税効果会計の応用論点を税理士が解説|その他有価証券・連結決算・退職給付会計のポイント
- 安田 亮
- 7 分前
- 読了時間: 18分
こんばんは!代表の安田です。
税効果会計の基本を理解した後に、多くの方がつまずくのが応用論点です。
特に難しいのが、その他有価証券の含み損益、連結決算の税効果、退職給付会計に係る税効果です。
これらは、通常の「会計では費用、税務ではまだ損金にならない」というシンプルな一時差異とは少し違った見方が必要になります。
その他有価証券では、含み損益を損益計算書ではなく純資産に計上するため、税効果の相手勘定が法人税等調整額ではなく、その他有価証券評価差額金になります。
連結決算では、個別会社単位ではなく連結グループ全体の視点で税効果を考えるため、未実現利益の消去や貸倒引当金の消去など、連結仕訳に伴う一時差異を検討する必要があります。
退職給付会計では、会計上の予測計算と法人税上の損金算入時期の違いにより一時差異が発生し、さらに数理計算上の差異については個別決算と連結決算で処理が異なります。
本日は、税効果会計の応用論点として、その他有価証券、連結決算、退職給付会計の税効果について、会計事務所を運営する税理士の視点からわかりやすく解説します。
税効果会計の基本をおさらい
税効果会計とは、会計と法人税で収益・費用を認識するタイミングが異なることにより発生する一時差異について、税金費用を適切に期間配分する会計処理です。
会計では、会社の経営成績や財政状態を適切に表示するため、見積りや時価評価、引当金などを使います。
一方、法人税では、課税の公平性や確実性を重視するため、会計上の費用や損失をすぐには損金として認めないことがあります。
その結果、会計上の利益と法人税上の所得に一時的なズレが生じます。
将来の税金を減らす効果があるものは繰延税金資産、将来の税金を増やす効果があるものは繰延税金負債として処理します。
通常の税効果会計では、相手勘定に法人税等調整額を使うことが多いです。
しかし、その他有価証券や退職給付会計、連結決算の一部論点では、通常とは異なる考え方が必要になります。
その他有価証券の税効果会計とは
その他有価証券とは、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式・関連会社株式以外の有価証券のうち、その他有価証券に分類されるものをいいます。
その他有価証券は、原則として期末に時価評価されます。
時価が取得原価を上回っていれば含み益、下回っていれば含み損が発生します。
この含み損益は、原則として損益計算書には計上されず、純資産の部に「その他有価証券評価差額金」として表示されます。
ここが通常の税効果会計と大きく違う点です。
通常の一時差異は、損益計算書に影響する費用や収益から発生することが多いため、税効果の相手勘定は法人税等調整額になります。
一方、その他有価証券評価差額金は損益ではなく純資産に直接計上されるため、税効果の相手勘定も法人税等調整額ではなく、その他有価証券評価差額金になります。
その他有価証券評価差額金の相手勘定
その他有価証券に含み益がある場合、時価評価により投資有価証券の帳簿価額が増加します。
たとえば、含み益が100、法定実効税率が30%であれば、繰延税金負債は30です。
このとき、その他有価証券評価差額金は100そのまま増えるのではありません。
繰延税金負債30を控除した70が、税効果後のその他有価証券評価差額金になります。
仕訳イメージとしては、投資有価証券を100増加させ、そのうち30を繰延税金負債、残り70をその他有価証券評価差額金として処理します。
このように、その他有価証券では、税効果を差し引いた後の金額が純資産に表示されます。
含み損の場合も同じ考え方です。
ただし、含み損に係る繰延税金資産については、回収可能性の検討が必要になります。
その他有価証券の原則法と例外法
その他有価証券の含み損益に係る税効果会計には、大きく原則法と例外法があります。
原則法は、個々の銘柄ごとに含み益・含み損を把握し、それぞれについて税効果を検討する方法です。
含み益銘柄については、繰延税金負債を計上します。
含み損銘柄については、繰延税金資産の回収可能性を検討し、回収可能性がある場合に繰延税金資産を計上します。
一方、例外法は、一定の条件のもとで銘柄をまとめて税効果を検討する方法です。
