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ゲーム制作費の会計処理とは?資産計上・研究開発費・償却・減損の判断ポイントを公認会計士が解説

執筆者の写真: 安田亮
安田亮
3 分前
読了時間: 17分

こんばんは!代表の安田です。


ゲーム業界では、1本のタイトルを開発するために多額の制作費が発生します。


シナリオ、キャラクター、グラフィック、BGM、世界観、プログラム、サーバー環境、UI、継続アップデートなど、ゲーム制作にはさまざまな要素が関係します。


そのため、経理実務では

  • ゲーム制作費を資産計上できるのか

  • 研究開発費として費用処理すべきなのか

  • 棚卸資産なのか、無形固定資産なのか

  • リリース後の追加開発費はどう処理するのか

といった論点が生じます。


特に近年は、パッケージ販売だけでなく、ダウンロード販売、アイテム課金、ゲーム内通貨、サブスクリプション、アーリーアクセス、ソフトローンチ、マルチプラットフォーム展開、海外展開など、ゲームの提供方法や収益モデルが多様化しています。


一方で、日本基準では、ゲーム制作費そのものを直接定めた包括的な会計基準はありません。そのため、実務では研究開発費等会計基準やソフトウェア会計の考え方を参考にしつつ、各社がゲームの経済的実態に応じて会計処理を判断しています。


本日は、ゲーム制作費の会計処理について、資産計上と費用処理の考え方、貸借対照表上の表示科目、研究開発費と制作原価の区分、リリース前後の実務論点を、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。


ゲームはソフトウェアか、コンテンツか

ゲーム制作費の会計処理が難しい理由は、ゲームが単なるソフトウェアではなく、コンテンツとしての性格も強いからです。


ゲームには、プログラム、システム、データベース、サーバー通信など、ソフトウェアとしての要素があります。


一方で、シナリオ、キャラクター、グラフィック、BGM、世界観、演出、アニメーションなど、コンテンツとしての価値を生み出す要素もあります。


たとえば、ゲームの価値は、プログラムが正常に動くことだけで決まるわけではありません。ユーザーが魅力を感じるキャラクター、遊び続けたくなる世界観、快適な操作性、課金したくなる仕組み、コミュニティ形成などが一体となって価値を生み出します。


このため、ゲーム制作費を研究開発費等会計基準上の「ソフトウェア」として処理するのか、それともソフトウェアを含む「コンテンツ」として経済的実態に即して処理するのかが、実務上の出発点になります。


ゲーム制作費に固有の会計基準はない

ゲーム制作費については、専用の会計基準が整備されているわけではありません。


そのため、実務では、既存の会計基準を参考にしながら判断します。

代表的には、研究開発費等会計基準、研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針、無形固定資産に関する考え方、棚卸資産に関する考え方などを参照します。


しかし、ゲーム業界のビジネスモデルは非常に多様です。

同じゲームでも、パッケージ販売を中心とするもの、オンラインサービスとして長期間運営するもの、アイテム課金で継続収益を得るもの、サブスクリプション型のもの、アーケード施設でプレイ課金を得るものなどがあります。


このような違いにより、ゲーム制作費の表示科目、資産計上の開始時点、償却方法、償却期間、減損の判断に幅が生じています。


プラットフォーム別に考えることが重要

ゲーム制作費の会計処理を検討する際は、まずプラットフォーム別に整理するとわかりやすくなります。


代表的なプラットフォームには、モバイルゲーム、PCゲーム、コンソールゲーム、アーケードゲームがあります。


モバイルゲームは、スマートフォンやタブレットで遊ぶゲームです。無償でダウンロードし、ゲーム内通貨やアイテム課金で収益を得るモデルが多く見られます。開発期間は比較的短いこともありますが、ヒット後は継続的なアップデートが重要になります。


PCゲームは、ダウンロード販売、オンラインゲーム、ブラウザゲームなど多様です。ヘビーユーザーが多く、ゲーム内コミュニティが形成され、長期的に遊ばれるタイトルもあります。


