top of page

賃上げ促進税制はいつまで使える?大企業・中堅・中小で「廃止時期」が違う点に注意

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


賃上げ促進税制は、賃上げ等を行った企業に対して法人税額の控除を認める制度ですが、令和8年度税制改正大綱では、大企業向けと中堅企業向けの制度を廃止する案が盛り込まれています。しかも、廃止のタイミングは企業区分ごとに異なるため、決算期によって「最後に使える年度」が変わります。


この記事では、税理士の立場から、廃止時期の考え方と実務での注意点を整理します。


1. 現行制度の適用期限は「開始事業年度」ベース

現行の賃上げ促進税制は、大企業向け・中堅企業向け・中小企業向けのいずれも、令和9年3月31日までに開始する各事業年度に適用できる仕組みです。

ここで重要なのは、制度の適用時期が「事業年度の開始日」で判定される点です。途中の決算日がいつかではなく、事業年度がいつ始まったかで適用可否が決まります。


2. 大企業向けは「令和8年3月31日までに開始する事業年度」まで

大企業向け(全企業向け)の賃上げ促進税制は、適用期限の到来を待たず、令和8年3月31日をもって廃止する案とされています。


ただし、よくある誤解として「令和8年3月31日をまたぐ事業年度は使えないのでは」という不安がありますが、制度が開始事業年度ベースである以上、実務上は「令和8年3月31日までに開始する事業年度に適用できる」形になる予定と整理されています。


例)

3月決算法人:令和8年3月期まで適用可能

12月決算法人:令和8年12月期まで適用可能


3. 中堅企業向けは「期限到来で廃止」 最終適用は令和9年3月31日開始分まで

中堅企業向けは、令和8年4月1日以後開始事業年度から教育訓練費の上乗せ措置を廃止し、要件を見直した上で、現行の期限到来をもって廃止する案とされています。


つまり、前倒しの廃止ではなく、令和9年3月31日までに開始する事業年度までが適用対象で、令和9年4月1日以後に開始する事業年度には適用できない予定です。

例)

3月決算法人:令和9年3月期まで適用可能

12月決算法人:令和9年12月期まで適用可能


4. 中小企業向けはどうなる? 上乗せ廃止+期限到来時に見直し検討

中小企業向けについては、中堅企業向けと同様に教育訓練費の上乗せ措置を廃止しつつ、期限到来時に適用状況等を踏まえて必要な見直しを検討する、とされています。

つまり現時点では「即時廃止」と断定できず、今後の改正動向を踏まえた対応が必要です。


5. 実務の注意点 決算期によって「最後の適用年度」が変わる

賃上げ促進税制の廃止時期は「開始事業年度」で判定されるため、同じ企業区分でも決算期によって、最後に適用できる年度がずれます。

そのため、次の対応をおすすめします。


1)自社区分の確認大企業向け、中堅企業向け、中小企業向けのどれに該当するかで最終適用年度が変わります。


2)事業年度開始日で判定単に「令和8年3月31日で終了」と覚えるのではなく、「令和8年3月31日までに開始する事業年度まで」という読み替えで管理するとミスが減ります。


3)賃上げ計画と税額控除の事前試算賃上げ実績がギリギリの場合、税額控除を見込んでいたのに適用できないと影響が大きくなるため、早めの試算が有効です。


まとめ 大企業は令和8年3月31日開始分まで 中堅は令和9年3月31日開始分まで

賃上げ促進税制の廃止時期は企業区分で異なります。大企業向けは令和8年3月31日までに開始する事業年度まで、中堅企業向けは要件を見直した上で令和9年3月31日までに開始する事業年度まで適用できる予定です。中小企業向けは期限到来時の検討事項として残っています。


決算期によって最後の適用年度が変わるため、制度を活用している企業は、自社の適用区分と事業年度開始日を前提に、賃上げ計画と税額控除の見込みを早めに整理することをおすすめします。


神戸の税理士事務所ロゴ

コメント


bottom of page