貸付用資産でも少額減価償却資産の特例は使える?子会社への厨房設備等の貸付けを税理士が解説
- 安田 亮
- 6 時間前
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こんにちは!代表の安田です。
中小企業の決算でよく使われる制度の一つに、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」があります。
いわゆる「40万円未満の少額資産を一括で損金算入できる特例」です。
パソコン、机、椅子、工具、器具備品、厨房設備、ソフトウェアなど、取得価額が40万円未満の減価償却資産について、一定の要件を満たせば、通常の減価償却ではなく、取得して事業の用に供した事業年度に全額を損金算入できます。
中小企業にとっては、節税効果だけでなく、固定資産管理の事務負担を軽減できる便利な制度です。
しかし、令和4年度税制改正により、貸付けの用に供する資産については注意が必要になりました。改正後は、貸付用資産のうち、「主要な事業として行われる貸付け」以外の貸付けの用に供するものは、この少額減価償却資産の特例の対象外とされています。
では、親会社が保有する厨房設備やテーブル、椅子などを100%子会社に貸し付ける場合、この特例は使えないのでしょうか。
結論からいうと、親会社が子会社の事業の管理・運営を行い、その子会社に対して資産を貸し付けるような場合には、「主要な事業として行なわれる貸付け」に該当し、少額減価償却資産の特例の対象となる可能性があります。
本日は、貸付用資産に対する少額減価償却資産の特例について、令和4年度税制改正の内容、対象外となる貸付け、対象となる貸付け、子会社への資産貸付けの判断ポイントを解説します。
中小企業者等の少額減価償却資産の特例とは
中小企業者等の少額減価償却資産の特例とは、一定の中小企業者等が取得価額40万円未満の減価償却資産を取得し、事業の用に供した場合に、その取得価額の全額を損金算入できる制度です。
通常、減価償却資産を取得した場合には、耐用年数にわたって減価償却費として少しずつ損金算入します。たとえば、器具備品や機械装置を購入した場合、その資産の種類や耐用年数に応じて、数年に分けて費用化するのが原則です。
しかし、この特例を使えば、取得価額が40万円未満の一定資産について、事業の用に供した事業年度に全額を損金算入できます。そのため、中小企業の決算対策や資産管理の簡素化に役立つ制度として広く利用されています。
ただし、無制限に使えるわけではありません。
対象法人、対象資産、取得価額、損金経理、申告書添付、年間限度額など、複数の要件を満たす必要があります。
特例の対象法人
この特例を使える法人は、一定の中小企業者等です。
一般的には、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人が中心になります。
ただし、資本金が1億円以下であっても、すべての法人が対象になるわけではありません。
たとえば、大規模法人に一定割合以上の株式を保有されている法人は対象外となることがあります。
また、常時使用する従業員数の要件、青色申告書を提出していること、過去の所得金額が一定額を超える適用除外事業者に該当しないことなども確認が必要です。
実務では「資本金1億円以下だから大丈夫」とだけ判断すると危険です。
親会社の規模、株主構成、従業員数、青色申告の有無、過去3年の所得金額などを確認しましょう。
対象となる資産
対象となる資産は、取得価額が40万円未満の減価償却資産です。
具体的には、次のようなものが対象になり得ます。
・パソコン・プリンター・机、椅子、棚・工具・器具備品・厨房設備・テーブル・冷蔵庫・空調設備の一部・ソフトウェア・中古資産
有形固定資産だけでなく、ソフトウェアなどの無形減価償却資産も対象になり得ます。
また、新品だけでなく中古資産でも、取得価額やその他の要件を満たせば対象になります。
ただし、取得価額が10万円未満の資産は、通常の少額減価償却資産として別の制度で損金算入されるため、この特例の対象からは除かれます。
また、一括償却資産として処理するものや、他の特別償却・税額控除制度の適用を受けるものも、この特例との重複適用はできません。
年間300万円までが限度
この特例には、年間限度額があります。