コンソールゲームは、家庭用ゲーム機で遊ぶゲームです。従来はパッケージ販売が中心でしたが、近年はダウンロード販売や追加コンテンツ、オンライン機能も一般化しています。リリース時の完成度が重視される傾向があります。


アーケードゲームは、ゲームセンターなどに設置された筐体で遊ぶゲームです。ソフトウェアだけでなく、筐体やコントローラーなどのハードウェアも関係するため、別の論点が生じることがあります。


このように、プラットフォームによって開発方法、ユーザー層、課金方法、運営コスト、収益獲得期間が異なるため、会計処理も一律には決められません。


課金方法によって収益の発生時点が変わる

ゲーム制作費の償却や資産性を考える際には、課金方法も重要です。

代表的な課金方法には、次のようなものがあります。

  • パッケージ販売

  • ダウンロード販売

  • ゲームプレイ課金

  • ゲーム内通貨販売

  • アイテム課金

  • 期間定額課金

  • サブスクリプション


パッケージ販売やダウンロード販売では、販売時点で大きな収益が発生しやすいです。この場合、制作費を販売時に費用化する考え方や、見込販売数量・見込販売収益に応じて償却する考え方がなじみやすい場合があります。


一方、ゲーム内通貨やアイテム課金、サブスクリプションでは、リリース後に継続的な収益が発生します。この場合、収益獲得期間や利用可能期間にわたって制作費を償却する考え方が合理的となることがあります。


つまり、ゲーム制作費の会計処理では、「どのように収益を得るゲームなのか」を理解することが不可欠です。


貸借対照表上の表示科目

ゲーム制作費を資産計上する場合、貸借対照表上の表示科目としては、主に流動資産または無形固定資産が考えられます。


流動資産として処理する考え方は、ゲームを棚卸資産に近いものと捉える考え方です。

たとえば、パッケージ販売やダウンロード販売を中心とするゲームでは、制作されたゲームを販売用コンテンツと見て、販売時に費用化する処理が考えられます。市場サイクルが短く、発売直後に収益の大部分を獲得するようなタイトルでは、流動資産としての性格が強いといえます。


一方、無形固定資産として処理する考え方は、ゲームを自社利用ソフトウェアに近いものと捉える考え方です。

たとえば、モバイルゲームのように、ユーザーがアプリを無償でダウンロードし、ゲーム内の仮想空間やアイテム課金により継続的な収益を獲得するモデルでは、ゲームプログラムを通じてサービスを提供していると考えられます。この場合、無形固定資産として資産計上し、収益獲得期間にわたって償却する考え方があり得ます。


費用配分の方法

ゲーム制作費を資産計上した場合、どのように費用化するかも重要です。


主な費用配分の方法には、次のようなものがあります。

  • 収益獲得期間または利用可能期間にわたる償却

  • 見込販売数量に応じた償却

  • 見込売上高に応じた償却

  • 販売時に全額費用処理


継続的にサービスを提供するオンラインゲームでは、収益獲得期間や利用可能期間にわたって償却する方法が考えられます。


一方、発売時に収益が集中するゲームでは、販売時に費用処理する方法や、見込販売数量・見込売上高に応じて償却する方法が考えられます。


重要なのは、制作費の費用化パターンが、収益の獲得パターンと対応していることです。

たとえば、発売後すぐに売上の大部分を獲得するゲームで、長期間にわたって定額償却する処理を行うと、期間損益が実態とずれる可能性があります。


反対に、長期間にわたり運営し、継続課金で収益を得るゲームについて、リリース時に全額費用処理すると、収益と費用の対応関係が崩れる可能性があります。


研究開発費と制作原価の区分

ゲーム制作費では、研究開発費と制作原価をどのように区分するかも重要な論点です。

実務上、棚卸資産として処理している会社では、研究開発費と制作原価を区分せず、すべて制作原価として処理する傾向があります。


これは、従来のパッケージ販売時代から、ゲーム制作費を棚卸資産として計上し、販売時に費用化する実務が存在していたことが背景にあります。


一方、無形固定資産として処理している会社では、研究開発費と制作原価を区分する傾向があります。


この場合、研究開発費等会計基準の考え方を参考にし、研究開発段階の費用は発生時に費用処理し、将来の収益獲得が確実になった後の制作費を資産計上することが考えられます。


