は、経営方針と並んで投資家にとって極めて重要な開示項目です。 近年は、形式的な記述から一歩進んだ、読み応えのある開示が求められています。 ■ 金融庁も注目、好事例集2024に新たな事例を追加 金融庁が2024年に発行した「記述情報の開示の好事例集」では、2年ぶりに優良なMD&Aの具体例が追加されました。これは企業側からの要望を受けたもので、MD&Aの改善が求められていることの証左とも言えます。 ■ 良質な開示の3つのポイント 経営者の視点で語る → 単なる数値の羅列ではなく、経営者自身が自社の置かれた状況やリスクにどう向き合い、どのような方向性を持って対応しているかを、経営者自身の言葉で具体的に記述することが求められます。 財務指標の長期的な推移を開示 → 例:大和ハウス工業は「ROE13%以上」という中期目標やROICの推移、向上への取り組みを明示。これにより、単年の数値にとどまらない中
安田 亮
2025年6月30日


M&Aに関する記事を監修させていただきました
おはようございます!代表の安田です。 fundbook様のM&Aに関する記事を監修させていただきました。 「M&Aにかかる税金は?株式譲渡・事業譲渡の税務や節税方法をわかりやすく解説」 https://fundbook.co.jp/column/understanding-ma/ma-tax-processing/ 個人と法人に分けての解説、節税の方法の紹介などもされています。 M&A実務に携わる方はぜひ一度読んでみてください。
安田 亮
2025年6月28日


公認会計士試験が変わる?
おはようございます!代表の安田です。 2025年6月12日、公認会計士・監査審査会(CPAAOB)は、公認会計士試験の試験制度全体にわたる見直しを発表しました。その中心にあるのは、「試験バランスの調整」と呼ばれる施策で、単なる出題範囲の変更にとどまらず、試験構成そのものの刷新と新分野(英語・サステナ・IT)の取り込みが議論の対象となっています。 ■ 背景:受験者数は増加、しかしバランスに課題 現在、会計士試験の受験者は増加傾向にありますが、短答式と論文式の合格率のギャップが大きく、受験者の多くが短答試験対策に偏ってしまう実態が指摘されています。 この偏重を是正し、より多くの受験者が論文式試験へ進めるよう、次のような措置が講じられます。 項目 内容 実施時期 短答式合格率の引上げ 論文式の受験者数を増やす 令和9年試験〜 論文式の合格基準引上げ 得点比率52% → 54% 令和9年試験から3〜4年かけて段階的に実施 試験時間・配点の見直し 計算問題の比重を調整 令和8年試験〜 ■ 新しい出題領域:英語、サステナビリティ、IT 今回の発表の中でも特に
安田 亮
2025年6月26日


法人税等会計基準が見直しへ
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2025年5月12日に開催された第93回税効果会計専門委員会において、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(法人税等会計基準)」の見直しに向けた初の審議を実施しました。 これは、3月開催の第53回企業会計基準諮問会議で提起されたもので、すでにASBJは本件を新規開発テーマとして正式に採用しています。 ■ 見直しの背景:会計基準の機動性と一貫性確保 現行の法人税等会計基準では、課税対象となる税金を個別に列挙するスタイルをとっており、新たな税制創設や廃止のたびに会計基準の改正が必要となっていました。 今後は、より原則的な定義に基づく形で基準を構築し、補足文書で具体的取扱いを明示する方式に移行することで、制度変更にも柔軟かつ機動的に対応できるようにする方針です。 ■ 主な見直しの方向性:4つの基本方針 ASBJが示した基準見直しの方向性は以下の通りです。 原則的な定義の明示化 → 課税対象利益を基礎とする税金を法人税等会計基準の対象に 適用範囲の実質維持 → 現行の適用範囲
安田 亮
2025年6月22日


総会前開示と「一体開示」
おはようございます!代表の安田です。 近年、上場企業の間で「有報の総会前開示」が急増しており、企業情報のタイムリーな開示への関心が高まっています。これと同時に注目を集めているのが、事業報告等と有価証券報告書(有報)の“一体開示”と、それを円滑に進めるための「EDINET特例」です。 ■ 背景:総会開催日の後倒しとペーパーレス化の流れ 2025年3月期決算企業では、株主総会の開催日を後ろ倒ししてでも有報を総会前に開示しようとする動きが目立っています。これにより、有報と事業報告等を同時に開示する「一体開示」の実務的な必要性が高まっているのです。 その一方で、株主への報告書面の郵送コストや手間が依然として大きな負担となっており、電子提供による効率化が喫緊の課題となっています。 ■ EDINET特例とは?通常の電子提供措置との違い 通常、上場企業は以下の条件を満たせば、事業報告等の書面送付を省略できます: 株主総会の3週間前までに事業報告等を自社HPに掲載 株主総会の2週間前までに株主へ通知(HPのURL等) この制度は「電子提供措置」と呼ばれ、会社法第
安田 亮
2025年6月21日


