マイナンバーの本人確認とは?番号確認・身元確認と必要書類を分かりやすく解説
こんばんは!代表の安田です。
確定申告や社会保険関係の手続などでマイナンバーを提出する際には、単に12桁の個人番号を伝えるだけでなく、原則として本人確認が必要になります。
マイナンバー制度における本人確認は、大きく次の2つに分かれます。
番号確認……提出されたマイナンバーが本人の番号であることを確認する
身元確認……そのマイナンバーを提出している人が本人であることを確認する
この2つを組み合わせることで、他人のマイナンバーを利用したなりすましなどを防止する仕組みとなっています。
本日は、マイナンバーを提出するときの本人確認について、番号確認と身元確認の違い、運転免許証などを持っていない場合の対応、会社が従業員からマイナンバーを取得する場合、確定申告での取扱いなどを解説します。
マイナンバーの本人確認には「番号確認」と「身元確認」がある
マイナンバーを提供する際には、原則として次の2つを確認します。
確認内容 | 目的 |
番号確認 | 提供されたマイナンバーが本人の番号であることを確認する |
身元確認 | マイナンバーを提供している人が本人であることを確認する |
たとえば、マイナンバーカードを提示する場合には、原則としてマイナンバーカード1枚で番号確認と身元確認の両方を行うことができます。
マイナンバーカードを使用しない場合には、番号確認のための書類と身元確認のための書類をそれぞれ用意する方法があります。
「マイナンバーが分かる」だけでは原則として本人確認にならない
12桁のマイナンバーが分かっているだけでは、その番号を提出している人が本当にその番号の本人なのかまでは確認できません。
そのため、マイナンバーを取得する側では、
番号が正しいこと
番号を提出している人が本人であること
をそれぞれ確認するのが基本です。
この仕組みによって、他人のマイナンバーを利用して行政手続を行うなどの「なりすまし」を防止しています。
番号確認にはどのような書類を使用する?
番号確認には、本人のマイナンバーを確認できる公的な書類を使用します。
代表的なものとして、次のような書類があります。
マイナンバーカード
マイナンバーが記載された住民票の写し
マイナンバーが記載された住民票記載事項証明書
一定の要件を満たす従来の通知カード
なお、「通知カード」と「個人番号通知書」は異なる点に注意が必要です。
従来発行されていた紙製の「通知カード」は、氏名・住所などの記載内容が現在の住民票と一致している場合など、一定の場合には引き続き番号確認書類として利用できます。
一方、現在マイナンバーを知らせるために送付される個人番号通知書は、原則として番号確認書類として利用できません。
名前が似ているため混同しないよう注意しましょう。
運転免許証やパスポートがない場合はどうする?
身元確認では、マイナンバーカードのほか、運転免許証やパスポートなどの写真付き本人確認書類を利用する方法が一般的です。
しかし、すべての人が運転免許証やパスポートを持っているわけではありません。
たとえば、
車を運転しない人
海外渡航をしない人
写真付きの本人確認書類を取得していない人
などもいます。
こうした場合でも、一定の写真なし本人確認書類を複数組み合わせることで、身元確認を行える場合があります。
利用できる書類としては、手続によって、
公的医療保険の資格確認書
基礎年金番号通知書
既に交付されている年金手帳
年金証書
印鑑登録証明書
などが認められる場合があります。
ただし、利用できる書類や必要な点数は手続によって異なります。
「写真付き書類がなければ、この書類を2点出せば必ずよい」と一律に判断するのではなく、実際に手続を行なう行政機関や会社などの案内を確認することが重要です。
健康保険証ではなく「資格確認書」が中心に
本人確認書類として従来利用されていた健康保険証については、制度変更に注意が必要です。
従来の健康保険証は新規発行が終了し、2025年12月1日までに原則として有効期限を迎えています。
そのため、現在の本人確認を説明する場合には、従来の健康保険証ではなく、公的医療保険の「資格確認書」を前提として考えるのが適切です。
古い資料では「健康保険証」と記載されていることもあるため、現在利用できる書類かどうかを確認しましょう。
