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ふるさと納税の返礼品はいつの所得になる?受取日と一時所得の計上時期を税理士が解説

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 2 日前
  • 読了時間: 11分

更新日:17 時間前

こんにちは!代表の安田です。


ふるさと納税の返礼品はいつの所得になる?受取日と一時所得の計上時期を税理士が解説

年末が近づくと、ふるさと納税を駆け込みで行う方が増えます。


「今年の控除に間に合わせたい」「限度額まで寄附したい」と考えて、12月にまとめて寄附をする方も多いのではないでしょうか。


ふるさと納税は、寄附金控除やワンストップ特例のイメージが強い制度ですが、実は返礼品を受け取った場合、その返礼品に係る経済的利益は、所得税の一時所得として取り扱われます。


ここで注意したいのが、返礼品の「計上時期」です。

たとえば、12月にふるさと納税を行ない、返礼品が翌年1月に届いた場合、その返礼品は寄附をした年の一時所得になるのでしょうか。それとも、実際に受け取った翌年の一時所得になるのでしょうか。


本日は、ふるさと納税の返礼品に係る一時所得の考え方と、返礼品の受取日・発送日・到着日が年をまたぐ場合の計上時期について解説します。


ふるさと納税の返礼品は一時所得になる

ふるさと納税の返礼品は、税務上、所得税の一時所得に該当します。


一時所得とは、営利を目的とする継続的な行為から生じた所得ではなく、労務や役務の対価、資産の譲渡対価にも該当しない一時的な所得をいいます。


ふるさと納税の返礼品は、寄附をした自治体から謝礼として受け取るものです。現金ではなく食品、日用品、旅行券、家電などの物品であっても、経済的利益を受けているため、一時所得として取り扱われます。


「寄附をしただけなのに、返礼品に税金がかかるのか」と驚かれる方もいます。


ただし、実際に課税が生じるかどうかは、一時所得の金額や他の一時所得の有無によって異なります。多くの方は、一時所得の特別控除額の範囲内に収まることが多いため、返礼品を受け取っただけで必ず税金が発生するわけではありません。


一時所得の計算方法

一時所得は、次のように計算します。


総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)= 一時所得の金額


そして、課税対象になるのは、一時所得の金額の2分の1です。この2分の1に相当する金額を、給与所得や事業所得など他の所得と合算して所得税を計算します。


ふるさと納税の返礼品だけで考えると、返礼品の経済的利益が年間50万円を超えなければ、通常は一時所得として課税関係が生じにくいといえます。


ただし、一時所得の特別控除額50万円は、ふるさと納税の返礼品だけに個別に使えるものではありません。同じ年に、次のような一時所得がある場合には、それらを合算して判断する必要があります。

  • 生命保険の一時金

  • 損害保険の満期返戻金

  • 懸賞や福引きの賞金品

  • 競馬や競輪などの払戻金

  • 法人から贈与を受けた金品

  • その他、一時所得に該当する収入


そのため、ふるさと納税の返礼品自体は少額であっても、同じ年に他の一時所得がある場合には、確定申告が必要になることがあります。


返礼品の収入計上時期は「受け取った年」が基本

ふるさと納税の返礼品について、最も重要なのが「いつの年分の一時所得として計上するか」です。


結論としては、返礼品を実際に受け取った年分の一時所得として計上するのが基本です。

たとえば、令和7年12月にふるさと納税を行い、返礼品が令和8年1月に自宅へ届いた場合、その返礼品に係る経済的利益は、令和8年分の一時所得として扱います。


寄附金控除の対象になる年は、寄附金を支払った年です。

一方で、返礼品に係る一時所得の計上時期は、返礼品を受け取った年です。

ここを混同しないよう注意が必要です。

  • 寄附金控除:寄附をした年

  • 返礼品の一時所得:返礼品を受け取った年


このように、寄附金控除の年分と、返礼品の一時所得の年分がずれることがあります。


年末のふるさと納税は返礼品の受取年に注意

年末にふるさと納税を行なう場合、返礼品の発送や到着が翌年になることは珍しくありません。特に、人気の返礼品、季節商品、定期便、農産物、海産物などは、寄附後すぐに届かないことがあります。たとえば、次のようなケースです。