ただし、ゲームはコンテンツ性が強く、どこまでを研究開発費、どこからを制作原価とするかの判断は簡単ではありません。


企画段階、プロトタイプ制作、試作版開発、βテスト、マスター版完成、正式リリースなど、制作プロセスごとに判断する必要があります。


資産計上開始時点の判断

ゲーム制作費の会計処理で最も判断が難しいのが、資産計上をいつ開始するかです。


ゲーム制作では、次のような段階があります。

  • コンセプト作成

  • 企画承認

  • 仕様書作成

  • プロトタイプ制作

  • 試作版開発

  • β版制作

  • クローズドβテスト

  • オープンβテスト

  • マスター版完成

  • 正式リリース

  • 追加開発


資産計上開始時点は、タイトルの性質、IPの知名度、技術的難易度、収益計画の確度、リリース可能性によって変わります。


たとえば、すでに大衆化した有名IPの続編で、制作の完了や発売がほぼ確実であり、制作費を上回る収益獲得の確度が高い場合には、企画承認後の早い段階から資産計上を検討できる可能性があります。


一方、新規IP、新規ジャンル、新規プラットフォーム、技術的な難易度が高いタイトルでは、収益獲得の不確実性が高いため、βテスト後やマスター版完成後まで費用処理する考え方もあります。


重要なのは、資産計上開始時点を形式的に決めるのではなく、将来収益獲得の確実性を説明できるかどうかです。


β版・アーリーアクセスの会計処理

近年のゲーム開発では、正式リリース前にβ版を公開し、ユーザーからフィードバックを得ることがあります。


オープンβテストでは、一般ユーザーに試遊してもらい、バグ、操作性、ゲームバランス、サーバー負荷、ユーザー反応などを確認します。


また、PCゲームを中心に、アーリーアクセスという形で、正式リリース前であっても販売や課金を開始するケースもあります。


この場合、正式リリース前に収益が発生するため、制作費の償却開始時期や減損判定が問題になります。


β版やアーリーアクセスの目的が、あくまで正式リリース版の成功に向けたテストであり、収益が限定的である場合には、正式リリース時から償却を開始する考え方があります。


一方、β版の提供期間が長期にわたり、実質的に正式版と同様のサービスを提供している場合には、β版の段階から主要な収益を獲得していると見て、償却を開始することが合理的となる場合があります。


つまり、「β版だから償却しない」「正式リリースだから償却する」と機械的に判断するのではなく、実態として主要な収益獲得が始まっているかを判断する必要があります。


ソフトローンチの会計処理

ソフトローンチとは、正式なメインマーケットでのリリース前に、限定された国や地域で試験的にゲームを提供することです。


たとえば、日本市場をメインターゲットとするゲームについて、事前に別の国や地域でリリースし、KPIやユーザー反応を確認するケースがあります。


ソフトローンチの目的は、ユーザーからのフィードバックやデータをもとに追加開発を行い、本格リリース時の成功確度を高めることです。


この場合、償却開始時期をソフトローンチ時とするのか、正式リリース時とするのかが問題になります。


判断のポイントは、主要な収益がどの時点・どの地域から発生するのかです。

ソフトローンチ時の収益が限定的であり、主な収益獲得が正式リリース後に見込まれる場合には、正式リリース時から償却を開始する考え方があります。


一方、ソフトローンチ市場でも重要な収益を獲得している場合には、その時点から償却を開始することが実態に合う場合があります。


また、ソフトローンチ時のKPIが著しく悪く、正式リリースの中止や大幅な見直しが決定された場合には、減損の検討が必要になります。


リリース後の継続開発費

オンラインゲームでは、リリース後も継続的に開発費が発生します。

この継続開発費は、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。


1つ目は、ゲームの機能維持に要する費用です。

たとえば、バグ修正、軽微なUI修正、サーバー管理、セキュリティ対応、通常のメンテナンスなどです。これらは、現在のサービスを維持するための費用であり、通常は発生時に費用処理することが考えられます。


