令和8年度改正 少額減価償却資産の特例は「事業年度」ではなく「取得日」で40万円基準に切替
- 安田 亮
- 2 時間前
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おはようございます!代表の安田です。
令和8年度税制改正大綱では、中小企業者等が使える少額減価償却資産の特例について、対象資産の取得価額基準を30万円未満から40万円未満へ引き上げる方針が示されました。今回のポイントは、基準の切替が「施行日以後に開始する事業年度」ではなく、施行日以後に取得等する資産から適用される見込みである点です。
このため、同じ事業年度の中でも、資産の取得時期が施行日前か施行日以後かで、30万円基準と40万円基準が混在する可能性があります。実務での誤りを防ぐため、適用関係を整理します。
1. 少額減価償却資産の特例のおさらい
本特例は、中小企業者等が取得価額30万円未満の少額減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合に、損金経理を要件として、その事業年度に取得価額を損金算入できる制度です。対象には器具備品や機械装置などの有形資産だけでなく、ソフトウエア、特許権、商標権などの無形資産も含まれ、中古資産も対象になります。
適用限度額として、対象年度に取得等した少額減価償却資産の取得価額の合計が300万円まで、という上限は維持される見込みです。
2. 改正の中身 30万円未満から40万円未満へ
令和8年度改正では、対象となる減価償却資産の取得価額基準を40万円未満へ引き上げ、常時使用する従業員数が400人を超える法人を対象外としつつ、適用期限を令和11年3月末まで延長する方針が示されています。300万円の上限は変更しない見込みです。
3. 一番大事なポイント 施行日以後に取得した資産から40万円基準
基準引上げの適用は、施行日以後に開始する事業年度からではなく、施行日以後に取得等(製作・建設を含む)する資産に適用される見込みです。
仮に改正法の施行日が令和8年4月1日であれば、次の整理になります。
・令和8年3月31日までに取得等した資産 30万円未満の現行要件・令和8年4月1日以後に取得等する資産 40万円未満であれば特例対象
この「取得ベース」で切り替わる点が、実務上の最大の注意点です。
4. 同一事業年度でも30万円基準と40万円基準が混在する
施行日が令和8年4月1日と仮定した場合、例えば12月決算法人の令和8年12月期では、次のように同一年度で要件が分かれます。
令和8年1月から3月末までに取得等した資産:30万円未満
令和8年4月から12月末までに取得等した資産:40万円未満(30万円超でも可)
つまり、決算期がいつであっても、資産を「いつ取得したか」によって適用される金額基準が変わります。資産台帳や購入申請の管理が重要になります。
5. 個人事業者も同様の考え方になる見込み
法人税だけでなく、個人事業者の所得税の本特例についても同様の改正が行われる予定とされています。
6. 実務対応チェックリスト
1)施行日前後の取得日で区分できる体制にする固定資産台帳で「取得日」が追えるか、レシート・請求書・納品日との整合が取れているかを確認します。
2)30万円超40万円未満の購入予定を棚卸しするPC、タブレット、周辺機器、什器備品、業務ソフトなどは価格帯が該当しやすいです。
3)年300万円枠の管理を強化する基準が40万円未満に広がると、対象件数が増え、300万円枠に達しやすくなります。部門別購入の合算管理も含めて運用を決めます。
4)従業員数基準の変更も併せて確認改正では従業員400人超を対象外とする方針が示されています。該当可能性がある会社は要注意です。
まとめ:40万円未満の適用は「取得日」で切替 施行日前後の管理が重要
令和8年度改正では、少額減価償却資産の特例の取得価額基準が40万円未満へ引き上げられる見込みですが、適用関係は「施行日以後に取得等した資産」から切り替わる予定です。結果として、同一事業年度でも施行日前の取得は30万円基準、施行日以後の取得は40万円基準と、要件が混在し得ます。
設備投資計画がある企業は、施行日前後の取得日管理と、年300万円枠の運用を早めに整備しておくことをおすすめします。




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