一事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額のうち、300万円に達するまでの金額が限度です。
たとえば、40万円未満の資産を合計350万円取得して事業の用に供した場合でも、この特例で全額損金算入できるのは300万円までです。
残り50万円部分については、通常の減価償却など別の処理を検討することになります。
なお、事業年度が1年に満たない場合には、300万円を月割り計算します。
決算直前にまとめて少額資産を購入する場合などは、年間限度額を超えていないか確認しましょう。
令和4年度税制改正で貸付用資産に制限が入った
この制度で特に注意したいのが、令和4年度税制改正による貸付用資産の取扱いです。
改正前は、取得価額40万円未満で要件を満たす資産であれば、貸付けの用に供する資産についても特例の対象になり得ました。
しかし、改正後は、令和4年4月1日以後に取得等する資産について、貸付けの用に供する減価償却資産は、原則として少額減価償却資産の特例の対象外になりました。
ただし、すべての貸付用資産が対象外になったわけではありません。
対象外となるのは、「主要な事業として行なわれる貸付け」以外の貸付けの用に供する資産です。つまり、主要な事業として行なわれる貸付けに使う資産であれば、従来どおり特例の対象となる可能性があります。
なぜ貸付用資産が制限されたのか
貸付用資産が制限された背景には、制度を利用した租税回避的なスキームがありました。
たとえば、少額資産に該当するドローンなどを大量に購入し、それをレンタル業者などに貸し付けることで、即時償却による損金算入を狙うような事例です。
本来、この制度は中小企業の事務負担軽減や少額設備投資の支援を目的としています。
ところが、実際には自社の事業で使用するのではなく、貸付用資産を大量取得して法人税負担を軽減する目的で使われるケースが見受けられるようになりました。
そこで、令和4年度税制改正により、貸付けの用に供する資産については、主要な事業として行われる貸付けに限り、特例の対象とするよう見直しが行われました。
この改正は、中小企業者等の40万円未満特例だけでなく、10万円未満の少額減価償却資産や一括償却資産の制度にも同様の考え方で影響しています。
「貸付け」とは何か
ここでいう貸付けとは、会社が保有する資産を他者に使用させることをいいます。
典型例は、レンタル、リース、賃貸、貸与などです。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
購入したドローンを第三者にレンタルする
工具や機械を取引先に貸し付ける
家具や家電を賃借人に貸し付ける
厨房設備を子会社に賃貸する
車両をグループ会社に貸与する
遊休スペースを活用して自転車等を貸し出す
貸付けの用に供する資産であっても、それが主要な事業として行われる貸付けに該当すれば、特例の対象となる可能性があります。
一方、単なる節税目的の貸付けや、自社事業との関連性が乏しい貸付けは対象外になりやすいと考えられます。
主要な事業として行われる貸付けとは
「主要な事業として行われる貸付け」という言葉だけを見ると、会社の本業がレンタル業やリース業でなければ該当しないように思えるかもしれません。
しかし、税法上の判断はそれほど単純ではありません。
主要な事業として行なわれる貸付けには、一定の類型が定められています。
代表的には、次のようなものです。
特定関係がある法人の事業管理、運営を行なう場合の、その法人に対する資産の貸付け
自社に資産の譲渡や役務提供を行なう者の事業の用に専ら供する資産の貸付け
自社の経営資源を継続的に活用して行なう資産の貸付け
自社の主要な事業に付随して行なう資産の貸付け
つまり、貸付収入が本業売上に比べて小さいからといって、直ちに主要な事業として行なわれる貸付けに該当しないわけではありません。
貸付けの内容、相手先との関係、継続性、自社事業との関連性を総合的に見る必要があります。
特定関係がある法人への貸付け
今回の添付資料で中心となっているのが、特定関係がある法人に対する貸付けです。
たとえば、親会社がグループ会社の事業管理・運営を行ない、そのグループ会社で使う資産を一括して調達し、グループ会社に貸し付けるようなケースです。
このような貸付けは、主要な事業として行なわれる貸付けの一類型とされています。