多数の銘柄を保有している会社では、銘柄ごとに詳細な検討を行うと実務負担が大きくなります。
そのため、例外法を使うことで、一定の範囲で実務負担を軽減できる場合があります。
ただし、例外法を使えば常に有利になるわけではありません。
事前にシミュレーションし、税効果後の純資産や評価性引当額への影響を確認することが重要です。
含み益銘柄の税効果
その他有価証券の含み益については、原則として繰延税金負債を計上します。
含み益は、将来その有価証券を売却したときに課税所得を増やす可能性があります。
そのため、将来税金が増える効果として繰延税金負債を認識します。
含み益に係る繰延税金負債については、会社分類や回収可能性の検討は基本的に問題になりません。
将来税金を減らす資産ではなく、将来税金を増やす負債だからです。
たとえば、含み益100、税率30%であれば、繰延税金負債30を計上し、税効果後の評価差額金は70になります。
含み損銘柄の税効果
その他有価証券の含み損については、繰延税金資産が発生する可能性があります。
含み損は、将来売却等により税務上の損金として認められると、将来の課税所得を減らし、税金を減らす効果を持ちます。
ただし、繰延税金資産である以上、回収可能性の検討が必要です。
つまり、含み損があるからといって、必ず繰延税金資産を計上できるわけではありません。
スケジューリング可能かどうか、会社分類はどうか、将来所得は見込めるかを確認します。
特に、売却予定がなく、いつ損金になるか見通せない銘柄については、スケジューリング不能差異として扱われることがあります。
会社分類2以下の場合、スケジューリング不能な含み損に係る繰延税金資産は、回収可能性がないと判断されることがあります。
過去に減損処理した銘柄の注意点
その他有価証券で特に注意したいのが、過去に減損処理をした銘柄です。
過去に減損処理をした銘柄では、取得原価を2種類把握する必要があります。
1つ目は、もともとの当初取得原価です。
2つ目は、減損後の取得原価です。
たとえば、当初取得原価100の有価証券について、過去に減損処理を行い、減損後取得原価が30になっているとします。
その後、時価が150になった場合、時価150と当初取得原価100との差額50が加算差異になります。
また、当初取得原価100と減損後取得原価30との差額70は、過去の減算差異が解消したものと考えます。
一方、時価が60の場合は、時価60と当初取得原価100との差額40が減算差異になります。
このように、過去に減損処理した銘柄では、単純に時価と減損後取得原価を比較するだけでは税効果を正しく計算できません。
連結決算の税効果会計とは
連結決算の税効果会計では、個別決算とは違った視点が必要です。
個別決算では、1つの会社の中で、会計と法人税のズレが発生し、将来そのズレが解消します。そのため、繰延税金資産は「税金の前払い」、繰延税金負債は「税金の後払い」と説明されることがあります。
しかし、連結決算では、連結グループ全体の視点で損益や資産・負債を見ます。
一方、法人税は原則として各法人ごとに計算されます。
そのため、連結上の損益認識と、個別会社ごとの法人税計算の間に追加のズレが発生します。この連結仕訳によって発生するズレに対して、税効果会計を適用するのが連結決算の税効果会計です。
連結仕訳により一時差異が追加で発生する
連結決算では、親会社と子会社、または子会社同士の取引について、グループ内部取引を消去します。代表的なものが、未実現利益の消去です。
たとえば、A社がB社へ商品を販売し、その商品が期末時点でB社の在庫として残っている場合、A社で計上された利益は連結グループ外部に対してまだ実現していません。
そのため、連結決算ではA社が計上した利益を消去します。
しかし、法人税の計算では、A社がB社へ販売した時点でA社に利益が発生しており、その利益に課税されます。連結決算では利益を消すのに、法人税では利益が残る。
このズレが、連結決算における税効果の発生原因です。
未実現利益の消去と繰延税金資産
未実現利益を消去する場合、連結決算上は利益を減らします。
しかし、法人税上は販売した会社で既に課税が発生しています。
連結グループの視点で見ると、将来その在庫がグループ外部へ販売されたときに、既に課税済みの利益部分について税負担を軽減する効果があると考えます。