のれん非償却の選択制導入の議論
おはようございます!代表の安田です。 2025年5月30日、経済同友会とスタートアップ関連13団体、企業経営者有志138名が連名で、のれんの会計処理見直しに関する要望書を財務会計基準機構(FASF)に提出しました。要望の中心は、「のれんの非償却を選択制として認めること」と、「のれん償却費の会計処理区分の見直し」です。 ■ 提案の背景:M&Aと成長企業支援の観点から 本提案は、スタートアップや成長企業によるM&Aを促進する観点からまとめられたものです。現行の日本基準では、のれんは一定期間(例:20年以内)で定期償却され、営業費用として損益計算書に反映されます。 しかし、国際会計基準(IFRS)では、のれんは非償却で、毎期減損テストにより評価される仕組みとなっており、日本の定期償却制度は、次のような課題を抱えています: 国際比較が難しい(IFRSとの整合性に欠ける) 営業利益が過小評価されやすくなる M&Aの積極性を損なう要因となる キャッシュ・フローに影響しない費用であっても、PL上は営業費用に計上される ■ 要望の内容:2つの改革ポイント...
安田 亮
2025年6月20日


M&Aに関する記事を監修させていただきました
おはようございます!代表の安田です。 fundbook様のM&Aに関する記事を監修させていただきました。 「M&Aの会計処理を徹底解説!会計基準やスキーム別の仕訳方法、のれんの扱い方を紹介」 https://fundbook.co.jp/column/understanding-ma/ma-accounting/ 具体的な仕訳やのれんの処理が解説されています。 M&A実務に携わる方はぜひ一度読んでみてください。
安田 亮
2025年6月14日


のれん非償却化の議論
おはようございます!代表の安田です。 2025年5月9日、自民党金融調査会と企業会計小委員会による合同会議が開催され、企業会計のあり方について関係機関からのヒアリングが行われました。その中で特に注目されたのが、「のれん会計基準の見直し」および「サステナビリティ情報の保証制度の導入スケジュール」です。 ■ のれん会計処理の方向性:「非償却化」ではなく「IFRS適用」で対応? スタートアップ支援の文脈から、「のれんの償却費が営業利益を圧迫する」として、日本基準でも“非償却化”を導入すべきではないかという議論が行なわれています。実際、内閣府の規制改革推進会議でも、M&A推進の観点から非償却化の声が上がっていました。 しかし、今回の会議では、 「のれんを非償却にしたいのであれば、IFRSを任意適用すればよい」 「基準を変更するよりも、IFRS適用のハードルを下げるべき」 という声が多数を占め、会計基準の大幅な見直しには慎重な姿勢が示されました。 ■ 減損テストの負担軽減が今後の論点に? IFRSの任意適用を推奨する一方で、「毎期の減損テストに係るコストが
安田 亮
2025年6月13日


事後交付型株式に関する開示制度の改正
おはようございます!代表の安田です。 2025年2月に公布・施行された改正金融商品取引法施行令および関連する開示府令の改正により、いわゆる「事後交付型株式」に関する開示ルールが明確化されました。これに伴い、有価証券報告書および半期報告書における注記事項が拡充されています。 事後交付型株式とは? 事後交付型株式とは、一定の要件の下、有価証券届出書の提出を省略して「臨時報告書」の提出により募集・売出しを行うことができる特例制度の対象となる株式のことを指します。今回の改正により、この制度における手続きの透明性が高まり、実務に与える影響も大きいと考えられます。 有価証券報告書における新たな注記 改正後の開示府令では、有価証券報告書の「提出会社の状況」欄において、以下のような注記が求められるようになりました。 発行済株式総数・資本金・資本準備金の増加額について、事業年度ごとに「事後交付型株式による交付分」を合計で記載。 上記が「事後交付型株式によるものである」旨を欄外に明記。 この記載により、実際に交付された株式数や増加した資本の内訳を、より明確に把握でき
安田 亮
2025年5月11日