特定関係とは、簡単にいえば、資本関係や実質的な支配関係など、一定の密接な関係をいいます。親会社と100%子会社の関係は、典型的な特定関係と考えられます。
したがって、親会社が100%子会社の事業運営を管理し、その子会社に厨房設備やテーブル、器具備品などを貸し付ける場合には、単なる節税目的の貸付けではなく、グループ内の事業運営の一環としての貸付けと整理しやすくなります。
事例:親会社が子会社へ厨房設備等を貸し付ける場合
加工食品等の卸売業を営む資本金1億円の会社が、取引先であった飲食店の経営不振を受け、その厨房設備やテーブル等の器具備品を買い取り、その後、新たに100%子会社を設立し、元の飲食店の従業員を雇用して飲食店を開業する予定という事例を考えてみましょう。
事業形態としては、親会社が事業の管理・運営を行ない、親会社が保有する厨房設備等を子会社に賃貸する予定です。
この場合、親会社の本業は卸売業です。
卸売業の年間売上が約30億円であるのに対し、厨房設備等の貸付けによる賃貸料収入は年間数百万円程度です。
金額だけを見ると、「貸付けが主要な事業と言えるのか」と不安になります。
しかし、このケースでは、親会社が100%子会社の事業管理・運営を行ない、その子会社に対して資産を貸し付ける関係にあります。
そのため、特定関係がある法人に対する貸付けとして、主要な事業として行なわれる貸付けに該当すると考えられます。
貸付収入が小さくても対象になる可能性がある
実務上重要なのは、貸付収入の規模だけで判断しないことです。
本業の売上が30億円で、貸付収入が数百万円しかない場合、一見すると貸付けは主要な事業ではないように見えます。
しかし、主要な事業として行なわれる貸付けの判定では、必ずしも売上比率だけで判断するわけではありません。たとえば、グループ内の事業管理・運営の一環として、親会社が子会社に資産を貸し付ける場合には、その貸付けが継続的に行なわれると見込まれるか、グループ事業の運営に必要なものか、特定関係がある法人への貸付けかどうかを確認します。
収入規模が本業と比べて相対的に小さくても、一定の類型に該当し、継続性や事業関連性があれば、主要な事業として行われる貸付けに該当する可能性があります。
したがって、金額の大小だけで諦めず、貸付けの実態を確認することが大切です。
自社に役務提供する下請先等への貸付け
主要な事業として行なわれる貸付けには、下請先等への資産貸付けも含まれる場合があります。
たとえば、製造業を営む会社が、自社の製品加工を行なう下請業者に対し、その加工に専ら使用する機械や工具を貸し付けるようなケースです。
この場合、貸付けの相手先はグループ会社ではありません。
しかし、その下請業者は自社に対して役務提供を行なう者であり、貸し付けた資産は専らその役務提供の事業に使われます。
このような貸付けは、自社の事業遂行に密接に関連するものです。
そのため、主要な事業として行なわれる貸付けの類型に該当する可能性があります。
一方、下請先に貸し付けるといっても、その資産が自社向けの役務提供に使われない場合や、相手先が自由に第三者向け事業に使うような場合には、慎重な判断が必要です。
経営資源を活用した貸付け
自社の経営資源を継続的に活用して行なう貸付けも、主要な事業として行なわれる貸付けに該当することがあります。
たとえば、小売業を営む会社が、自社店舗の駐車場の遊休スペースを活用して、自転車やその他の資産を継続的に貸し付けるようなケースです。
この場合、本業は小売業であり、資産貸付業が主たる事業ではないかもしれません。
しかし、自社の店舗や駐車場という経営資源を活用し、継続的に貸付けを行なうのであれば、主要な事業として行なわれる貸付けに該当する可能性があります。
ここでも、貸付収入の規模だけではなく、継続性や自社の経営資源との関係が重要です。
また、新規事業としてこれから貸付けを行うことが見込まれる場合も、この類型に含まれる可能性があります。
主要な事業に付随する貸付け
自社の主要な事業に付随して行なう貸付けも、対象となる場合があります。
たとえば、不動産貸付業を営む会社が、賃貸建物の入居者に対し、家具や電気機器などを貸し付けるケースです。
この場合、家具や家電の貸付け自体が主たる事業ではなくても、不動産貸付業に付随して行なわれるものです。そのため、主要な事業として行われる貸付けに該当する可能性があります。
