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適用額明細書とは?法人税申告で添付が必要になるケースと提出漏れの注意点を税理士が解説

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 13 時間前
  • 読了時間: 18分

こんにちは!代表の安田です。


法人税申告書を作成していると、「適用額明細書」という書類が出てくることがあります。


中小企業者等の法人税率の特例、研究開発税制、賃上げ促進税制、中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制、少額減価償却資産の特例など、法人税の負担を軽くする制度を使う場合に関係する書類です。


実務では、別表の作成や税額計算に意識が向きやすく、適用額明細書は「税務ソフトが自動で作る添付書類」という感覚になっていることもあります。


しかし、適用額明細書は単なる参考資料ではありません。

法人税関係の租税特別措置のうち、税額または所得金額を減少させる規定の適用を受ける場合には、法人税申告書に添付して提出する必要があります。


提出漏れや記載誤りがあると、税務署から照会を受けたり、再提出を求められたり、場合によっては租税特別措置の適用関係に影響したりすることがあります。


本日は、適用額明細書とは何か、なぜ提出が必要なのか、どのような制度で添付が必要になるのか、実務で確認すべきポイントを解説します。


適用額明細書とは

適用額明細書とは、法人が法人税関係の租税特別措置を適用する場合に、その適用内容を記載して法人税申告書に添付する書類です。


具体的には、適用を受けようとする租税特別措置法の条項、区分番号、適用額などを記載します。


法人税申告書では、各種の別表により所得金額や税額を計算します。

一方、適用額明細書は、どの租税特別措置を、どの金額で適用したのかを一覧的に示すための書類です。


たとえば、中小企業者等の軽減税率を適用した場合、研究開発税制で税額控除を受けた場合、賃上げ促進税制を適用した場合などに、適用額明細書への記載が必要になります。


なぜ適用額明細書を提出する必要があるのか

適用額明細書の提出が求められる理由は、租税特別措置の適用実態を明らかにするためです。


租税特別措置とは、政策目的により、通常の税制とは異なる特別な優遇措置などを設ける制度です。たとえば、中小企業の税負担を軽減するための軽減税率、研究開発投資を促すための税額控除、賃上げを促進するための税額控除、設備投資を後押しする特別償却や税額控除などがあります。


これらの制度は、企業にとっては税負担を軽減できる重要な制度です。

一方で、国全体から見ると、税収を減少させる効果があります。

そのため、どの制度がどの程度使われているのか、その政策効果はどうかを把握・検証する必要があります。


適用額明細書は、そのための情報を集計する目的で提出が求められています。

提出された適用額明細書の内容は、財務大臣や国税庁長官により集計され、租税特別措置の適用実態の調査に活用されます。


制度創設の背景

適用額明細書は、平成22年度税制改正で創設された制度です。


背景にあるのは、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」です。

租税特別措置は、政策目的を達成するために設けられる制度ですが、その適用状況が見えにくいと、制度の効果を十分に検証できません。


そこで、法人がどの租税特別措置をどの程度適用しているのかを明らかにするため、適用額明細書の提出制度が設けられました。


つまり、適用額明細書は、単に税務署が申告内容を確認するためだけの書類ではありません。租税特別措置の透明性を高め、制度の見直しや政策効果の検証につなげるための書類です。


