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非居住者の確定申告と基礎控除 令和7年度改正の「基礎控除の特例」は使える?使えない?を整理

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 13 時間前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


海外転勤や国外転出などで日本の非居住者になっても、日本国内の不動産賃料など国内源泉所得がある場合は、所得税の確定申告が必要になることがあります。ここでよくある疑問が、確定申告で基礎控除は使えるのか、さらに令和7年度改正で創設された基礎控除の特例(上乗せ)は使えるのか、という点です。


結論から言うと、非居住者でも確定申告で基礎控除は適用できますが、令和7年度改正で導入された基礎控除の特例による上乗せは、原則として居住者が対象のため、非居住者のまま年を通じている場合は適用できません。


1. 非居住者でも確定申告が必要になる典型例

日本国内に住所等がない非居住者でも、国内不動産の貸付けによる賃料など、国内で生じた所得がある場合は所得税の確定申告を行なうことがあります。

実務では、納税管理人を選任して申告手続きを行なうケースが多くなります。


2. 基礎控除の基本 令和7年分から48万円→58万円へ

令和7年分の所得税から、合計所得金額2,350万円以下の人の基礎控除は48万円から58万円に引き上げられました。


この58万円の基礎控除は、非居住者が確定申告をする場合でも適用できます。


3. 基礎控除の特例とは 所得に応じて上乗せするが居住者限定

令和7年度改正では、合計所得金額655万円以下の人について、所得に応じて基礎控除を上乗せする基礎控除の特例が導入されています。


ただし、この特例の対象は居住者に限定されています。したがって、年を通じて非居住者である場合は、特例による上乗せは適用できず、合計所得金額2,350万円以下なら基礎控除は58万円のままになります。


4. 重要な分岐 年を通じて非居住者か、途中で非居住者になったか

実務上のポイントは、その年に居住者期間があるかどうかです。


<ケース1:年を通じて非居住者>

例えば令和6年12月31日以前に海外転勤等で国外転出し、令和7年中はずっと海外勤務で非居住者に該当する場合、国内不動産賃料の申告をしても基礎控除の特例は使えず、基礎控除は58万円です。


<ケース2:年の途中で国外転出して非居住者になった>

令和7年の途中で国外転出し、その年に居住者期間がある場合は、合計所得金額655万円以下なら基礎控除の特例による上乗せを適用できます。


5. 扶養控除等の所得控除も同じ考え方 居住者期間があるかがカギ

扶養控除等は居住者のみ適用できるため、年を通じて非居住者のケースでは適用できません。

一方、年の途中で国外転出して居住者期間があるケースでは、要件を満たせば扶養控除等を適用できます。


また、居住者期間がある場合は、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除も適用できますが、控除額は居住者期間内に支払った金額に基づいて計算します。


まとめ 非居住者の申告は居住者期間の有無で控除が大きく変わる

非居住者でも国内源泉所得があれば確定申告が必要になることがあり、基礎控除58万円は適用できます。一方で、基礎控除の特例による上乗せは居住者限定のため、年を通じて非居住者なら使えません。年の途中で国外転出して居住者期間がある場合は、基礎控除の特例や扶養控除等、各種所得控除の適用余地が出てきます。

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