社会保障手続と税務手続では取扱いが異なることがある
マイナンバーの本人確認については、すべての行政手続で全く同じ書類が必要になるわけではありません。
基本的な考え方は共通していますが、実際に利用できる書類や確認方法には、手続ごとの特例があります。
特に税務関係の手続では、税務署などの租税行政機関がマイナンバーを取得する場合について、一定の本人確認方法の特例が設けられています。
そのため、「社会保障手続なら2点必要」「税務手続なら1点でよい」と単純に区分できるものではありません。
会社が従業員からマイナンバーを取得する場合と、本人が税務署に確定申告書を提出する場合でも、適用される取扱いが異なることがあります。
本人確認を行なう場合は、誰が、どの手続のためにマイナンバーを取得するのかを確認することが重要です。
会社が従業員のマイナンバーを取得する場合
企業では、
年末調整
源泉徴収票の作成
社会保険関係の届出
などを行なうため、従業員からマイナンバーの提供を受けることがあります。
この場合も原則として、
番号確認
身元確認
を行ないます。
ただし、従業員については一定の場合に身元確認書類の提示を省略できる取扱いがあります。
従業員だから必ず身元確認を省略できるわけではない
「会社が普段から従業員の顔を知っているから」という理由だけで、必ず身元確認を省略できるわけではありません。
たとえば、
入社時や雇用契約締結時などに、法令上認められる本人確認書類等によって本人確認を行なっている
マイナンバーを提供している人が、その本人であることが対面等によって明らかである
といった一定の条件を満たしている場合には、改めて身元確認書類の提示を求めなくてもよい場合があります。
一方、単に履歴書を提出しているだけなど、十分な本人確認を行っていない場合まで一律に省略できるわけではありません。
また、身元確認書類の提示を省略できる場合であっても、マイナンバーそのものが正しいかを確認する「番号確認」は必要です。
会社側では取得後の管理も重要
企業が従業員のマイナンバーを取り扱う場合、本人確認をすれば終わりではありません。
実務上は、
誰からマイナンバーを取得したか
本人確認をどのように行ったか
何の手続に利用するのか
誰がマイナンバーを閲覧・管理できるのか
不要になったマイナンバーをどのように廃棄するのか
などについて、適切な管理が必要です。
マイナンバーは、個人情報の中でも特に厳格な取扱いが求められる「特定個人情報」に該当します。
法律で認められた目的以外に利用しないことや、情報漏えいを防止するための安全管理措置を講じることも重要です。
身元確認書類は「何でもよい」わけではない
運転免許証などを持っていない場合でも、本人が用意できる任意の書類を自由に組み合わせればよいわけではありません。
本人確認に使用できる書類は、法令や各行政機関の手続案内などによって定められています。
したがって、「住所と名前が書いてあるから、この書類でもよいだろう」と会社や本人が独自に判断するのではなく、その手続で利用可能とされている本人確認書類を確認しましょう。
確定申告でもマイナンバーの本人確認が必要
所得税の確定申告書などには、原則としてマイナンバーを記載します。
紙で確定申告書を税務署へ提出する場合には、原則として番号確認と身元確認を行なうための本人確認書類について、提示または写しの添付などが必要となります。
たとえばマイナンバーカードを利用する場合には、マイナンバーカードで番号確認と身元確認の両方を行うことができます。
e-Taxでは本人確認書類の写しの提出は不要
e-Taxを利用して確定申告書を電子送信する場合には、紙による申告とは取扱いが異なります。電子証明書などを利用して本人確認を行うため、原則として、マイナンバーカードなどの本人確認書類を税務署に提示したり、その写しを添付したりする必要はありません。
現在はe-Taxを利用する人も増えているため、
紙で申告する場合
e-Taxで申告する場合
で本人確認方法が異なることを理解しておきましょう。
スマートフォンを利用した本人確認も拡大
マイナンバー制度のデジタル化に伴い、本人確認の方法も変化しています。
2026年には、一定の手続について、マイナンバーカードそのものだけでなく、スマートフォンに搭載されたマイナンバーカード機能等を利用して本人確認を行う仕組みも法令上整備されています。