適用額明細書の提出が必要になる法人

適用額明細書は、すべての法人が必ず提出するものではありません。


提出が必要になるのは、法人税関係の租税特別措置のうち、税額または所得金額を減少させる規定などの適用を受けようとする法人です。


たとえば、次のような制度を使う場合には、適用額明細書の提出が必要になることがあります。

  • 中小企業者等の法人税率の特例

  • 試験研究を行なった場合の法人税額の特別控除

  • 賃上げ促進税制

  • 中小企業投資促進税制

  • 中小企業経営強化税制

  • 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

  • 特別償却制度

  • 税額控除制度

  • 所得の特別控除制度

  • 準備金の損金算入制度

  • 圧縮記帳に関する一定の特例


法人税額を直接減らす税額控除だけでなく、所得金額を減少させる特例も対象になる点が重要です。


中小企業者等の法人税率の特例でも必要

適用額明細書というと、研究開発税制や設備投資税制など、大きな税額控除を使う会社だけが関係すると思われることがあります。


しかし、実務上、多くの中小企業に関係するのが、中小企業者等の法人税率の特例です。

中小法人については、一定の所得金額まで軽減税率が適用されることがあります。

この軽減税率も、法人税関係の租税特別措置に該当するため、適用額明細書への記載が必要です。


つまり、特別な設備投資や研究開発をしていない中小企業であっても、軽減税率を適用している場合には、適用額明細書の提出が必要になることがあります。


「うちは税額控除を使っていないから関係ない」と考えるのは危険です。

中小企業の法人税申告では、軽減税率の適用があるかどうかをまず確認しましょう。


税額控除を使う場合の注意点

研究開発税制、賃上げ促進税制、設備投資税制などの税額控除を使う場合、適用額明細書の提出が必要になることがあります。


税額控除は、法人税額から一定額を直接差し引く制度です。

そのため、適用額が税額に与える影響は大きくなります。


税額控除を使う場合には、通常、各制度ごとの別表や明細書を作成します。

たとえば、研究開発税制であれば試験研究費や控除額を計算する別表、賃上げ促進税制であれば給与等支給額や控除額を計算する別表が必要になります。


しかし、それだけではなく、適用額明細書にも該当する措置の区分番号や適用額を記載する必要があります。制度別の別表を作成していても、適用額明細書への転記や記載が漏れていると不備になる可能性があります。


所得金額を減少させる特例にも注意

適用額明細書の対象は、税額控除だけではありません。

所得金額を減少させる租税特別措置も対象になります。


たとえば、特別償却や準備金の損金算入、一定の所得特別控除などが該当することがあります。これらは、法人税額を直接減らすのではなく、損金算入や所得控除により課税所得を減少させる制度です。


会計上・税務上は、別表四や別表十六、別表十二、別表十三などに関係することがあります。実務では、税額控除よりも目立ちにくいため、適用額明細書への記載漏れが起こりやすい分野です。


特別償却や圧縮記帳、準備金制度を適用している場合には、適用額明細書の対象になるか確認しましょう。


適用額明細書に記載する主な内容

適用額明細書には、主に次のような内容を記載します。

  • 法人名

  • 事業年度

  • 提出先税務署

  • 業種番号

  • 適用を受ける租税特別措置法の条項

  • 区分番号

  • 適用額

  • その他必要事項


特に重要なのが、区分番号と適用額です。

区分番号は、租税特別措置ごとに定められている番号です。

適用する制度に対応する区分番号を正しく記載する必要があります。


税制改正により、制度が新設、廃止、改正されると、区分番号一覧表も改正されることがあります。そのため、過年度の区分番号をそのまま使い回すと、誤った番号で提出してしまうことがあります。


区分番号一覧表を確認する

適用額明細書を作成する際には、国税庁が公表している区分番号一覧表を確認することが重要です。


区分番号一覧表には、租税特別措置ごとに、条項、制度名、区分番号などが掲載されています。税制改正があると、制度の新設・廃止・改正に伴い、区分番号も変更されることがあります。


たとえば、賃上げ促進税制や投資促進税制などは、税制改正により制度内容や別表番号が変わることがあります。


その結果、適用額明細書で使う区分番号も変更される可能性があります。

申告書作成時には、対象事業年度に対応する最新の区分番号一覧表を確認しましょう。

税務ソフトを使っている場合でも、ソフトの更新が正しく行われているか、適用している制度が最新の区分番号に対応しているかを確認することが大切です。


記載の手引きを活用する

適用額明細書の記載に迷う場合は、国税庁が公表している「適用額明細書の記載の手引」を確認しましょう。


記載の手引には、適用額明細書の記載方法、区分番号、制度ごとの記載例、e-Taxで提出する場合の入力要領などが示されています。


特に、次のような場合には手引の確認が有効です。

  • 新しい税制を初めて適用する場合

  • 税制改正後の区分番号が分からない場合

  • 適用額にどの金額を書くべきか迷う場合

  • 別表の金額と適用額明細書の金額の関係を確認したい場合

  • e-Taxで提出する際の入力方法を確認したい場合


適用額明細書は、申告書の添付書類の一つですが、制度ごとに記載方法が異なることがあります。「前年も同じように出していたから大丈夫」と判断せず、毎期、対象年度の手引を確認することをおすすめします。


適用額とは何を記載するのか

適用額明細書で悩みやすいのが、「適用額」に何を記載するかです。


適用額は、制度によって意味が異なることがあります。

たとえば、税額控除制度であれば、法人税額から控除する金額を記載することがあります。

一方、所得金額を減少させる制度であれば、損金算入額や所得控除額などを記載することがあります。


中小企業者等の法人税率の特例の場合には、軽減税率の適用対象となる所得金額などが関係します。


つまり、適用額は単に「節税額」や「税金が減った額」とは限りません。

制度ごとに、どの金額を適用額として記載するかを確認する必要があります。

税務ソフトが自動連動する場合でも、元となる別表の金額が正しいか、適用額明細書に正しく反映されているかを確認しましょう。


適用額明細書を提出しなかった場合

適用額明細書の提出が必要であるにもかかわらず提出しなかった場合、税務署から提出を求められることがあります。


また、記載内容に誤りがある場合には、訂正や再提出が必要になることがあります。

適用額明細書は、租税特別措置の適用実態を把握するための書類ですが、適用を受ける制度によっては、申告書添付が重要な要件となるものもあります。


特に、当初申告要件がある税額控除制度などでは、必要な別表や明細書の添付漏れが、制度適用に大きな影響を与える可能性があります。


適用額明細書自体についても、申告書提出時に添付しておくべき書類である以上、提出漏れを軽く考えるべきではありません。法人税申告書を提出する前に、適用している租税特別措置と適用額明細書の記載内容を必ず照合しましょう。