  • 12月に寄附し、返礼品が翌年1月に届いた

  • 年末に申し込み、発送通知が翌年に届いた

  • 果物や米など、収穫時期に合わせて翌年発送された

  • 定期便として複数回に分けて届いた

  • 12月に発送されたが、実際の到着日は翌年だった


このような場合、返礼品の一時所得の計上時期は、寄附をした日ではなく、返礼品を受け取った日を基準に判断します。


そのため、12月に寄附をしたからといって、返礼品も必ずその年の一時所得になるわけではありません。


到着日が分かる場合は到着日で判断

返礼品の到着日が配送履歴や受領記録などで確認できる場合には、その到着日の属する年分で判断します。


たとえば、配送業者の追跡番号により、返礼品が令和8年1月5日に配達完了となっている場合、その返礼品は令和8年分の一時所得として取り扱います。


宅配便の配達完了日、受領印の日付、メールの配送完了通知などが確認できる場合には、それらを保存しておくと安心です。特に、高額な返礼品を受け取った場合や、他の一時所得がある場合には、どの年分に計上するかが税額に影響する可能性があります。


返礼品の到着日を確認できる資料は、念のため保存しておくとよいでしょう。


到着日が分からない場合はどう考えるか

実務では、返礼品の到着日が分からないこともあります。

たとえば、配送履歴を保存していない、家族が受け取ったため日付を覚えていない、自治体からの通知が残っていない、というケースです。


このような場合でも、発送日や配送状況、通常の配送日数などから、合理的に到着日を判断することになります。


裁決事例では、具体的な到着年月日が分かる返礼品については到着日で判断し、到着年月日は不明でも発送年月日が特定されているものについては、発送時期や通常の配送日数、返送の事実がないことなどを考慮して、到着した年分を判断しています。


特に、1月から11月の間に発送された返礼品については、通常の配送日数を考えると、その発送された年中に到着したものと認められるケースがあります。


一方、12月発送分については、年内に到着したのか翌年に到着したのかが微妙になりやすいため、より慎重な確認が必要です。


12月発送分は年をまたぐ可能性がある

12月に発送された返礼品は、計上時期の判断で特に注意が必要です。


12月中旬までに発送されたものであれば年内に届いている可能性が高い一方、12月下旬発送の場合、年末年始の配送状況によっては翌年1月に到着することもあります。

この場合、発送日だけでは年内到着か翌年到着かを断定できないことがあります。

たとえば、次のようなケースです。

  • 12月28日に発送され、1月2日に到着した

  • 12月31日に発送通知があり、1月上旬に受け取った

  • 年末年始の不在により、実際の受取が翌年になった

  • 冷凍品や大型品で配送に通常より時間がかかった

  • 自治体や事業者の発送処理日と実際の出荷日が異なる


このような場合は、配送履歴や配達完了日、自治体からの案内、返礼品提供事業者への確認などにより、実際の到着日を確認することが望ましいです。


年末に駆け込みでふるさと納税を行う方ほど、返礼品の受取年が翌年になる可能性がある点を意識しておきましょう。


定期便の返礼品は受け取った回ごとに考える

ふるさと納税では、米、肉、魚、果物などが複数回に分けて届く「定期便」の返礼品も人気です。


定期便の場合、寄附をした年にすべての返礼品を受け取るとは限りません。

たとえば、令和7年12月に寄附をして、令和8年1月、3月、5月に返礼品が届く定期便を選んだ場合、返礼品に係る経済的利益は、それぞれ実際に受け取った年分で考えることになります。


同じ寄附に対応する返礼品であっても、年をまたいで分割して届く場合には、受取時期に応じて年分が分かれる可能性があります。


高額な定期便を利用している場合や、他の一時所得がある場合には、いつ、どの返礼品を受け取ったかを記録しておくと安心です。


返礼品の価額はいくらで考えるか

ふるさと納税の返礼品を一時所得として計算する場合、総収入金額に含めるのは、返礼品に係る経済的利益の価額です。実務上は、返礼品の時価や、自治体が表示している返礼品相当額などを参考にすることになります。


ふるさと納税の制度上、返礼品の調達費用は寄附額の一定割合以内とされていますが、寄附額そのものが返礼品の価額になるわけではありません。


たとえば、30,000円の寄附をして返礼品を受け取った場合でも、30,000円全額が一時所得の収入金額になるわけではありません。返礼品として受けた経済的利益の価額を基に判断します。


