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栄養ドリンクや健康食品は軽減税率8%? 医薬品・医薬部外品との違いを税理士が解説

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 5 時間前
  • 読了時間: 7分

おはようございます!代表の安田です。


コンビニやドラッグストアでは、栄養ドリンク、健康食品、サプリメント、美容食品などが同じような売場に並んでいます。


忙しい時期や疲れがたまったときに、栄養補給を目的として購入する方も多いでしょう。しかし、消費税の軽減税率を考えるうえでは、これらの商品をすべて同じように扱うことはできません。


実務では、次のような相談を受けることがあります。

  • 栄養ドリンクは食品だから軽減税率8%でよいのか

  • 医薬部外品と書かれているドリンクは10%なのか

  • 健康食品やサプリメントは軽減税率の対象になるのか

  • 同じ売場にある商品でも税率が違うことはあるのか


軽減税率の判定では、商品名や売場、購入目的だけでなく、その商品が食品なのか、医薬品・医薬部外品なのかを確認する必要があります。


今回は、栄養ドリンク・健康食品・サプリメントの消費税率判定について、税理士の視点からわかりやすく解説します。


1.軽減税率の対象は「飲食料品」

消費税の軽減税率制度では、一定の飲食料品の譲渡について、標準税率10%ではなく、軽減税率8%が適用されます。


ただし、すべて口に入るものが軽減税率の対象になるわけではありません。

軽減税率の対象となる飲食料品について、食品表示法に規定する飲食料品から酒類を除いたものと整理されています。


つまり、軽減税率の対象になるかどうかは、単に「飲むもの」「食べるもの」という感覚ではなく、税務上・表示上の区分を確認する必要があります。


2.医薬品・医薬部外品は軽減税率の対象外

軽減税率の判定で重要なのが、医薬品や医薬部外品は対象外という点です。


医薬品医療機器等法に規定する医薬品や医薬部外品は、軽減税率の対象となる飲食料品から除かれると説明されています。


そのため、たとえ飲料の形をしていても、商品区分が医薬品や医薬部外品であれば、軽減税率8%ではなく、標準税率10%が適用されます。


ここは、ドラッグストアやコンビニで特に誤りやすいポイントです。


3.栄養ドリンクは商品区分によって税率が変わる

栄養ドリンクと一口にいっても、実際にはさまざまな区分の商品があります。

一見同じような効能がありそうな栄養ドリンクでも、よく見ると医薬品、医薬部外品、清涼飲料水など種類がさまざまであると説明されています。


この区分によって、消費税率が変わります。

医薬品や医薬部外品に該当する栄養ドリンクは、標準税率10%です。一方、清涼飲料水など、食品に該当するものは軽減税率8%の対象になります。


つまり、同じ「栄養ドリンク」と呼ばれる商品でも、税率が異なることがあります。


4.同じ売場に並んでいても税率が違う

実務上注意したいのは、売場や陳列場所だけでは税率を判断できないという点です。

コンビニや薬局では、医薬部外品の栄養ドリンクと、清涼飲料水に該当するエナジードリンクや炭酸飲料が、同じような棚に並んでいることがあります。


コンビニエンスストアや薬局等で栄養ドリンクとして同じコーナーに陳列されているものでも、医薬品や医薬部外品に該当するドリンクは10%、その他の炭酸飲料などは8%と整理されています。


したがって、レジ設定や商品マスタ登録では、売場単位ではなく、商品ごとの区分を確認する必要があります。


5.健康食品や美容食品はどうなるか

健康食品や美容食品についても、考え方は同じです。


健康食品や美容食品について、医薬品等に該当しないものであれば食品に該当し、軽減税率の対象となるとされています。


たとえば、健康維持を目的とした食品、美容を目的とした食品、栄養補助を目的とした食品であっても、医薬品や医薬部外品に該当しない限り、食品として軽減税率8%の対象になる可能性があります。


ただし、パッケージや広告で健康効果をうたっているからといって、税率を判断するのではありません。商品の法令上の区分が重要です。


6.サプリメントは軽減税率の対象になるのか

サプリメントについても、添付資料では健康食品等と同様の考え方が示されています。

特定保健用食品や栄養機能食品は、医薬品等に該当しないため、食品に該当すると整理されています。そのため、これらは軽減税率の対象となります。


一般的なサプリメントも、医薬品や医薬部外品ではなく食品として販売されているものであれば、軽減税率8%の対象になる可能性があります。


一方で、医薬品や医薬部外品として販売されているものは、標準税率10%です。


7.医薬品と医薬部外品の違い

医薬品と医薬部外品の違いについても説明されています。

医薬品とは、医療用医薬品や一般用医薬品があり、薬に配合されている有効成分の効果が認められ、病気の治療や予防に使用されるものです。一方、医薬部外品は、医薬品に準ずるもので、効果や効能が認められた成分は入っているものの、効果が穏やかなものとされています。