そのため、未実現利益の消去に係る税効果では、繰延税金資産が発生することがあります。
たとえば、A社が原価50の商品をB社へ70で販売し、20の未実現利益が発生している場合を考えます。
法定実効税率を30%とすると、未実現利益20に対応する税効果は6です。
連結決算では、この6を繰延税金資産として認識することがあります。
未実現利益の消去には限度額がある
未実現利益の消去に係る税効果では、限度額にも注意が必要です。
たとえば、未実現利益が100発生していても、その利益を計上した会社の課税所得が80しかない場合、実際に課税された税額は80に対応する金額までです。
税率30%なら、実際の税負担は24です。
この場合、未実現利益100に30%を掛けた30をそのまま繰延税金資産にすることはできません。
なぜなら、実際に繰り延べる対象となる税額は24までだからです。
連結決算の未実現利益の消去に係る税効果では、未実現利益の額だけでなく、課税された会社の所得や税額を確認する必要があります。
未実現利益の消去では繰延法が使われる
日本の税効果会計では、一般に資産負債法が採用されています。
しかし、未実現利益の消去に係る税効果については、例外的に繰延法が採用されています。
この点は非常に重要です。
繰延法が採用される理由としては、未実現利益が発生した会社と、実際に棚卸資産を保有している会社が異なること、税金を納付した時点の利益と税金費用が対応していること、資産負債法にすると回収可能性の検討が必要になり実務負担が大きいことなどが挙げられます。
そのため、未実現利益の消去に係る連結仕訳をしても、繰延税金資産の回収可能性判定を改めて行なわないという特徴があります。
通常の繰延税金資産とは少し考え方が違うため、実務では混同しないよう注意が必要です。
未実現損失の消去と繰延税金負債
未実現損失の消去では、逆に繰延税金負債が発生することがあります。
たとえば、A社が原価50の商品をB社へ30で販売し、A社で20の損失が発生したとします。
ただし、その商品が期末時点でB社の在庫として残っている場合、連結グループの視点では損失はまだ実現していません。
そのため、連結決算では未実現損失を消去します。
法人税上は、A社で損失が発生しているため、課税所得が減少している可能性があります。
一方、連結決算では損失を消去するため、将来その差異が解消するときに税負担が増える効果が生じます。
この場合、繰延税金負債を認識することがあります。
ただし、未実現損失については、そもそも消去しない場合もあります。
たとえば、棚卸資産の時価下落などにより、売却損が実質的に実現していると判断される場合には、未実現損失の消去を行なわないことがあります。
貸倒引当金の消去と税効果
連結決算では、グループ内債権・債務を消去します。
グループ内債権に対して貸倒引当金を計上している場合、その貸倒引当金も連結上は消去されます。
個別決算では貸倒引当金繰入額が費用として処理され、法人税上の取扱いに応じて一時差異が生じることがあります。しかし、連結決算ではグループ内債権そのものを消去するため、それに対応する貸倒引当金も消去します。
この連結仕訳により、連結上の会計と法人税の間にズレが生じることがあります。
そのため、貸倒引当金の消去についても税効果を検討する必要があります。
連結税効果では、単に個別決算の税効果を合算するだけでは足りません。
連結仕訳で追加発生する一時差異を見落とさないことが重要です。
退職給付会計と税効果会計
退職給付会計でも税効果が発生します。
退職給付会計では、従業員が勤務サービスを提供したことに伴い発生する勤務費用や、時の経過により退職給付債務が増加する利息費用などを、予測計算に基づいて会計処理します。
一方、法人税では、退職一時金は原則として支払時に損金となり、退職年金の掛金は拠出時に損金となります。
つまり、会計では将来の退職給付を見積もって早めに費用処理する一方、法人税では実際の支払や拠出のタイミングで損金算入されます。
このタイミングの違いにより、一時差異が発生します。
会計上の退職給付費用が先に発生し、法人税上の損金算入が後になる場合、将来減算一時差異となり、繰延税金資産の対象になります。
退職給付に係る負債の一時差異
退職給付に係る負債は、会計上、将来支払う退職給付を見積もって負債として認識するものです。
