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東京都主税局Q&A更新(2026年3月期申告向け)|減資・資本金1億円以下でも対象になる要件を整理

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 2 時間前
  • 読了時間: 4分

おはようございます!代表の安田です。


東京都主税局は、外形標準課税に関するQ&Aを更新し、2026年3月期の申告実務を意識した設問を追加しました。今回の更新では、令和6年度税制改正で導入された「減資への対応」や、令和8年4月以後に本格化する「100%子法人等への対応」など、実務上つまずきやすい論点に関するQ&Aが追加されています。


外形標準課税は「資本金1億円超」が典型的な対象要件ですが、改正後は、当事業年度末の資本金が1億円以下でも申告が必要になるケースがあり、3月決算法人ほど影響が出やすい点が注意点です。


本日は、更新されたQ&Aの方向性を踏まえ、企業の実務担当者が押さえるべきポイントを整理します。


1. なぜ重要?資本金1億円以下でも外形標準課税の対象になり得る

令和6年度税制改正による外形標準課税の見直しで、令和7年4月1日以後開始事業年度から、いわゆる「減資への対応」が導入されています。


具体的には、従来の基準(資本金または出資金が1億円超)を維持しつつ、次の条件を満たす場合、当事業年度末が資本金1億円以下でも外形標準課税の対象として申告が必要になります。

  • ① 前事業年度が外形標準課税の対象法人

  • ② 当事業年度末の資本金(または出資金)が1億円以下

  • ③ 払込資本の額(資本金+資本剰余金)が10億円超


2. 今回のQ&A更新の狙い:実務で疑義が出やすいポイントを補強

東京都主税局の「外形標準課税に関するQ&A」では、実務で迷いやすい論点が整理されています。今回の更新では、「減資への対応」「100%子法人等への対応」に関する計4問が追加されたとされています。


制度が複雑化する局面では、条文だけで判断しにくい境界ケースが増えます。Q&Aは、その境界ケースを検討する際の実務上の手掛かりになります。


3. 【減資への対応】要件①「前事業年度が対象法人」の考え方(都内申告の有無に注意)

追加されたQ&Aでは、要件①「前事業年度が外形標準課税の対象法人」の捉え方が示されています。


ポイントは、前事業年度に東京都へ外形標準課税の申告をしていない場合でも、前事業年度に外形標準課税の要件に適合していれば、要件①を満たすと整理されている点です。(例:前期は他県にのみ事務所があり、翌期に都内へ移転したケース等が想定されています。)


4. 外国法人の扱い:前期に日本支店がない場合は要件①を満たさない

同じく要件①に関して、外国法人の取り扱いも示されています。前事業年度に日本に支店がなく、法人事業税の申告義務がない外国法人は、前事業年度に外形標準課税の要件に適合する法人に含まれないため、要件①を満たさない、という整理です。


5. 【100%子法人等への対応】2026年4月開始の新ルールも視野に

資料では、令和8年4月1日以後開始事業年度から、「100%子法人等への対応」が始まることも説明されています。


概要としては、次のような条件を満たす場合、子法人側が新たに外形標準課税の対象になる、という整理です。

  • 払込資本の額が50億円超の特定法人(親法人)の100%子法人等

  • 子法人の資本金が1億円以下、かつ払込資本の額が2億円超


さらにQ&Aでは、100%子法人等への対応で対象法人となっていた場合も、「減資への対応」の要件①(前事業年度が対象法人)に含まれる、という趣旨の扱いが示されています。


6. 実務チェックリスト(2026年3月期・今から準備するなら)

外形標準課税の判定・申告で、最低限ここは確認したい項目です。

  1. 当期末の資本金が1億円以下でも、払込資本(資本金+資本剰余金)が10億円超になっていないか

  2. 前事業年度は「都内申告の有無」ではなく、外形標準課税の要件に適合していたかで要件①を判断する

  3. 外国法人の場合、前期に日本支店等がなく申告義務がないなら、要件①を満たさない整理に留意

  4. 2026年4月開始の「100%子法人等への対応」も見据え、親子関係・資本構成(払込資本)を早めに棚卸し

  5. 組織再編(減資、分割型分割、配当等)を行う場合、払込資本に影響する取引の有無を確認(Q&Aで追加論点あり)


まとめ:資本金だけで判断しない。払込資本・前期要件・グループ構造まで含めて確認を

東京都主税局のQ&A更新は、外形標準課税の見直し後に生じやすい実務論点(減資対応、100%子法人等対応等)を補強する内容です。改正後は、資本金1億円以下でも対象になり得るため、払込資本(資本金+資本剰余金)や前期の対象法人該当性を含めて、申告要否を点検することが重要です。


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