2つ目は、ゲームに追加的な価値をもたらす費用です。

たとえば、新キャラクター、新シナリオ、新ステージ、大型アップデート、追加コンテンツなどです。これらは、ユーザーの継続利用、課金増加、新規ユーザー流入に貢献する可能性があります。

将来の収益獲得に貢献することが見込まれる場合には、資産計上し、収益増加が見込まれる期間にわたって償却する考え方があります。


ただし、追加開発の頻度が高く、毎月の収益獲得と制作費が概ね対応している場合や、金額的重要性が乏しい場合には、発生時に費用処理する実務も考えられます。


マルチプラットフォーム展開の会計処理

近年は、1つのゲームを複数のプラットフォームで展開するマルチプラットフォーム戦略が一般化しています。


たとえば、コンソール向けに販売したゲームをPC版やモバイル版として展開するケースです。この場合、ゲームの基本的な遊び方や世界観は共通していても、プラットフォームごとに操作性、UI、グラフィック、性能調整、審査対応などが異なります。


そのため、マルチプラットフォーム化に要した制作費をどこまで資産計上するか、いつから償却するかが論点になります。


すでに先行プラットフォームでヒットしており、後続プラットフォームでも将来収益獲得の確度が高い場合には、追加制作費を資産計上し、販売開始後に償却する考え方があります。


一方、開発当初から複数プラットフォームでの販売を計画している場合には、プロジェクト全体の収支計画とプラットフォーム別の収支計画を管理し、それぞれのリリース時期に応じて償却を開始することが重要です。


また、先行プラットフォームの売上が計画を下回った場合、後続プラットフォームの開発継続やリリース可否にも影響することがあります。この場合、後続プラットフォームに係る資産についても減損の検討が必要になる可能性があります。


海外展開の会計処理

ゲームの海外展開も、マルチプラットフォーム展開に近い論点です。

日本でヒットしたゲームを海外市場へ展開する場合、単に翻訳するだけでは済まないことがあります。


言語翻訳、キャラクターデザイン修正、文化的な表現の調整、規制対応、宗教・歴史・暴力表現への配慮、UI変更、現地プラットフォーム対応などが必要になります。


これらの海外展開費用についても、将来収益獲得が見込まれる場合には資産計上を検討する余地があります。


ただし、海外市場での成功可能性は国や地域によって大きく異なります。日本国内でヒットしたからといって、海外でも同じように収益が見込めるとは限りません。


そのため、海外展開に関する制作費については、国・地域ごとの収益計画、ローカライズ費用、リリース判断、撤退判断を適切に管理し、必要に応じて減損を検討する必要があります。