この負債に対応する費用は、会計上は勤務期間に応じて認識されます。
しかし、法人税では、退職一時金であれば支払時、退職年金掛金であれば掛金拠出時に損金算入されます。
そのため、会計上は費用計上済みでも、法人税上はまだ損金になっていない金額が発生します。
これは将来減算一時差異です。
将来、退職金を支払ったり掛金を拠出したりしたときに、法人税上の損金として認められます。
そのとき、将来の課税所得を減らし、税金を減らす効果が生じます。
数理計算上の差異とは
退職給付会計では、将来の退職給付を予測計算します。
しかし、実際の退職給付債務や年金資産の金額は、予測どおりになるとは限りません。
割引率、退職率、昇給率、年金資産の運用実績などの変化により、予測と実績の間に差異が発生します。
この差異を数理計算上の差異といいます。
また、過去勤務費用が発生することもあります。
これらは退職給付会計特有の論点です。
法人税では、このような予測計算や数理計算上の差異という考え方はありません。
したがって、会計と法人税の間に一時差異が発生し、税効果会計の検討が必要になります。
数理計算上の差異の遅延認識と即時認識
数理計算上の差異には、会計処理の考え方として遅延認識と即時認識があります。
遅延認識とは、数理計算上の差異が発生しても、すぐに損益に反映せず、一定期間にわたって徐々に費用処理する考え方です。
予測と実績の差異は、将来の期間で解消する可能性もあるため、一度に損益処理すると業績が大きくぶれるおそれがあります。
一方、即時認識とは、予測と実績の差異が発生した時点で、すぐに財務諸表に反映する考え方です。差異が生じているにもかかわらず認識しないと、簿外の負債や資産が存在することになるという考え方です。
日本の退職給付会計では、個別決算と連結決算で処理が異なります。
個別決算と連結決算の違い
個別決算では、数理計算上の差異について遅延認識が採用されています。
そのため、未認識数理計算上の差異は、個別財務諸表には直接表示されず、簿外項目になります。
一方、連結決算では、退職給付に係る負債について即時認識を行います。
ただし、損益については個別決算と同様に遅延認識します。
つまり、連結決算では、負債はすぐに貸借対照表へ反映するが、損益は徐々に認識するという処理になります。
このままだと、負債と損益の認識タイミングにズレが生じます。
そこで使われるのが、その他の包括利益です。
退職給付に係る調整額として、その他の包括利益を使って処理します。
その他の包括利益と税効果
連結決算で数理計算上の差異を即時認識する場合、退職給付に係る負債が増加します。
しかし、損益にはすぐに反映しません。
そのため、相手勘定としてその他の包括利益を使います。
具体的には、数理計算上の差異が発生した時点で、退職給付に係る負債を認識し、相手勘定として退職給付に係る調整額を計上します。
その後、数理計算上の差異を費用処理していくにつれて、その他の包括利益が組み替えられていきます。ここでも税効果が関係します。
その他有価証券評価差額金と同じように、損益を通さず純資産やその他の包括利益に計上される項目については、税効果の相手勘定も法人税等調整額ではなく、対応する包括利益項目になります。
組替調整と税効果
退職給付会計では、数理計算上の差異が発生したときにその他の包括利益として処理し、その後、費用処理に合わせて損益へ組み替えていきます。
この処理を組替調整といいます。
税効果も、この組替調整に合わせて処理する必要があります。
数理計算上の差異が発生した時点では、その他の包括利益に対応する税効果を認識します。
その後、退職給付費用として損益処理されるタイミングで、対応する税効果も損益側に組み替えます。
この処理を誤ると、その他の包括利益、法人税等調整額、繰延税金資産の関係が崩れてしまいます。退職給付会計の税効果では、数理計算上の差異そのものだけでなく、発生時と費用処理時の税効果の動きも追跡する必要があります。
税効果会計の応用論点で共通する考え方
その他有価証券、連結決算、退職給付会計は、それぞれ論点が異なります。
しかし、共通する考え方があります。それは、税効果の発生原因がどこにあるのかを確認することです。
損益計算書を通る項目であれば、相手勘定は法人税等調整額になることが多いです。
