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MD&Aの開示

執筆者の写真: 安田亮
安田亮
2025年6月30日
読了時間: 3分

更新日:9月2日

おはようございます!代表の安田です。


上場企業が提出する「有価証券報告書」において、MD&A(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)は、経営方針と並んで投資家にとって極めて重要な開示項目です。

近年は、形式的な記述から一歩進んだ、読み応えのある開示が求められています。


■ 金融庁も注目、好事例集2024に新たな事例を追加

金融庁が2024年に発行した「記述情報の開示の好事例集」では、2年ぶりに優良なMD&Aの具体例が追加されました。これは企業側からの要望を受けたもので、MD&Aの改善が求められていることの証左とも言えます。


■ 良質な開示の3つのポイント

  1. 経営者の視点で語る → 単なる数値の羅列ではなく、経営者自身が自社の置かれた状況やリスクにどう向き合い、どのような方向性を持って対応しているかを、経営者自身の言葉で具体的に記述することが求められます。

  2. 財務指標の長期的な推移を開示 → 例:大和ハウス工業は「ROE13%以上」という中期目標やROICの推移、向上への取り組みを明示。これにより、単年の数値にとどまらない中長期視点が伝わります。

  3. ネガティブ情報の定量的開示も重要 → キヤノンは、のれんの減損リスクについて「メディカル事業部門の公正価値が帳簿価額を下回る可能性が他部門より高い」と明記。さらにその帳簿価額を開示することで、投資家との信頼性が高まります。


■ 投資家視点の開示は資本コスト低減にも貢献

ネガティブ情報をあえて定量的に記載することは、サプライズ回避に繋がり、投資家との信頼関係を築くことが可能になります。その結果、資本コストの抑制や株主構成の安定化といった副次的効果も期待されます。


■ まとめ:MD&Aは「語る」開示へ

形式的な数値報告ではなく、自社の課題や展望を自分の言葉で語ることが、MD&Aの質を高める近道です。



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【この記事の執筆者】

安田 亮(公認会計士・税理士)

安田亮公認会計士・税理士事務所 代表

京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。

現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。

事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。

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