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電子申告の再送信と追加送信の違いとは?e-Tax・eLTAXで申告後に訂正・添付漏れがあった場合の注意点

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 10 時間前
  • 読了時間: 12分

こんにちは!代表の安田です。


法人税や地方税の申告を電子申告で行なう会社が増えています。


特に、大法人については、令和2年4月1日以後開始事業年度から法人税などの電子申告が義務化されており、資本金1億円超の法人などでは、e-Taxによる電子申告が原則となっています。


  • 電子申告では、申告データを一度送信した後に、申告内容を直したい

  • 添付書類を出し忘れた

  • PDFの容量制限で一度に送れなかった

といった場面が出てきます。


このときに重要になるのが、再送信と追加送信の使い分けです。


似た言葉ですが、実務上の意味はかなり違います。使い方を誤ると、申告期限後の提出扱いになったり、地方税で差替えができなかったりする可能性があります。


本日は、電子申告における再送信と追加送信の違い、e-TaxとeLTAXの取扱い、税理士と納税者が分担して送信する場合の注意点について解説します。


電子申告では「再送信」と「追加送信」を使い分ける

電子申告で申告データを送信した後に訂正や追加が必要になった場合、主な対応方法は次の2つです。

  • 再送信

  • 追加送信


電子申告では国税e-Tax・地方税eLTAXともに、一度申告データを送信した後に再送信でき、また国税e-Taxでは従前から追加送信が可能であり、地方税eLTAXでも追加送信が可能となっています。


ただし、再送信と追加送信は目的が異なります。

簡単にいうと、申告データ全体を訂正するのが再送信、提出漏れの書類やPDF等を後から付け足すのが追加送信です。


再送信とは

再送信とは、すでに送信した申告データに誤りがあり、申告期限内に正しい申告データを改めて送信する方法です。


書面申告でいえば、期限内に誤りに気づき、訂正後の申告書一式を改めて提出するイメージです。再送信は、書面の場合に改めて申告書等を作成・提出する処理を電子申告で実施する機能であり、申告期限内であれば訂正するデータだけでなく、すべてのデータを再送信するものです。


また、再送信は、e-Taxで送信済みの別表等に誤りが見つかり、申告期限内に訂正申告する場合に使用する機能で、最後に提出したものが申告書として扱われるとされています。

たとえば、次のようなケースでは再送信を検討します。

  • 別表一の税額に影響する誤りがあった

  • 別表四の所得金額に誤りがあった

  • 税額控除の計算を誤っていた

  • 地方税の税額計算に影響する誤りがあった

  • 申告書本体の記載内容を訂正する必要がある


再送信では、誤りがあった帳票だけではなく、原則としてすべての帳票を再度送信します。


再送信では「最後に送った申告データ」が最新になる

再送信の重要なポイントは、再送信した申告データが、最新の電子申告データとして受け付けられることです。


再送信の場合、再送信した申告等データがそのまま最新の電子申告データとして受け付けられ、再送信前に送信した申告等データは最新の電子申告データを構成しないとされています。


つまり、再送信は「前に送ったデータに追加する」のではなく、「申告データ一式を差し替える」イメージです。


そのため、再送信するときに一部の帳票を入れ忘れると、前回送信した帳票がそのまま残るとは限りません。再送信時には、申告書、別表、添付書類など、必要なデータ一式がそろっているかを必ず確認しましょう。


追加送信とは

追加送信とは、一度送信した申告データに対して、後から別表、付表、添付書類、PDFなどを追加して送信する方法です。


追加送信は、一度送信した申告等データに対して、イメージデータや別表・付表等を追加して送信する機能であり、追加したいデータのみ送信すればよく、すべてのデータを再送信する必要はないとされています。


たとえば、次のようなケースです。

  • 添付書類を提出し忘れた

  • PDFの容量制限により一度に送れなかった

  • 必須ではない別表を後から提出したい

  • 勘定科目内訳明細書や財務諸表等を後から送る

  • 税理士が申告書を代理送信し、納税者が添付資料を送る


e-Taxの公式FAQでも、法人税の確定申告書をe-Taxへ送信した後、メッセージボックスに格納された受付結果のメッセージ詳細、つまり受信通知から、別表や付表等を追加送信できると案内されています。なお、別表等の追加送信ができる手続は、法人税申告関係および法人が申告した消費税申告関係に限られます。


追加送信は「足し算」、再送信は「差替え」

再送信と追加送信の違いは、次のように整理できます。

項目

再送信

追加送信

主な目的

申告データの訂正

添付漏れ・追加資料の提出

送信するもの

原則すべての申告データ

追加したいデータのみ

以前のデータとの関係

再送信データが最新になる

先に送ったデータに追加される

使う場面

税額や申告書本体に誤りがある場合

PDFや別表等を後から出す場合

期限後の注意

期限後の再送信は要注意

税額に影響しない補完で使うことが多い

再送信の場合は再送信した申告等データが最新データとなり、追加送信の場合は一度送信した申告等データに追加送信したデータが加わって最新データを構成するとされています。