ただし、複数の自治体に多額の寄附をしている場合や、高額な返礼品を受け取っている場合には、返礼品の価額が大きくなることがあります。


返礼品の申込画面、自治体からの案内、返礼品の内容が分かる資料を保存しておくと、後から確認しやすくなります。


寄附金控除とは別に考える

ふるさと納税では、寄附金控除と返礼品の一時所得を分けて考える必要があります。


寄附金控除は、地方自治体に寄附をしたことにより受けられる所得税・住民税の控除です。

一方、返礼品の一時所得は、寄附に伴って受け取った経済的利益についての所得税の取扱いです。


つまり、寄附金控除を受けることと、返礼品の一時所得を計算することは、別の論点です。

年末に寄附をした場合、寄附金控除はその年分で受けることになりますが、返礼品が翌年に届いた場合には、返礼品の一時所得は翌年分で考えます。


この違いを整理しておかないと、「寄附した年に全部処理すればよい」と誤解してしまう可能性があります。


確定申告が必要になるケース

ふるさと納税の返礼品を受け取っただけで、すべての人に確定申告が必要になるわけではありません。


一時所得には最高50万円の特別控除があるため、その年中の一時所得の合計額が50万円以下であれば、通常は課税関係が生じません。ただし、次のような方は注意が必要です。

  • ふるさと納税の返礼品を多額に受け取っている

  • 高額な返礼品を複数受け取っている

  • 生命保険の一時金を受け取った

  • 損害保険の満期返戻金を受け取った

  • 懸賞金や賞品を受け取った

  • 競馬や競輪などの払戻金がある

  • 他の一時所得と合算すると50万円を超える可能性がある


一時所得は、ふるさと納税の返礼品だけでなく、その年の他の一時所得と合算して計算します。「返礼品だけなら少額だから大丈夫」と思っていても、保険の満期返戻金などがある年は注意しましょう。


ワンストップ特例を使っていても一時所得は別問題

ふるさと納税では、一定の要件を満たす場合、確定申告をせずに寄附金控除を受けられるワンストップ特例制度があります。


ただし、ワンストップ特例は、あくまで寄附金控除に関する手続です。

返礼品に係る一時所得の課税関係とは別の問題です。


そのため、ワンストップ特例を利用している方でも、返礼品を含む一時所得が一定額を超える場合には、確定申告が必要になることがあります。


特に、給与所得者で確定申告に慣れていない方は、「ワンストップ特例を出したから税務処理は全部終わり」と考えがちです。

他の一時所得がある年には、返礼品の経済的利益も含めて確認しておくことが大切です。


実務上のチェックポイント

ふるさと納税の返礼品については、次の点を確認しておきましょう。

  • 寄附をした日

  • 返礼品を申し込んだ日

  • 返礼品の発送日

  • 返礼品の到着日

  • 返礼品の内容

  • 返礼品の価額

  • 配送履歴や受領記録の有無

  • 同じ年に他の一時所得があるか

  • 一時所得の合計額が50万円を超えるか

  • ワンストップ特例を使っているか・確定申告が必要か


特に、年末に寄附した場合や、返礼品が翌年に届く場合には、寄附金控除の年分と返礼品の一時所得の年分がずれる可能性があります。


返礼品の到着日が分かる資料を保存しておくと、後から判断しやすくなります。


まとめ

ふるさと納税の返礼品に係る経済的利益は、所得税の一時所得に該当します。

ただし、一時所得には最高50万円の特別控除があるため、返礼品を受け取っただけで直ちに税金がかかるとは限りません。他の一時所得と合算して50万円を超えるかどうかを確認することが重要です。


返礼品の一時所得の収入計上時期は、原則として返礼品を実際に受け取った年分です。

そのため、12月にふるさと納税を行い、返礼品が翌年1月に届いた場合には、寄附金控除は寄附をした年、返礼品の一時所得は受け取った翌年というように、年分がずれることがあります。


到着日が分かる場合は到着日で判断し、到着日が分からない場合でも、発送日、通常の配送日数、返送の有無などをもとに合理的に判断する必要があります。


特に、12月発送分や定期便の返礼品は、年をまたぐ可能性があるため注意が必要です。

ふるさと納税は節税・地域支援の制度として広く利用されていますが、返礼品に係る一時所得の取扱いまで意識している方は多くありません。


高額な返礼品を受け取っている方、他の一時所得がある方、年末に駆け込みで寄附をしている方は、返礼品の受取日と計上時期を確認しておきましょう。


ふるさと納税や一時所得の確定申告で迷う場合は、税理士へ相談することをおすすめします。

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