当初申告要件のある制度との違い

適用額明細書と混同しやすいのが、各制度ごとの当初申告要件です。

当初申告要件とは、確定申告書に一定の明細書を添付して申告することが、制度適用の要件となっているものです。


たとえば、研究開発税制や一定の税額控除制度では、控除額の計算に関する明細書を当初申告で添付する必要があります。


適用額明細書は、租税特別措置の適用状況を明らかにするための書類です。

一方、制度ごとの別表や明細書は、制度そのものの適用要件や計算根拠を示すための書類です。


両者は役割が異なります。

税額控除を使う場合には、制度別の計算明細書と適用額明細書の両方を確認する必要があります。


「適用額明細書を出したから制度別の明細書は不要」「制度別の別表を出したから適用額明細書は不要」

このように考えないよう注意しましょう。


e-Taxで提出する場合の注意点

現在、多くの法人がe-Taxで法人税申告書を提出しています。


e-Taxで提出する場合も、適用額明細書の提出は必要です。

税務ソフトを利用している場合、適用額明細書が電子申告データに含まれているかを確認しましょう。

実務上、次のようなミスが起こることがあります。

  • 適用額明細書を作成したが、電子申告データに含まれていない

  • 適用額明細書の一部の行が未入力になっている

  • 区分番号が古いままになっている

  • 税制改正後の新しい措置に対応していない

  • 制度別の別表とは金額が一致しているが、適用額明細書への転記が漏れている

  • 修正申告時に適用額明細書の修正を忘れている


電子申告では、紙の申告書のように添付書類を目で確認しにくいことがあります。

送信前に、電子申告データの帳票一覧を確認し、適用額明細書が含まれているかをチェックしましょう。


修正申告・更正の請求の場合

修正申告や更正の請求を行なう場合にも、適用額明細書の取扱いに注意が必要です。


当初申告で租税特別措置を適用しており、その適用額が修正申告や更正の請求により変わる場合には、適用額明細書の記載内容も見直す必要があります。


たとえば、次のような場合です。

  • 所得金額が変わり、中小企業者等の軽減税率の適用額が変わる

  • 税額控除額が修正される

  • 特別償却額が変わる

  • 少額減価償却資産の特例対象額が変わる

  • 賃上げ促進税制の控除額が変わる

  • 研究開発税制の控除額が変わる


修正申告書や更正の請求書を作成する際には、法人税額だけでなく、適用額明細書の金額も整合しているかを確認しましょう。


適用額明細書の対象になりやすい中小企業の制度

中小企業の法人税申告で、適用額明細書の対象になりやすい制度には、次のようなものがあります。

  • 中小企業者等の法人税率の特例

  • 中小企業者等の少額減価償却資産の特例

  • 中小企業投資促進税制

  • 中小企業経営強化税制

  • 賃上げ促進税制

  • 商業・サービス業・農林水産業活性化税制

  • 地方拠点強化税制

  • 特別償却制度

  • 税額控除制度

  • 特別償却準備金


この中でも、中小企業者等の法人税率の特例や少額減価償却資産の特例は、多くの中小企業で使われます。そのため、適用額明細書は大企業だけの書類ではありません。

中小企業の決算・申告でも、毎期確認すべき書類です。


少額減価償却資産の特例と適用額明細書

中小企業者等が40万円未満の減価償却資産を取得した場合、一定要件のもとで、その取得価額を全額損金算入できる特例があります。この制度を使う場合、別表十六関係の明細書だけでなく、適用額明細書への記載も必要になります。


実務では、会計上、消耗品費や工具器具備品などで処理している場合でも、税務上は少額減価償却資産の特例を適用しているケースがあります。


この場合、適用額明細書への記載が漏れやすくなります。

特に、税務ソフトの固定資産台帳に登録せず、仕訳だけで処理している場合には注意が必要です。


40万円未満の資産を一時に損金算入している場合は、10万円未満の少額資産なのか、20万円未満の一括償却資産なのか、40万円未満の中小企業特例なのかを区分し、適用額明細書の対象になるか確認しましょう。


