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【2026年年末調整】19歳~22歳の子の扶養控除が変更!年収136万円の基準と申告書の注意点

執筆者の写真: 安田亮
安田亮
12 時間前
読了時間: 10分

こんばんは!代表の安田です。


2026年(令和8年)の年末調整では、扶養控除に関する所得要件が変更されます。


特に注意したいのが、19歳以上23歳未満の子どもを扶養している場合です。

令和8年度税制改正により、扶養親族の所得要件が従来の58万円以下から62万円以下に引き上げられました。


給与収入だけの場合、扶養控除の対象となる子どもの年収上限は、2025年の123万円から2026年には136万円になります。


この改正に伴い、一定の年収の子どもについては、昨年までの「特定親族特別控除」から「特定扶養親族に係る扶養控除」へ適用する制度が変わります。


控除額は63万円で変わらないものの、年末調整で提出する申告書が異なるため、会社の給与担当者も従業員も注意が必要です。


今回は、2026年の年末調整における19歳以上23歳未満の子どもの扶養控除について、具体例を交えて解説します。


2026年から扶養親族の所得要件が62万円以下に引上げ

令和8年度税制改正では、所得税の基礎控除や給与所得控除の最低保障額の引上げに加え、扶養親族等の所得要件も変更されました。


扶養親族については、合計所得金額の上限が次のように変わります。

項目

2025年(令和7年)

2026年(令和8年)

扶養親族の所得要件

58万円以下

62万円以下

給与収入のみの場合

123万円以下

136万円以下

特定扶養親族の扶養控除額

63万円

63万円

つまり、2026年分では、給与収入だけの子どもであれば、年収136万円以下が扶養控除の所得要件の目安となります。


ただし、子どもの年齢や生計を一にしていることなど、所得以外の要件も満たす必要があります。


なお、今回の改正では、扶養親族以外にも次の所得要件が変更されています。

区分

改正前

改正後

扶養親族

58万円以下

62万円以下

同一生計配偶者

58万円以下

62万円以下

ひとり親の生計を一にする子

58万円以下

62万円以下

勤労学生

85万円以下

89万円以下

※ひとり親の生計を一にする子については、総所得金額等の合計額で判定します。


19歳以上23歳未満の子どもは2種類の控除が関係する

19歳以上23歳未満、つまり一般に19歳から22歳までの子どもについては、所得に応じて次の2つの制度が関係します。


<特定扶養親族に係る扶養控除>

特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、年齢が19歳以上23歳未満の親族等をいいます。

2026年分では、子どもの合計所得金額が62万円以下であることなどが要件です。

条件を満たす場合、親は63万円の扶養控除を受けることができます。


<特定親族特別控除>

特定親族特別控除は、2025年(令和7年)分の所得税から導入された制度です。

19歳以上23歳未満の子どもなどについて、通常の扶養控除の所得要件を超えても、一定の範囲で親が所得控除を受けられる仕組みです。

2026年分では、子どもの合計所得金額が62万円超123万円以下である場合などが対象になります。控除額は子どもの所得に応じて63万円から3万円まで段階的に変わります。