このような区分の商品は、たとえ飲料や錠剤の形をしていても、軽減税率の対象となる食品には該当しません。


8.「効能がありそう」では判断しない

栄養ドリンクや健康食品では、パッケージに「疲労回復」「栄養補給」「美容」「健康維持」などの表示があることがあります。


しかし、軽減税率の判定では、消費者が感じる効能や商品イメージだけで判断してはいけません。重要なのは、商品が次のどれに該当するかです。

  • 食品

  • 清涼飲料水

  • 特定保健用食品

  • 栄養機能食品

  • 医薬品

  • 医薬部外品

食品に該当すれば軽減税率8%、医薬品・医薬部外品に該当すれば標準税率10%という整理になります。


9.小売店・薬局が注意したいレジ設定

コンビニ、薬局、ドラッグストア、健康食品店では、軽減税率と標準税率の商品が混在しやすくなります。

特に、栄養ドリンク売場や健康食品売場では、見た目や用途が似ている商品でも税率が異なることがあります。


そのため、商品マスタ登録時には、次の点を確認しておくことが重要です。

  • 商品パッケージの表示

  • 医薬品・医薬部外品の表示の有無

  • 食品表示の有無

  • 仕入先からの税率情報

  • メーカー資料

  • レジの商品税率設定

税率設定を誤ると、消費税申告だけでなく、レシート表示やインボイス対応にも影響します。


10.仕入側も税率区分を確認する

販売店だけでなく、仕入側の事業者も注意が必要です。

たとえば、会社が従業員用に栄養ドリンクや健康食品を購入する場合、同じような商品でも、請求書やレシートに8%と10%が混在することがあります。


経理処理では、レシートの税率区分を確認し、軽減税率対象品と標準税率対象品を正しく区分する必要があります。


「食品っぽいから8%」「薬局で買ったから10%」という判断は危険です。実際の税率は、商品ごとの区分により判断されます。


11.実務でよくある誤解

① 栄養ドリンクはすべて軽減税率8%

これは誤りです。栄養ドリンクでも、医薬品や医薬部外品に該当するものは軽減税率の対象外であり、標準税率10%が適用されます。


② 薬局で販売されているものはすべて10%

これも誤りです。薬局で販売されていても、健康食品、美容食品、特定保健用食品、栄養機能食品など、医薬品等に該当しない食品は軽減税率8%の対象になります。


③ サプリメントは薬のようなものなので10%

これも一概にはいえません。サプリメントであっても、医薬品等に該当せず食品に該当するものであれば、軽減税率の対象になります。


④ 同じ棚の商品は同じ税率でよい

これは危険です。同じ栄養ドリンク売場に並んでいても、医薬品・医薬部外品は10%、清涼飲料水などは8%となる場合があります。


12.事業者が確認しておきたいポイント

栄養ドリンク、健康食品、サプリメントを販売・購入する事業者は、次の点を確認しましょう。

  • 商品が食品に該当するか

  • 医薬品や医薬部外品に該当しないか

  • 商品パッケージに医薬品・医薬部外品の表示がないか

  • 仕入先から提示された税率区分が正しいか

  • レジの商品マスタが正しく設定されているか

  • レシートや請求書で8%・10%を区分しているか

  • 商品名や売場だけで税率を判断していないか


まとめ

栄養ドリンク、健康食品、サプリメントの消費税率は、商品名や売場だけでは判断できません。軽減税率の対象となる飲食料品は、食品表示法に規定する食品から酒類を除いたものとされ、医薬品や医薬部外品は対象外です。


そのため、同じ栄養ドリンク売場に並んでいる商品でも、医薬品や医薬部外品に該当するドリンクは標準税率10%、清涼飲料水など食品に該当するものは軽減税率8%となります。


一方、健康食品、美容食品、サプリメント、特定保健用食品、栄養機能食品については、医薬品等に該当しないものであれば食品に該当し、軽減税率8%の対象になります。


軽減税率の実務では、「飲むものだから8%」「薬局の商品だから10%」といった感覚で判断せず、食品・医薬品・医薬部外品の区分を商品ごとに確認することが大切です。


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