この違いを押さえておくと、電子申告後の対応で迷いにくくなります。


e-Taxの追加送信で送れるもの

国税のe-Taxでは、追加送信により、主に次のようなものを送信できます。

  • 添付書類のイメージデータ、PDF

  • 法人税申告に係る別表・付表等

  • 法人が申告した消費税申告に係る付表等


e-Taxの公式FAQでは、添付書類のイメージデータは、申告・申請等データ送信後に、受信通知から追加送信方式で送信できるとされています。追加送信方式は、イメージデータ送信の基となる申告・申請等データの受信通知がメッセージボックスに格納されてから1年間利用でき、10回まで送信可能です。


e-Taxの追加送信方式で送信できる回数は、1つの申告等データにつき10回とされており、当初申告データに10回、その後再送信した場合には再送信データにも10回追加送信が可能と説明されています。


なお、e-Taxでは添付書類のイメージデータ送信について、同時送信方式と追加送信方式があり、同時送信方式と追加送信方式を併用した場合には、申告・申請等データの送信ごとに最大11回までイメージデータを送信できます。


追加送信できない「必須帳票」に注意

追加送信で何でも送れるわけではありません。

特に注意したいのが、申告に必須となる帳票です。


必須帳票は追加送信できないとされています。

必須帳票とは、申告時に添付が必須となる帳票であり、法人税でいえば別表一や、中間申告に係る別表十八などが例示されています。


たとえば、別表四や別表六の誤りが最終的に別表一の税額に影響する場合には、追加送信ではなく、正しく修正した全帳票を再送信して訂正申告する必要があります。


一方で、同族会社の判定に係る別表二の提出漏れのように、別表一を修正する必要がない場合には、別表二のみを追加送信する対応が考えられます。


ここは実務でかなり重要です。「提出漏れだから追加送信」と単純に判断するのではなく、次の2点を確認しましょう。

  • その帳票は必須帳票か

  • 申告税額や別表一に影響するか


eLTAXでも追加送信は可能

地方税のeLTAXでも、法人都道府県民税・事業税・特別法人事業税、法人市町村民税、事業所税などについて、追加送信が可能です。


地方税eLTAXについて、添付資料が多く一度に送信し切れない場合や、送信した申告書の添付漏れがあった場合に、地方自治体に送信した申告書に別表や添付資料を追加して送信できるとされています。


eLTAXの資料でも、PCdeskの「申告に関する手続き」から「追加別表・添付資料の作成」を選択し、申告追加データを作成する手順が案内されています。


また、添付資料では、地方税eLTAXの追加送信は999回まで可能とされています。


eLTAXの追加送信では差替え・訂正に注意

eLTAXで特に注意したいのは、追加送信で送信済みデータの差替え・訂正ができない点です。


地方税eLTAXでは、追加送信データは申告データの1つとして取り扱われ、それぞれ新たな受付番号が付番されるため、送信済みデータに対する差替え・訂正は行なえないと説明されています。


つまり、eLTAXの追加送信は、あくまで「添付漏れ」や「一度に送れなかった資料の追加」が基本です。


すでに送信した別表や添付資料を修正して差し替えたい場合、追加送信で同じ書類を送れば当然に差し替わる、とは考えない方がよいでしょう。


地方税eLTAXで提出済み書類の差替え・訂正のために同一書類を追加送信した場合、その取扱いは提出先の地方自治体の判断によるため、提出先団体に確認することが勧められています。


一方、国税e-Taxでは、一度送信した別表等について、修正した別表を追加送信手続きにより再度送信しても問題ないとされています。

この違いは押さえておきましょう。


e-TaxとeLTAXの追加送信の違い

e-TaxとeLTAXでは、追加送信の考え方が似ている部分もありますが、差替え・訂正の扱いに違いがあります。

項目

e-Tax

eLTAX

追加送信の対象

PDF、法人税・消費税の別表・付表等

別表、添付資料、財務諸表等

追加送信回数

PDFは原則10回まで

添付資料等は999回までとされる

送信済みデータと別の書類を追加

可能

可能

送信済みデータと同じ書類を追加

可能

自治体により取扱いが異なる

差替え・訂正目的

一定範囲で対応可能

当然には不可。

提出先確認が必要

追加送信の起点

受信通知・メッセージ詳細

受付通知・元申告データ等


国税e-Taxでは送信済みデータと同じ別表等の追加送信が可能である一方、地方税eLTAXでは送信済みデータと同じ別表等の追加送信は不可、または地方自治体により取扱いが異なると整理されています。