減損判定で見るべきポイント

ゲーム制作費を資産計上した場合、減損判定も重要です。


ゲーム業界では、リリース後の売上が計画を大きく下回ることがあります。また、βテストやソフトローンチの結果、正式リリースを延期・中止することもあります。


減損を検討すべき兆候としては、次のようなものがあります。

  • β版やソフトローンチのKPIが著しく悪い

  • リリース後の売上が計画を大きく下回っている

  • DAU、課金率、継続率、レビュー評価が低い

  • 開発中止やリリース延期が決定された

  • 主要マーケットへの展開を断念した

  • 後続プラットフォームの開発を中止した

  • 海外展開の収益見通しが大きく悪化した


減損判定では、タイトル単体だけでなく、プロジェクト全体、プラットフォーム別、地域別の収益見通しを確認する必要があります。


特にマルチプラットフォーム展開や海外展開では、ある市場の失敗が他市場の資産性に影響することがあります。


開示の重要性

ゲーム制作費の会計処理には幅があります。


同じようなゲームを制作していても、ある会社は棚卸資産として処理し、別の会社は無形固定資産として処理することがあります。


また、研究開発費と制作原価の区分、資産計上開始時点、償却方法、償却期間、減損単位も会社によって異なります。


このような場合、財務諸表利用者にとって重要なのは、会社がどのような判断で会計処理を行っているかを理解できることです。


そのため、重要な場合には、会計方針や重要な会計上の見積りとして、次のような事項を説明することが考えられます。

  • ゲーム制作費をどの表示科目で計上しているか

  • 資産計上開始時点をどのように判断しているか

  • 研究開発費と制作原価をどのように区分しているか

  • 償却方法と償却期間をどのように決めているか

  • 減損判定の単位や主要な仮定は何か

  • リリース後の追加開発費をどのように処理しているか


会計処理の選択に幅がある領域だからこそ、開示によって比較可能性を補うことが重要です。


スタートアップ・中小ゲーム会社が注意すべき点

ゲーム制作費の会計処理は、大手ゲーム会社だけの論点ではありません。

インディーゲーム開発会社、スマートフォンアプリ開発会社、スタートアップ、受託開発会社、IPを保有するコンテンツ企業でも関係します。


特に、外部投資家から資金調達を受けている会社や、IPOを目指す会社では、ゲーム制作費の処理が損益や純資産に大きく影響することがあります。


開発費をすべて費用処理すれば、短期的には赤字が大きくなります。一方、資産計上すれば、短期的な損益は改善しますが、将来の償却負担や減損リスクが生じます。


したがって、資金調達や上場準備を見据える会社では、会計処理を場当たり的に決めるのではなく、早い段階でルールを整備することが重要です。


実務で確認すべきチェックポイント

ゲーム制作費の会計処理を検討する際には、次の点を確認しましょう。

  • ゲームをソフトウェアとして見るのか、コンテンツとして見るのか

  • プラットフォーム別に収益モデルを整理しているか

  • 課金方法ごとの収益発生時点を把握しているか

  • 制作費を流動資産、無形固定資産、費用処理のいずれで扱うか

  • 研究開発費と制作原価を区分する基準があるか

  • 資産計上開始時点を社内決裁や開発フェーズと紐づけているか

  • β版、アーリーアクセス、ソフトローンチの位置づけを整理しているか

  • リリース後の継続開発費を機能維持と価値追加に区分しているか

  • マルチプラットフォーム展開や海外展開の収支管理を行なっているか

  • 減損兆候を把握するKPIを設定しているか

  • 重要な会計方針や見積りとして開示すべき事項があるか


ゲーム制作費は、経理部門だけでは判断できないことが多い分野です。開発部門、プロデューサー、事業責任者、法務、経理、監査人が連携し、タイトルごとの実態を把握することが重要です。


まとめ

ゲーム制作費の会計処理は、非常に判断が難しい領域です。

ゲームは、プログラムとしてのソフトウェアの側面と、シナリオ・キャラクター・グラフィック・BGM・世界観などのコンテンツの側面を併せ持っています。


そのため、既存のソフトウェア会計だけで一律に処理することは難しく、各企業がゲームの経済的実態を踏まえて、資産計上または費用処理を判断しています。


貸借対照表上は、棚卸資産などの流動資産として処理する考え方、無形固定資産として処理する考え方、資産計上せず費用処理する考え方があります。


また、費用配分の方法としては、収益獲得期間や利用可能期間にわたる償却、見込販売数量や見込売上高に応じた償却、販売時の一括費用処理などがあります。


研究開発費と制作原価の区分、資産計上開始時点、β版・アーリーアクセス・ソフトローンチ、リリース後の追加開発、マルチプラットフォーム展開、海外展開、減損判定など、実務上の論点は多岐にわたります。


重要なのは、形式的な名称ではなく、取引の経済的実態に基づいて会計処理を判断することです。


そして、判断に幅がある領域だからこそ、自社の会計方針、資産計上の基準、償却方法、減損判定の考え方を明確にし、必要に応じて財務諸表上もわかりやすく開示することが求められます。


ゲーム開発会社、SaaS型ゲーム運営会社、IPビジネスを行う会社、IPO準備会社は、早い段階からゲーム制作費の会計処理ルールを整備し、収益モデルや開発プロセスに合った会計処理を検討することをおすすめします。



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【この記事の執筆者】

安田 亮(公認会計士・税理士)

安田亮公認会計士・税理士事務所 代表

京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。

現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。

事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。


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