<2つの控除の違い>

項目

特定扶養親族の扶養控除

特定親族特別控除

子どもの年齢

19歳以上23歳未満

19歳以上23歳未満

2026年の所得要件

62万円以下

62万円超123万円以下

最大控除額

63万円

63万円

控除額

63万円

所得に応じて63万~3万円

特に注意したいのは、年収136万円を超えたからといって、直ちに63万円の所得控除がなくなるわけではないことです。


次に、給与収入別の取扱いを確認します。


2026年の年収別・扶養控除早見表

子どもの収入が給与のみの場合、2026年分の主な区分は次のとおりです。

子どもの年間給与収入

適用する控除

親の控除額

136万円以下

特定扶養親族に係る扶養控除

63万円

136万円超159万円以下

特定親族特別控除

63万円

159万円超197万円以下

特定親族特別控除

61万~3万円

197万円超

上記の控除なし

0円

※国内居住の子どもについて、給与収入のみの場合の主な所得要件を示しています。


このように、2026年分では、子どもの年収が159万円以下であれば、その他の要件を満たすことで親が63万円の控除を受けられます。


ただし、年収136万円以下と136万円超では、適用する控除の種類が異なります。

したがって、年末調整では単に年収だけでなく、どちらの申告書で控除を申告するかを確認する必要があります。


最も注意したいのは子どもの所得58万円超62万円以下

今回の改正で実務上最も注意したいのが、子どもの合計所得金額が、58万円超62万円以下となるケースです。


この所得金額の範囲については、2025年と2026年で適用できる控除の種類が変わります。


<2025年の場合>

2025年分では、扶養親族の所得要件が58万円以下でした。

したがって、19歳以上23歳未満の子どもの合計所得金額が60万円だった場合、通常の扶養控除は適用できません。


代わりに、2025年から導入された特定親族特別控除を利用することになります。

控除額は63万円です。


<2026年の場合>

2026年分では、扶養親族の所得要件が62万円以下に引き上げられました。

そのため、同じく子どもの合計所得金額が60万円であれば、今度は特定扶養親族に該当します。


適用するのは特定親族特別控除ではなく、通常の特定扶養親族に係る扶養控除です。

こちらも控除額は63万円です。


<改正前後の比較>

項目

2025年

2026年

子どもの合計所得金額

60万円

60万円

適用する控除

特定親族特別控除

特定扶養親族の扶養控除

親の控除額

63万円

63万円

主な申告書

特定親族特別控除申告書

扶養控除等(異動)申告書

つまり、控除額は変わらないのに、控除の種類と申告書だけが変更されるわけです。


なお、給与所得控除の最低保障額も変更されているため、合計所得金額58万円超62万円以下に対応する給与年収の範囲は、2025年と2026年で異なります。


年収132万円超136万円以下の場合は申告書の変更に注意

2026年分で子どもの給与収入が132万円超136万円以下の場合、給与所得控除後の所得金額は58万円超62万円以下となります。


この所得区分にある子どもについては、2026年の年末調整から特定扶養親族に係る扶養控除を適用することになります。


そのため、昨年と同じように特定親族特別控除申告書だけを提出する方法では対応できません。

具体的には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要となります。


<申告書の変更点>

項目

2025年分

2026年分

控除の種類

特定親族特別控除

特定扶養親族の扶養控除

控除額

63万円

63万円

提出書類

特定親族特別控除申告書

扶養控除等(異動)申告書

給与担当者は、2025年に特定親族特別控除を申告していた従業員についても、2026年の子どもの所得見込みを改めて確認した方がよいでしょう。


扶養控除等(異動)申告書はいつまでに提出する?

今回の改正に伴って扶養控除等(異動)申告書の提出が必要となる場合、原則として、2026年12月1日以後、最初に給与の支払いを受ける日の前日までに提出することとされています。


