法定調書のe-Tax提出義務がさらに拡大
更新日:9月2日
おはようございます!代表の安田です。
令和6年度税制改正により、法定調書のe-Tax等による提出義務の基準が大きく引き下げられました。
これまで
「従業員が少ないから紙提出で問題なかった」
「報酬の支払人数が限られている」
と考えていた中小企業・個人事業者でも、令和9年1月提出分からはe-Tax提出が義務化される可能性があります。
ポイントとなるのは、「令和7年中に何枚の法定調書を提出したか」という点です。
■ e-Tax提出義務の判定基準はどう変わった?
法定調書については、その 種類ごと に、前々年の提出枚数が一定以上の場合、e-Taxまたは光ディスク等による提出が義務付けられています。
改正による基準枚数の推移
旧基準:1,000枚以上
平成30年度改正(令和3年提出分~):100枚以上
令和6年度改正(令和9年提出分~):30枚以上
つまり、大幅な引下げが行なわれたことになります。
■令和8年提出分と令和9年提出分は「基準が異なる」
実務上、特に注意が必要なのが令和8年提出分と令和9年提出分で、判定基準が異なる点です。
● 令和8年提出分(令和6年分)
判定基準:令和6年中の提出枚数
基準枚数:100枚以上(旧基準)
● 令和9年提出分(令和7年分)
判定基準:令和7年中の提出枚数
基準枚数:30枚以上(新基準)
令和8年は紙提出OKでも、令和9年から突然e-Tax義務化、というケースが現実に起こります。
■「法定調書ごと」に判定する点に注意
e-Tax提出義務の判定は、すべての法定調書を合算するのではなく、種類ごとに行います。
対象となる主な法定調書には:
給与所得の源泉徴収票
退職所得の源泉徴収票
報酬・料金等の支払調書
不動産の使用料等の支払調書
などがあります。
【具体例】
給与所得の源泉徴収票:毎年100枚→ 令和8年・令和9年とも e-Tax提出義務あり
退職所得の源泉徴収票:毎年35枚→ 令和8年:義務なし→ 令和9年:義務あり(30枚以上)
■税理士の視点:令和7年は「準備の年」
今回の改正で重要なのは、令和7年中の提出枚数が、令和9年提出分の判定基準になることです。
つまり、
令和7年分は「まだ紙で提出している」
しかし枚数は30枚以上ある
という場合、令和9年1月の提出からはe-Taxが必須になります。
実務対応としておすすめするポイント
✔ ① 令和7年中の法定調書提出枚数を今から把握
特に給与・報酬・不動産関連は要確認。
✔ ② e-Tax提出環境(利用者識別番号・代理送信)を早めに整備
直前対応はトラブルの元。
✔ ③ 顧問税理士との役割分担を明確化
「誰が」「どの調書を」「e-Taxで出すか」を整理。
■まとめ
令和9年提出分からの法定調書e-Tax義務化は、中小企業・個人事業者にも大きな影響があります。
特に重要なのは、
基準は「前々年」
枚数は「30枚以上」
判定は「法定調書の種類ごと」
という3点です。
「今までは紙で問題なかった」という認識のままでは、思わぬ提出義務違反につながる可能性があります。
当事務所では、法定調書の提出方法の見直し、e-Tax導入支援、年末調整・法定調書作成まで一貫したサポートを行なっています。気になる点があれば、お早めにご相談ください。
神戸での起業や開業に関するご相談、確定申告にお困りの方、顧問税理士をお探しの方は安田亮公認会計士・税理士事務所までお問い合わせください!
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。






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