今後は、実物のカードを提示する方法だけでなく、スマートフォンを利用した本人確認が活用される場面も増えていくと考えられます。
ただし、すべての手続やすべての提出先で同じように利用できるとは限りません。
実際に利用できる本人確認方法については、その手続を行う行政機関やサービスの案内を確認してください。
マイナンバー提出時のチェックリスト
マイナンバーを提出するときには、次の点を確認するとよいでしょう。
チェック項目 | 確認内容 |
手続内容 | 税務、社会保障など、何のために提出するのか |
番号確認 | マイナンバーを確認できる書類があるか |
身元確認 | 本人であることを確認できる書類があるか |
マイナンバーカード | 1枚で番号確認・身元確認ができないか |
写真付き書類 | 運転免許証等の利用可能な書類があるか |
写真なし書類 | 必要な種類・点数を確認したか |
健康保険関係 | 古い健康保険証ではなく資格確認書等を前提としているか |
提出方法 | 紙提出かe-Tax等の電子手続か |
提出先 | 税務署、自治体、勤務先等の最新案内を確認したか |
最新制度 | 古い本人確認方法を前提としていないか |
よくある疑問
Q. マイナンバーを提出するときは、番号が分かれば十分ですか?
A. 原則として番号が分かるだけでは足りません。マイナンバーが正しいことを確認する「番号確認」と、その番号を提出している人が本人であることを確認する「身元確認」の両方が必要です。ただし、一定の行政手続などでは本人確認方法について特例があります。
Q. マイナンバーカードがあれば本人確認できますか?
A. はい。マイナンバーカードは、原則として1枚で番号確認と身元確認の両方を行うことができます。
Q. 運転免許証やパスポートがなくてもマイナンバーを提出できますか?
A. 提出できます。手続によっては、資格確認書や基礎年金番号通知書など、一定の写真なし本人確認書類を複数組み合わせて身元確認を行う方法があります。
ただし、利用できる書類や必要な数は手続によって異なるため、提出先の案内を確認してください。
Q. 健康保険証は本人確認書類として使えますか?
A. 従来の健康保険証については制度が変更されています。現在は従来の健康保険証ではなく、資格確認書などを利用する制度となっています。古い資料では健康保険証が本人確認書類として記載されている場合があるため、現在利用できる書類かどうかを確認する必要があります。
Q. 税務手続では写真なし書類1つだけで身元確認できますか?
A. 一律に1つでよいわけではありません。税務署等がマイナンバーを取得する場合には税務特有の本人確認方法が認められていることがありますが、会社などが本人確認を行う場合とは取扱いが異なります。「税務関係なら書類1つでよい」と一律に考えないようにしましょう。
Q. 会社は従業員の顔を知っていれば身元確認を省略できますか?
A. 単に顔を知っているという理由だけで必ず省略できるわけではありません。入社時などに所定の本人確認を行っており、マイナンバーを提供している人がその本人であることが明らかであるなど、一定の条件を満たす必要があります。
Q. e-Taxで確定申告する場合も本人確認書類を提出しますか?
A. 原則として、本人確認書類の提示や写しの提出は不要です。e-Taxでは電子証明書等を利用して本人確認を行うため、紙の確定申告とは本人確認方法が異なります。
まとめ
マイナンバーを提供する際の本人確認は、原則として「番号確認」と「身元確認」の2つによって行います。
番号確認では、提出されたマイナンバーが本人の番号であることを確認し、身元確認では、その番号を提出している人が本人であることを確認します。
マイナンバーカードを利用すれば、原則として1枚で両方の確認を行うことができます。
また、運転免許証やパスポートなどの写真付き本人確認書類を持っていない場合でも、手続によっては資格確認書や基礎年金番号通知書など、複数の公的書類を組み合わせることで身元確認が可能です。
今回のポイントは次のとおりです。
マイナンバーの本人確認は「番号確認」と「身元確認」が基本
マイナンバーカードは原則として1枚で両方の確認ができる
写真付き本人確認書類がない場合にも代替方法がある
従来の健康保険証ではなく、現在は資格確認書等を前提に確認する
税務と社会保障では、具体的な本人確認方法が異なることがある
従業員の身元確認を省略できるのは一定の条件を満たした場合
e-Taxでは原則として本人確認書類の提示や写しの提出は不要
通知カードと個人番号通知書は取扱いが異なる
スマートフォンを利用した本人確認制度も整備されている
マイナンバー制度の本人確認方法は、デジタル化や健康保険制度の変更などに伴って変化しています。
実際にマイナンバーを提出するときは、古い情報だけを参考にせず、税務署、自治体、日本年金機構、勤務先など、実際の提出先が案内している最新の本人確認方法を確認したうえで手続を行いましょう。
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。






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