同じように、ホテル業、レンタルオフィス業、飲食業、介護施設運営などでも、主要事業に付随して備品や設備を貸し付ける場面があります。
その貸付けが主要事業と一体的・付随的に行なわれているかを確認しましょう。
買戻し付きの貸付けには注意
主要な事業として行なわれる貸付けに該当するように見えても、一定の買戻し付き貸付けは対象外とされます。
具体的には、資産の貸付け後に、その資産の譲渡人などが買い取る契約や、第三者に買い取らせるあっせん契約が締結されている場合です。
さらに、貸付けの対価と買戻しの対価の合計額が、取得価額のおおむね90%相当額を超えるような場合には注意が必要です。
このような取引は、実質的に法人税負担を軽減するためのスキームと見られる可能性があります。
外形的には主要な事業として行なわれる貸付けの類型に該当しても、このような買戻し条件がある場合には、特例の対象資産から除外されることがあります。
少額資産を大量購入して貸し付ける場合には、契約条件を必ず確認しましょう。
取得価額の判定にも注意
少額減価償却資産の特例を使うには、資産ごとの取得価額が40万円未満である必要があります。
中古で厨房設備やテーブル、椅子、器具備品などをまとめて買い取る場合には、それぞれの資産ごとの取得価額を合理的に区分する必要があります。
たとえば、飲食店から厨房設備一式を一括で買い取った場合、総額だけではなく、冷蔵庫、製氷機、作業台、テーブル、椅子、棚など、個々の資産ごとに取得価額を配分する必要があります。
取得価額を不合理に分割し、40万円未満に見せるような処理は認められません。
契約書、請求書、見積書、固定資産台帳、時価資料などをもとに、合理的な配分を行ないましょう。
事業の用に供した日が重要
この特例は、資産を取得しただけでは使えません。
取得または製作等をした減価償却資産を、実際に事業の用に供する必要があります。
たとえば、厨房設備を買い取ったものの、子会社の店舗開業がまだであり、倉庫に保管しているだけであれば、その時点では事業の用に供したとはいえない可能性があります。
子会社への貸付けを開始し、その資産が飲食店の営業に使われる状態になった日が重要です。
決算期末に資産を購入した場合には、取得日だけでなく、事業供用日を確認しましょう。
事業供用前に全額損金算入してしまうと、税務調査で否認されるリスクがあります。
損金経理と別表添付が必要
少額減価償却資産の特例を使うには、取得価額相当額を損金経理する必要があります。
会計上、費用処理や償却費処理として損金経理していない場合には、特例を使えません。
また、法人税申告書には、少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付する必要があります。
実務では、別表十六関係の明細書に記載することになります。
さらに、この特例は租税特別措置法上の制度であるため、適用額明細書の記載対象にもなります。
「会計ソフトで消耗品費にしたから終わり」ではなく、法人税申告書上の明細書、適用額明細書、固定資産管理資料との整合性を確認しましょう。
子会社への貸付けで確認したいポイント
親会社が子会社へ資産を貸し付ける場合、少額減価償却資産の特例を使う前に、次の点を確認しましょう。
親会社が中小企業者等に該当するか
大規模法人の子会社等に該当しないか
常時使用する従業員数の要件を満たすか
青色申告書提出法人か
適用除外事業者ではないか
対象資産の取得価額が40万円未満か
中古資産の場合、資産ごとの取得価額を合理的に区分しているか
令和4年4月1日以後に取得した貸付用資産か
貸付けが主要な事業として行なわれるものに該当するか
子会社との間に特定関係があるか
親会社が子会社の事業管理・運営を行なっているか
貸付けが継続的に行なわれる見込みか
買戻し契約やあっせん契約がないか
事業の用に供した日を確認しているか
年間300万円の限度額を超えていないか
これらを確認することで、貸付用資産の適用可否を整理しやすくなります。
税務調査で確認されやすい資料
貸付用資産について少額減価償却資産の特例を使う場合、税務調査では次のような資料が確認される可能性があります。
資産の売買契約書
請求書、領収書・資産ごとの取得価額の内訳
固定資産台帳
子会社との賃貸借契約書、賃貸料の算定資料
