食事支給の非課税判定で送料はどう扱う?弁当代補助の実務ポイントを税理士が解説
- 安田 亮
- 2 時間前
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おはようございます!代表の安田です。
会社が従業員や役員に対して行なう食事支給は、福利厚生実務でも相談の多いテーマです。社員食堂の利用補助、仕出し弁当の手配、昼食代の一部補助など、さまざまな形がありますが、税務上は「どこまでが非課税で、どこからが給与課税になるのか」を正しく理解しておく必要があります。
特に最近は、物価上昇や働き方の変化に伴い、外部業者から弁当を購入して従業員に支給するケースが増えています。その際に実務で迷いやすいのが、弁当の送料をどう扱うのかという点です。
会社が従業員等に支給する食事の非課税限度額は、令和8年4月1日から月額7,500円へ引き上げられています。さらに、弁当などの購入時に別途生じる送料は「食事の価額」に含まれず、食事支給の非課税判定は送料を除いて行なうと整理されています。
今回は、食事支給の非課税の基本ルールと、送料の考え方を実務目線でわかりやすく解説します。
食事支給の非課税ルールとは?
会社が従業員等に食事を支給した場合、原則としてその経済的利益は給与課税の対象になります。ただし、一定の条件を満たす場合には、その会社負担分は給与課税の対象外とされます。非課税とされるための要件として、次の2つが示されています。
従業員等が食事の価額の半分以上を負担していること
食事の価額から従業員等の負担額を差し引いた会社負担額が、月額7,500円以下(税抜)であること
つまり、会社が全額負担する食事は原則として非課税になりません。あくまで、従業員本人が半額以上を負担し、かつ会社負担額が月額7,500円以下であることがポイントです。
令和8年4月1日から非課税限度額は月額7,500円に
今回の前提として押さえておきたいのが、非課税限度額の改正です。資料によると、食事支給に係る非課税限度額は、令和8年4月1日から月額3,500円から月額7,500円へ引き上げられています。
この改正によって、これまで非課税枠が小さくて運用しにくかった企業でも、弁当補助や食事補助制度を見直しやすくなりました。一方で、限度額が上がったからといって、送料や周辺費用まで自動的に非課税になるわけではありません。そこで問題になるのが、送料の扱いです。
弁当購入時の送料は食事の価額に含まれるのか
結論からいうと、別途生じる送料は「食事の価額」には含まれません。
会社が弁当などを購入して従業員等に支給する場合、業者に支払う購入金額が「食事の価額」になる一方で、別途送料が発生しているときは、その送料は食事の価額に該当しないとされています。
この点は実務上かなり大事です。送料が食事の価額に含まれないということは、非課税要件の判定は弁当そのものの価格ベースで行なうことになるからです。
送料無料・送料込みの場合は扱いが違う
ただし、送料に関してはすべて同じ扱いではありません。
送料無料や送料込みなど、別途送料が発生しない場合には、その弁当購入に係る金額全体を「食事の価額」として、2つの非課税要件を満たすかどうかを判断するとされています。
つまり、整理すると次のようになります。
別途送料が明確に発生している場合
→ 送料は食事の価額に含めない
送料込み商品や送料無料で、別建ての送料がない場合
→ 支払額全体を食事の価額として判定する
この違いは、業者との契約内容や請求書の書き方によって結論が変わるため、経理処理でも見落としやすいポイントです。
具体例で考えるとわかりやすい
具体例として、一食750円(税抜)×20日=月額15,000円の弁当を購入するケースを考えてみましょう。
このケースで、会社負担額と従業員負担額がそれぞれ月額7,500円であれば、従業員は食事の価額の半分を負担しており、かつ会社負担額も月額7,500円以下なので、2要件を満たし会社負担額7,500円は非課税となります。
仮に一食ごとに別途送料が生じた場合でも、その送料は食事の価額に含まれないため、上記と同様に2要件を満たし、会社負担額は課税対象外となります。
実務で誤りやすいポイント
このテーマでよくある誤りは、送料まで含めて食事の価額として判定してしまうことです。
別建て送料を含めてしまうと、会社負担額が月額7,500円を超えたように見えてしまい、本来は非課税で処理できるものを給与課税してしまう可能性があります。
逆に、送料込み価格なのに、本体価格と送料を勝手に分けて判定するのも問題です。
別途送料がないなら、その購入金額全体が食事の価額です。したがって、請求書や契約条件を確認せずに都合よく区分してしまうのは避けるべきでしょう。
会社として確認したいポイント
食事補助制度を運用する会社では、少なくとも次の点を確認しておくと安心です。
まず、弁当代と送料が請求書上で明確に分かれているか。次に、従業員負担額が食事の価額の半分以上になっているか。さらに、会社負担額が月額7,500円以下(税抜)に収まっているかを確認する必要があります。
また、制度として継続運用する場合は、社内規程や福利厚生ルール、給与計算との整合も見直しておくとよいでしょう。
消費税の軽減税率における送料の考え方とも共通点がある
飲食料品の譲渡に要する送料は、飲食料品の譲渡の対価ではないため軽減税率の対象となりません。一方、送料込み商品の販売など、別途送料が生じない場合は、商品が飲食料品であれば軽減税率が適用されます。
所得税の食事支給判定と消費税の軽減税率は別制度ですが、「別建て送料か、込み価格かで扱いが変わる」という考え方には共通点があります。
まとめ
会社が従業員等に支給する食事については、従業員等が食事の価額の半分以上を負担していること、かつ会社負担額が月額7,500円以下(税抜)であることを満たせば、その会社負担額は給与課税の対象外となります。
弁当などを購入する際に別途生じる送料は「食事の価額」に含まれません。
そのため、非課税判定は送料を除いた弁当代等を基準に行ないます。一方で、送料無料や送料込み商品のように別途送料が発生しない場合は、その購入金額全体を食事の価額として判定する必要があります。
食事支給の非課税判定は、単に月額7,500円を意識するだけでは不十分です。送料が別建てかどうかまで確認したうえで、正しく制度を運用することが大切です。




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