一方、その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整額のように、損益を通らず純資産やその他の包括利益に直接計上される項目であれば、税効果の相手勘定もそれに対応する項目になります。
また、連結決算では、個別会社単位ではなく連結グループ全体の視点で、将来税負担が増えるのか減るのかを考える必要があります。
「税金の前払い」「税金の後払い」という言葉だけで処理しようとすると、かえって混乱します。
実務上のチェックポイント
税効果会計の応用論点を検討する際は、次の点を確認しましょう
その他有価証券の含み益・含み損を銘柄ごとに把握しているか
その他有価証券について原則法と例外法のどちらで処理するか検討しているか
含み損銘柄について繰延税金資産の回収可能性を検討しているか
過去に減損処理した銘柄について、当初取得原価と減損後取得原価を区分しているか
その他有価証券評価差額金の税効果の相手勘定を法人税等調整額にしていないか
連結決算で未実現利益や未実現損失の消去に係る税効果を検討しているか
未実現利益の消去に係る税効果について限度額を確認しているか
未実現利益の消去について繰延法の考え方を理解しているか
貸倒引当金の消去など、連結仕訳に伴う追加の一時差異を把握しているか
退職給付に係る負債の会計上の処理と法人税上の損金算入時期を比較しているか
数理計算上の差異について、個別決算と連結決算の処理の違いを確認しているか
その他の包括利益に係る税効果と組替調整を追跡しているか
これらを確認することで、税効果会計の応用論点に関するミスを防ぎやすくなります。
よくある誤解
税効果会計の応用論点では、実務上いくつかの誤解が起こりがちです。
その他有価証券の税効果について、相手勘定を法人税等調整額としてしまう
その他有価証券評価差額金は損益計算書を通らないため、税効果の相手勘定もその他有価証券評価差額金になります。
含み損がある銘柄について、必ず繰延税金資産を計上できると考える
含み損に係る繰延税金資産は回収可能性の検討が必要です。
連結決算の税効果を個別決算と同じ「前払い・後払い」のイメージで処理しようとする
連結決算では、納税した会社と将来税負担が減る会社が異なることがあります。
退職給付会計では、個別決算と連結決算で数理計算上の差異の処理が同じだと考える
個別決算では遅延認識、連結決算では負債の即時認識とその他の包括利益による調整がポイントです。
まとめ
税効果会計の応用論点では、通常の一時差異とは異なる視点が必要になります。
その他有価証券の含み損益では、時価評価によりその他有価証券評価差額金が発生します。
この評価差額金は損益を通らず純資産に直接計上されるため、税効果の相手勘定は法人税等調整額ではなく、その他有価証券評価差額金になります。
含み益については繰延税金負債を計上し、含み損については繰延税金資産の回収可能性を検討します。過去に減損処理した銘柄については、当初取得原価と減損後取得原価を区分して把握する必要があります。
連結決算の税効果会計では、連結仕訳により会計と法人税の一時的な差異が追加で発生します。未実現利益の消去では、連結グループの視点から将来の税負担の減額効果を考え、繰延税金資産が発生することがあります。
ただし、未実現利益の消去には限度額があり、また例外的に繰延法が採用される点が重要です。未実現損失の消去では、繰延税金負債が発生することがありますが、そもそも未実現損失を消去しない場合もあります。
退職給付会計では、会計上の予測計算と法人税上の損金算入時期の違いにより、一時差異が発生します。
退職一時金は支払時、退職年金掛金は拠出時に法人税上損金算入されるため、会計上の退職給付費用との間でタイミングのズレが生じます。
数理計算上の差異については、個別決算では遅延認識、連結決算では負債の即時認識とその他の包括利益による調整が行われます。
税効果会計の応用論点を理解するには、まず「税効果の発生原因は損益なのか、純資産・その他の包括利益なのか」「個別会社の視点なのか、連結グループの視点なのか」「将来税負担が増えるのか、減るのか」を整理することが大切です。
その他有価証券、連結決算、退職給付会計の税効果で迷う場合は、公認会計士や税理士へ相談することをおすすめします。
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