子会社の事業内容
親会社による子会社の管理、運営状況、グループ関係が分かる株主名簿や組織図
事業供用日が分かる資料
買戻し条項の有無が分かる契約書少額減価償却資産の明細書・適用額明細書
特に、貸付用資産については、単に取得価額が40万円未満であることだけでなく、その貸付けが主要な事業として行われるものに該当するかが重要です。
子会社への貸付けであれば、グループ内の事業管理・運営の一環であることを説明できる資料を残しておきましょう。
よくある誤解
貸付用資産と少額減価償却資産の特例について、実務上よくある誤解を整理します。
貸付用資産はすべて対象外
令和4年度税制改正で対象外となったのは、主要な事業として行なわれる貸付け以外の貸付用資産です。主要な事業として行なわれる貸付けに該当すれば、貸付用資産でも対象になる可能性があります。
本業が貸付業でなければ対象外
グループ会社への貸付け、下請先への貸付け、経営資源を活用した貸付け、主要事業に付随する貸付けなどは、主要な事業として行われる貸付けに該当する可能性があります。
また、「貸付収入が少ないと主要な事業ではない」という誤解もあります。
収入規模は一つの参考要素ですが、それだけで判断するわけではありません。
貸付けの継続性、自社事業との関連性、相手先との関係を確認する必要があります。
資本金1億円以下なら必ず使える
大規模法人の子会社等に該当しないこと、従業員数、青色申告、適用除外事業者でないことなど、他の要件も必要です。
実務上のチェックポイント
貸付用資産について少額減価償却資産の特例を検討する場合は、次の点を確認しましょう。
資産の取得日が令和4年4月1日以後か
貸付けの用に供する資産か
主要な事業として行われる貸付けに該当するか
特定関係がある法人への貸付けか
自社の下請先等への専用資産の貸付けか
自社の経営資源を継続的に活用した貸付けか
主要事業に付随する貸付けか
買戻し付き貸付けに該当しないか
取得価額が資産ごとに40万円未満か
年間300万円の限度額内か
損金経理しているか
別表十六関係の明細書を添付しているか
適用額明細書に記載しているか
この制度は便利ですが、貸付用資産については改正後のルールを踏まえた確認が必要です。
まとめ
中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、取得価額40万円未満の一定の減価償却資産について、取得して事業の用に供した事業年度に全額を損金算入できる制度です。
ただし、令和4年度税制改正により、令和4年4月1日以後に取得等する貸付用資産については、主要な事業として行なわれる貸付け以外の貸付けの用に供するものが対象外となりました。
そのため、貸付用資産については、単に取得価額が40万円未満であるかだけでなく、その貸付けが主要な事業として行なわれるものに該当するかを確認する必要があります。
主要な事業として行なわれる貸付けには、特定関係がある法人の事業管理・運営を行う場合のその法人への資産貸付け、自社に役務提供する下請先等への専用資産の貸付け、自社の経営資源を継続的に活用した貸付け、主要事業に付随する貸付けなどがあります。
親会社がその子会社の事業管理・運営を行ない、子会社に対して資産を貸し付けるのであれば、特定関係がある法人に対する貸付けとして、主要な事業として行われる貸付けに該当すると考えられます。
この場合、貸付収入が本業である卸売業の売上に比べて小さいとしても、それだけで特例の対象外になるわけではありません。継続的に行われるグループ内の事業運営に関連する貸付けであれば、少額減価償却資産の特例を使える可能性があります。
一方で、買戻し付きの貸付けや、節税目的と見られる貸付け、事業関連性や継続性が乏しい貸付けについては注意が必要です。
また、親会社自身が中小企業者等に該当するか、大規模法人の子会社等でないか、従業員数、青色申告、適用除外事業者でないこと、年間300万円の限度額、損金経理、申告書添付などの要件も忘れてはいけません。
貸付用資産について少額減価償却資産の特例を使う場合は、貸付けの相手先、資本関係、事業管理・運営の実態、貸付契約、資産ごとの取得価額、事業供用日を整理し、税務調査で説明できる資料を残しておきましょう。
貸付用資産の少額減価償却資産の判定で迷う場合は、税理士へ相談することをおすすめします。



