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研修会で配るコーヒーやお茶の税率は? 軽減税率の判断ポイントを税理士が解説

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 20 時間前
  • 読了時間: 6分

おはようございます!代表の安田です。


消費税の軽減税率制度が始まって以降、飲食料品に関する税率判定は、実務の中でも迷いやすいテーマの一つになっています。特に、会社の研修会・会議・セミナー・説明会などで配る飲み物については、

  • コーヒー代は8%なのか10%なのか

  • ペットボトルのお茶は軽減税率の対象になるのか

  • 同じ飲み物でも、提供方法で税率が変わるのか

といった疑問が生じやすいところです。


結論からいえば、研修会で配る飲料は、飲み物そのものの種類だけでなく、どのように提供しているかによって、軽減税率8%になる場合と標準税率10%になる場合があります。


今回は、研修会場で配る飲料と軽減税率の考え方を、実務で迷いやすいポイントに絞って整理します。


1.軽減税率の基本は「飲食料品の譲渡」か「食事の提供」か

軽減税率制度の基本として、「飲食料品の譲渡」には軽減税率8%が適用される一方、レストランや喫茶店などで行われる「食事の提供」には標準税率10%が適用されると説明されています。


ここで重要なのは、税率の違いが単に「食べ物か飲み物か」で決まるのではなく、その提供のされ方で決まるという点です。飲食料品を単に販売・譲渡しているのか、それとも一定の場所で飲食させるサービスとして提供しているのかで、税率区分が変わります。


2.研修会場でも「食事の提供」になることがある

レストランのような典型的な飲食店だけでなく、飲食目的以外の施設で行なう飲食サービスであっても、飲食させる場所を特定して行うものは「食事の提供」として10%になるとされています。


具体例として、ホテルの宴会場、会議室、研修室等で行われる飲食サービスが挙げられており、ホテル自体やテナントであるレストランが、飲食させる場所を特定して行うものであれば、「食事の提供」として扱われると説明されています。


つまり、会議室や研修室は飲食店ではないから必ず8%、というわけではありません。その場で飲むことを前提に提供されているかどうかが重要になります。


3.陶器のコップで配るコーヒーは10%になりやすい

研修会場として貸し出した会議室で、陶器のコップなどを用いてコーヒーを配るケースでは、一般的に持ち帰りや会議室外で飲むことを前提としていないため、飲食させる場所を特定して行なう「食事の提供」として、そのコーヒー代には標準税率10%が適用されると考えられます。


実務感覚でも、会議室でスタッフがコーヒーを注いで配り、その場で受講者や参加者が飲むスタイルは、単なる商品の引渡しというより、会場内での飲食サービスに近いといえます。


このため、軽減税率ではなく10%で処理する方向になりやすいわけです。


4.ペットボトルのお茶は8%になる余地がある

一方で、同じ研修会場であっても、ペットボトルのお茶を配る場合について、別の考え方を示しています。その内容は、そのお茶を会議室のみでしか飲めないといった制限を設けていないのであれば、飲食させる場所を特定して行なうものではないため、軽減税率8%が適用されるものと考えられるというものです。


ここでのポイントは、会場内で飲むように強く予定されたサービスかどうかです。ペットボトル飲料であれば、参加者がその場で飲むこともあれば、持ち帰ることもできます。このように、場所を限定しない単なる飲食料品の譲渡に近い性格があるため、8%の対象となる余地があるわけです。


5.判断の分かれ目は「場所を特定して飲食させるかどうか」

研修会で配る飲料の税率を考えるうえで、もっとも大切なのは、飲食させる場所を特定しているかどうかです。資料全体を通じて、この点が判断の中心であることが分かります。

整理すると、次のように考えると分かりやすいです。


<10%になりやすいケース>

  • 会議室・研修室でその場で飲むことを前提に配る

  • 陶器のコップやグラス等を使って提供する

  • 実質的に会場内飲食サービスといえる


<8%になりやすいケース>

  • ペットボトルや缶飲料などを配る

  • 持ち帰りや会議室外で飲むことを制限していない

  • 飲む場所を特定していない


同じ「お茶」や「コーヒー」であっても、提供形態が違えば税率も変わるという点が実務上の落とし穴です。


6.会社の研修・セミナー実務で注意したい場面

この論点は、ホテルや貸会議室だけでなく、企業のさまざまな場面に関係します。たとえば次のようなケースでは、税率判定を意識しておきたいところです。

  • 社内研修で参加者に飲み物を配る場合

  • 外部講師を招いたセミナーで飲料を用意する場合

  • ホテル会議室を借りて説明会を開催する場合

  • 来場者向けに飲料サービスを手配する場合

  • イベント運営会社や会場業者から飲料付きプランを受ける場合


特に、「会場費」と「飲料代」が一括請求されるケースでは、請求内容の確認が重要です。飲料の提供方法次第で、適用税率が異なる可能性があります。


7.実務で誤りやすいポイント

① 飲み物だから全部8%と思ってしまう

これは誤りです。資料では、会議室等で場所を特定して飲食させるコーヒー提供は10%と考えられるとされています。


② 研修会場は飲食店ではないから全部8%と思ってしまう

これも危険です。飲食目的以外の施設でも、場所を特定して行う飲食サービスは「食事の提供」として10%になり得ます。


③ ペットボトルなら必ず8%と決めつける

会議室のみでしか飲めないなどの制限がない場合に8%の対象となる余地があるとされています。提供条件次第では、具体的な判断が必要です。


④ 請求書の内容を確認しない

会場提供事業者やホテル側の請求内容に応じて、税率処理を確認することが大切です。


8.経理処理で確認しておきたいこと

研修会や会議で飲料を手配する際は、次の点を確認しておくと実務がスムーズです。

  • 飲料はその場で飲む前提で提供されているか

  • 持ち帰りや会場外での飲用が可能か

  • コップ提供か、ペットボトル・缶提供か

  • 会場事業者の請求書で税率区分がどうなっているか

  • 会場費と飲料費が分かれているか

  • 社内で同様のケースについて処理ルールを統一しているか

軽減税率の実務では、品目名だけでなく、提供方法の確認が欠かせません。


まとめ

研修会で配る飲料の税率は、飲み物の種類そのものではなく、どのように提供するかによって判断が分かれます。陶器のコップなどを用いて会議室で飲むことを前提にコーヒーを配る場合は、飲食させる場所を特定して行なう「食事の提供」として、標準税率10%が適用されると考えられます。


一方で、ペットボトルのお茶を配り、会議室内のみでしか飲めないなどの制限がない場合には、飲食料品の譲渡として、軽減税率8%の適用対象となる余地があります。


研修会やセミナーでは、つい「飲料だから8%」と考えがちですが、実務では場所の特定性と提供形態が大切です。経理処理を誤らないためにも、請求書の内容と実際の提供方法を確認しながら判断することをおすすめします。


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