特定親族特別控除が使えても「扶養親族向け控除」は使えない?
更新日:9月2日
おはようございます!代表の安田です。
令和7年度改正で創設された特定親族特別控除は、子などの収入が増えて扶養親族から外れた場合でも、一定の要件を満たせば親側で控除を受けられる制度です。初適用となる令和7年分の確定申告から、実務での問い合わせが増えやすいテーマです。
ただし重要なのは、子が特定親族に該当する場合、扶養親族等であることを要件とする他の所得控除は適用できないケースがある点です。
1. 特定親族とは何か
特定親族は、19歳以上23歳未満で、合計所得金額が58万円超123万円以下の親族等をいいます。
一方、扶養親族は合計所得金額が58万円以下等の親族等をいうため、特定親族は扶養親族に該当しません。
2. なぜ問題になるのか:扶養親族を要件とする控除がある
所得控除の中には、扶養控除のように「扶養親族がいること」を前提とするものが複数あります。子が扶養親族から外れて特定親族になった場合、それらの要件を満たさなくなり、親側で使えない控除が出てきます。
3. 特定親族になると使えない可能性がある主な所得控除
寡婦控除
障害者控除
所得金額調整控除
ひとり親控除
雑損控除
4. 判定に使うのは「合計所得金額」か「総所得金額等」か
ひとり親控除と雑損控除は、純損失や雑損失の繰越控除を適用する前の合計所得金額ではなく、これらを適用した後の総所得金額等で58万円以下かどうかを判定します。
5. 実務のチェックポイント
1)子の合計所得金額が58万円以下か、58万円超か
2)58万円超なら、年齢要件(19歳以上23歳未満)と上限(123万円以下)を満たして特定親族に当たるか
3)親側で、扶養親族を要件とする控除に影響が出ないか
まとめ
特定親族は扶養親族ではありません。そのため、子が特定親族に該当する場合、扶養親族等を要件とする所得控除が使えなくなることがあります。
確定申告や年末調整では、特定親族特別控除の可否だけでなく、ひとり親控除や寡婦控除など他の控除要件も併せて確認することが重要です。
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
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