ただし、年末調整を行なう時までに提出すればよい取扱いも示されています。

したがって、年末調整の実務では、扶養控除等(異動)申告書に変更後の扶養親族の情報が正しく記載されているか確認することが重要です。


なお、今回の改正により特定扶養親族となる子どもについては、2026年分の特定親族特別控除申告書を提出する必要はありません。


7.具体例で確認

<ケース①>大学生の子どもの年収が134万円

次のケースを考えます。

項目

内容

子どもの年齢

20歳

2026年の給与収入

134万円

給与所得控除

74万円

合計所得金額

60万円

子どもの合計所得金額は60万円なので、改正後の62万円以下という扶養親族の所得要件を満たします。


したがって、その他の要件も満たせば、親は特定扶養親族に係る扶養控除63万円を適用できます。


この場合、特定親族特別控除申告書ではなく、扶養控除等(異動)申告書によって申告します。


<ケース②>大学生の子どもの年収が150万円

次に、子どもの年収が150万円の場合です。

2026年の給与所得控除後の所得金額は76万円となります。

62万円を超えているため、通常の特定扶養親族には該当しません。

しかし、特定親族特別控除の所得要件は満たしており、親は63万円の特定親族特別控除を受けることができます。


<ケース③>大学生の子どもの年収が180万円

年収180万円の場合、給与所得控除後の所得金額は106万円となります。

この場合も、一定の要件を満たせば特定親族特別控除の対象です。

ただし、控除額は63万円ではなく、所得に応じて段階的に減少した金額になります。

このように、年収136万円・159万円・197万円の各基準を区別することが重要です。


会社の給与担当者が確認したいポイント

2026年の年末調整では、19歳以上23歳未満の子どもを持つ従業員について、特に次の項目を確認するとよいでしょう。

確認事項

内容

子どもの年齢

19歳以上23歳未満か

2026年の収入

給与収入等の年間見込額

合計所得金額

62万円以下か

扶養控除

特定扶養親族に該当するか

特定親族特別控除

所得62万円超の場合に適用できるか

申告書

扶養控除等(異動)申告書の提出が必要か

提出期限

年末調整までに必要書類がそろっているか

特に注意したいのは、2025年には特定親族特別控除を利用していた従業員が、2026年には扶養控除の対象となるケースです。


控除額が同じ63万円であるため、会社側で変更を見落とす可能性があります。


よくある質問

Q. 2026年は大学生の子どもの年収が136万円以下なら扶養控除を受けられますか?

A. 子どもが19歳以上23歳未満で、給与収入のみの場合、年収136万円以下であれば、改正後の所得要件を満たします。その他の扶養控除の要件を満たせば、63万円の特定扶養親族に係る扶養控除を適用できます。


Q. 子どもの年収が136万円を超えると63万円控除はなくなりますか?

A. いいえ。2026年分では、給与収入が136万円超159万円以下の場合も、一定の要件を満たせば、特定親族特別控除として63万円の控除を受けられます。


Q. 2025年と2026年で控除額は変わりますか?

A. 今回の所得要件の変更によって、特定扶養親族に係る扶養控除と特定親族特別控除の控除額自体は変更されていません。ただし、適用する控除の種類が変わる場合があります。


Q. 2025年に特定親族特別控除申告書を提出していれば、2026年もそのままでよいですか?

A. 2026年の子どもの合計所得金額が58万円超62万円以下の場合は、特定扶養親族に該当することになります。そのため、扶養控除等(異動)申告書の提出が必要です。


Q. 今回の改正は社会保険の扶養にも同じように適用されますか?

A. 今回解説しているのは、所得税の扶養控除等の取扱いです。社会保険上の被扶養者認定とは別の制度であるため、同じ収入基準で判断しないよう注意が必要です。


まとめ

2026年(令和8年)の年末調整では、扶養親族の所得要件が58万円以下から62万円以下へ引き上げられます。


給与収入のみの場合、年収上限は123万円から136万円へ変更されます。

特に、19歳以上23歳未満の子どもがいる場合には、次の点に注意が必要です。

  • 2026年は給与年収136万円以下なら、一定の要件を満たすことで特定扶養親族の扶養控除63万円を適用できる

  • 年収136万円超159万円以下の場合は、特定親族特別控除63万円の対象となり得る

  • 年収159万円超197万円以下でも、所得に応じて特定親族特別控除の対象となり得る

  • 合計所得金額58万円超62万円以下の子どもは、特定親族特別控除から特定扶養親族に係る扶養控除へ変更される

  • 控除額が63万円で変わらなくても、提出する申告書が変わる

  • 該当する場合は、扶養控除等(異動)申告書を年末調整までに提出する必要がある


2026年の年末調整では、前年と同じ家族構成であっても、適用する控除や提出書類が変わる可能性があります。


会社の給与担当者は、19歳以上23歳未満の子どもを扶養している従業員について、年収見込額と申告書の記載内容を改めて確認することが重要です。



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【この記事の執筆者】

安田 亮(公認会計士・税理士)

安田亮公認会計士・税理士事務所 代表

京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。

現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。

事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。


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