株主総会前の「有報開示」時に注意すべき記載ポイント
おはようございます!代表の安田です。 2025年3月期から、金融庁が要請する「株主総会前の有価証券報告書(有報)開示」に対応する企業が増えていく見込みです。これに伴い、有報における記載内容のタイミングと整合性が新たな実務課題として浮上しています。 本記事では、総会前開示を行う際に留意すべき有報記載のポイントについて解説いたします。 ■総会前開示が求められる背景 金融庁は、株主・特に海外投資家の議決権行使の利便性向上を目的として、上場企業に対し「株主総会の前日または数日前」に有報を開示することを要請しました(詳細は関連記事参照)。 従来は総会終了後に有報を提出する実務が一般的でしたが、前倒し開示が増えることで“未決議事項”の有報への記載方法”が新たな対応論点となっています。 ■総会前に開示する場合の主な記載ポイント ▼決議予定の項目も開示が必要(開示府令第3号様式 記載上の注意) 総会またはその直後に開催予定の取締役会で決議予定の項目は、決議予定内容として有報に記載し、その旨を注記する必要があります。 特に留意すべき項目は以下の通りです: 項目 記
安田 亮
2025年5月3日


投資家との対話の重要性と開示の事例
おはようございます!代表の安田です。 近年、財務・非財務情報の重要性が高まり、資本コストや株価を意識した経営の実現が求められる中で、上場企業にとって株主や投資家との対話がますます重要視されています。このような背景のもと、企業がどのように対話を行なっているか、またその結果をどのように経営に反映させているかを開示するケースが増えてきています。 企業の対話の取り組みと開示 「記述情報の開示の好事例集2024」に掲載されている事例として、以下の企業の取り組みが紹介されています。 双日(東証プライム、卸売業) 2024年3月期の有価証券報告書にて、「コーポレート・ガバナンスの概要」の中で、対話の取り組みと体制を開示。 経営層がメインスピーカーとして登壇する場を設けることで、株主・投資家との対話を重視。 IR(インベスター・リレーションズ)室が対話で得た見解を社内で適宜共有し、経営に反映。 三井化学(東証プライム、化学) 2024年3月期の有報において、投資家との対話の場に社外役員も参加する体制を構築したことを開示。 森永製菓(東証プライム、食品)...
安田 亮
2025年4月22日


M&Aに関する記事を監修させていただきました
おはようございます!代表の安田です。 fundbook様のM&Aに関する記事を監修させていただきました。 「飲食店のM&A動向は?実施メリット・デメリットや事例9選を紹介」 https://fundbook.co.jp/column/industries-ma/restaurant/ 飲食店のM&A動向が解説されています。 飲食業の方はぜひ一度読んでみてください。
安田 亮
2025年4月19日


政策保有株式の見直し強化へ
おはようございます!代表の安田です。 2025年3月期の有価証券報告書から、上場企業が保有する株式に対する開示ルールが強化されます。具体的には、最近5事業年度以内に「政策保有目的」から「純投資目的」へ変更した株式について、以下の内容の記載が新たに求められます。 開示が求められる情報 保有目的の変更年度 保有目的の変更理由 変更後の保有または売却に関する方針 これまでは、保有目的を純投資に変更すること自体は可能であり、形式的には政策保有株式から外れることとなっていました。しかし一部では、実際には長期間にわたり売却の意思がないにもかかわらず、純投資目的へと名目上変更している例も見られます。 このような形骸化を防ぐため、金融庁は実質的な保有方針や売却予定の有無についても投資家へ明示すべきとする姿勢を強めています。 売却方針の具体的記載例 たとえば、 「発行企業のガバナンス体制や業績、株主還元の姿勢が変化した場合に売却を検討する」 「株価が一定水準を超えた場合には売却を実施する方針」 といったように、企業がどのような条件下で売却や保有の方針を決定するかを
安田 亮
2025年4月18日


上場企業に「有価証券報告書」の株主総会前開示を促す動き
おはようございます!代表の安田です。 2025年3月28日、金融庁は全国の上場企業に対して、有価証券報告書(有報)の株主総会前開示を要請する文書を発出しました。これまでの「総会当日または後日」の開示慣行に対し、実務的な転換が求められることとなり、企業実務に少なからぬ影響が生じる見込みです。 ■なぜ今、有報の「総会前開示」が要請されたのか? 背景には、海外投資家の不満と、日本企業の情報開示の評価損失があります。 日本では、議決権行使基準日を期末と同日に設定し、有報は総会と同日または後日に開示されることが一般的です。 一方、海外では、総会開催前に年次報告書を開示する慣行が定着しており、投資判断に必要な情報が得られないとの批判が集まっていました。 企業努力により有報の内容は年々充実しているにもかかわらず、開示時期が遅れることで、市場や投資家から正当な評価が得られにくいとの指摘もありました。 ■金融庁の要請内容と今後の動き 要請文書では、本来は総会の3週間以上前の開示が望ましいとされる一方、まずは総会前日〜数日前の開示を目指すことが現実的なステップとされ
安田 亮
2025年4月16日
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