このため、国税と地方税で同じ感覚で追加送信を行うと、思わぬトラブルになることがあります。


税理士と納税者で分担して送信する場合

電子申告では、申告書本体は税理士が代理送信し、財務諸表や添付書類は納税者側が送信する、という役割分担をすることがあります。


この場合、追加送信の可否に注意が必要です。次の4つのケースを考えてみます。

ケース

e-Tax

eLTAX

税理士Aが申告書を電子申告した後、税理士Aが追加送信

可能

可能

税理士Aが申告書を電子申告した後、税理士Bが追加送信

不可

不可

税理士Aが申告書を電子申告した後、納税者が追加送信

可能

可能

納税者が申告書を電子申告した後、税理士Aが追加送信

不可

不可

ポイントは、追加送信は、原則として最初に送信した申告データの受信通知や受付通知に関連付けて行なうということです。


たとえば、税理士Aが代理送信した場合、その受信通知は税理士Aのメッセージボックスに格納されます。税理士Bは税理士Aのメッセージボックスを操作できないため、追加送信できません。


一方、税理士が申告書本体を送信した後、納税者自身がe-TaxやeLTAXにログインして添付書類を追加送信することは可能です。ただし、この場合は納税者自身の電子証明書を事前に登録しておく必要があります。


申告期限後の再送信は要注意

申告期限後に、税額に影響しない別表や添付書類の誤りを直したい場合があります。


このとき、安易に申告書を含む電子申告データ全体を再送信してはいけません。

申告期限後に申告書を含む電子申告データを再送信すると、税額に影響のない範囲であっても期限後申告になる可能性があるため注意が必要です。


e-Taxの公式FAQでも、申告期限内であれば訂正後の申告データを作成して送信し、訂正したデータを送信した旨を税務署に連絡する必要はないとされています。


一方、申告期限経過後に誤りに気づいた場合の手続方法は、最寄りの税務署へ確認するよう案内されています。


したがって、期限後に税額に影響しない別表や添付資料を差し替える場合は、原則として追加送信で対応できるかを検討します。


地方税eLTAXについては、提出済み書類の差替え・訂正を追加送信で受け付けるかどうかが提出先自治体の判断となるため、期限後であればなおさら事前確認が重要です。


実務でよくある判断例

  • 税額計算に誤りがあった場合

別表四や別表六の誤りにより、別表一の税額が変わる場合は、原則として再送信が必要です。この場合、訂正した帳票だけではなく、すべての帳票を再送信します。申告期限内であれば、最後に送信した申告データが申告書として扱われます。


  • 別表二を提出し忘れた場合

同族会社の判定に係る別表二を提出し忘れたものの、別表一の金額に影響がない場合には、別表二のみを追加送信する対応が考えられます。


  • 添付書類PDFの容量制限で一度に送れなかった場合

e-Taxでは、イメージデータを追加送信方式で10回まで送信できます。受信通知から追加送信方式を利用します。


  • eLTAXで添付資料を出し忘れた場合

eLTAXでは、PCdeskから申告追加データを作成し、元申告データに関連付けて別表や添付資料を追加送信します。


  • eLTAXで提出済み書類を差し替えたい場合

追加送信で同じ書類を送っても、当然に差替えとして扱われるとは限りません。提出先の地方自治体に確認することをおすすめします。


電子申告後に確認すべきチェックリスト

電子申告の送信後は、次の点を確認しておきましょう。


1. 受信通知・受付通知を保存しているか

追加送信は、受信通知や受付通知から行うことが多いため、メッセージボックスの確認が重要です。


2. 申告期限内か期限後か

期限内であれば再送信により訂正できる場合があります。期限後は、再送信が期限後申告扱いになるリスクがあるため、慎重に対応します。


3. 税額に影響するか

税額や別表一に影響する場合は、追加送信ではなく再送信や修正申告・更正の請求などの検討が必要です。


4. 追加したい書類は必須帳票か

必須帳票は追加送信できないため、申告書本体を含む再送信が必要になる場合があります。


5. e-TaxかeLTAXか

e-TaxとeLTAXでは、追加送信による差替え・訂正の取扱いが異なります。


6. 誰が最初に送信したか

税理士が送信したのか、納税者が送信したのかによって、誰が追加送信できるかが変わります。


7. 納税者の電子証明書は登録済みか

税理士が申告書本体を代理送信し、納税者が添付書類を追加送信する場合、納税者の電子証明書の登録が必要です。


まとめ

電子申告で申告後に誤りや提出漏れが見つかった場合には、再送信と追加送信を正しく使い分けることが重要です。


再送信は、申告内容に誤りがあり、申告期限内に正しい申告データ一式を改めて送信する方法です。再送信したデータが最新の申告データとして扱われるため、すべての帳票を再度送信する必要があります。


一方、追加送信は、すでに送信した申告データに対して、提出漏れの別表や添付書類、PDFなどを後から追加する方法です。追加したいデータのみを送信できる点が特徴です。


ただし、必須帳票や税額に影響する誤りは追加送信では対応できません。また、地方税eLTAXでは、追加送信による提出済み書類の差替え・訂正が当然に認められるわけではなく、提出先自治体への確認が必要です。


電子申告後のミス対応は、申告期限内か期限後か、税額に影響するか、e-TaxかeLTAXか、誰が最初に送信したかによって判断が変わります。申告後に慌てないよう、送信前チェックと受信通知・受付通知の管理を徹底しておきましょう。


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