賃上げ促進税制と適用額明細書

賃上げ促進税制を適用する場合にも、適用額明細書への記載が必要になります。

賃上げ促進税制は、雇用者給与等支給額の増加など一定の要件を満たした場合に、法人税額から一定額を控除できる制度です。


中小企業向け、中堅企業向け、大企業向けなど、対象法人や事業年度によって要件が異なります。


賃上げ促進税制では、控除額計算の明細書や給与等支給額の集計資料を作成することに意識が向きます。


しかし、適用額明細書への記載も忘れてはいけません。

税額控除額を計算する別表と、適用額明細書の適用額が整合しているかを確認しましょう。

また、税制改正により制度名や区分番号が変わることがあるため、対象事業年度の区分番号一覧表を確認することが大切です。


研究開発税制と適用額明細書

研究開発税制を適用する場合にも、適用額明細書が必要です。


研究開発税制は、試験研究費の額に応じて法人税額の特別控除を受けられる制度です。

一般試験研究費、中小企業技術基盤強化税制、特別試験研究費など、複数の制度があります。


研究開発税制では、試験研究費の範囲、控除率、控除限度額、控除額の計算が重要です。

あわせて、適用額明細書にも該当する租税特別措置の区分番号と適用額を記載します。


大企業の場合には、特定税額控除規定の不適用措置や、当初申告要件のある別表の添付にも注意が必要です。


研究開発税制は、適用額が大きくなりやすいため、別表・適用額明細書・根拠資料の整合性を特に丁寧に確認しましょう。


適用額明細書でよくあるミス

適用額明細書では、次のようなミスが起こりやすくなります。

  • 提出が必要なのに添付していない

  • 中小企業者等の軽減税率の記載が漏れている

  • 少額減価償却資産の特例の記載が漏れている

  • 古い区分番号を使っている

  • 税制改正後に廃止された区分番号を使っている

  • 適用額に誤った金額を記載している

  • 制度別の別表と適用額明細書の金額が一致していない

  • 修正申告時に適用額明細書を見直していない

  • 電子申告データに含め忘れている

  • 同じ制度を重複して記載している


これらのミスは、申告書提出前のチェックで防げるものが多いです。

適用額明細書は、最後に形式的に作るのではなく、法人税申告書全体の確認項目として扱いましょう。


適用額明細書の作成フロー

実務では、次のような流れで適用額明細書を確認するとスムーズです。


  1. 当期に適用する租税特別措置を洗い出します

  2. 各制度について、対象法人の要件、対象金額、適用額、添付別表を確認します

  3. 国税庁の区分番号一覧表により、該当する区分番号を確認します

  4. 制度別の別表や明細書の金額と、適用額明細書に記載する金額を照合します

  5. 電子申告データに適用額明細書が含まれているかを確認します


この流れを決算チェックリストに入れておくと、提出漏れを防ぎやすくなります。


決算前から確認しておきたい項目

適用額明細書は申告書に添付する書類ですが、確認は決算前から始めるのが理想です。

特に、次のような取引や制度がある場合は、早めに確認しましょう。

  • 40万円未満の固定資産を多く購入している

  • 設備投資を行なっている

  • 賃上げ促進税制を検討している

  • 研究開発費がある

  • 特別償却や税額控除を使う予定がある

  • 圧縮記帳や準備金制度を使う予定がある

  • 過年度と異なる税制を適用する予定がある

  • 税制改正により制度内容が変わっている

申告期限直前に確認すると、適用要件の判定や区分番号の確認、別表作成に時間がかかることがあります。


特に、賃上げ促進税制や研究開発税制は、給与データや研究開発費の集計が必要になるため、早めの準備が重要です。


税務ソフト任せにしない

適用額明細書は、多くの税務ソフトで自動作成されます。


しかし、税務ソフトに任せきりにするのは危険です。

税務ソフトは、入力された別表や設定に基づいて適用額明細書を作成します。

そのため、そもそも制度の適用を入力していない場合や、区分番号の設定が古い場合、適用額明細書に正しく反映されないことがあります。


また、会計処理上は費用処理されていても、税務上は租税特別措置を適用しているケースでは、ソフトが自動で拾えないこともあります。


たとえば、少額減価償却資産の特例を使っているのに、固定資産台帳や別表への入力が不十分な場合、適用額明細書への記載漏れが起こる可能性があります。


税務ソフトで作成した後も、制度別の適用一覧を確認し、人の目でチェックすることが大切です。

顧問税理士に共有したい資料

会社側で決算資料を準備する場合、適用額明細書に関係する資料を税理士へ早めに共有すると、申告がスムーズになります。共有したい資料は次のとおりです。

  • 当期に取得した固定資産一覧

  • 40万円未満の資産一覧

  • 設備投資に関する請求書、契約書、納品書

  • 賃上げ促進税制に関する給与データ

  • 研究開発費の集計表

  • 補助金や助成金の交付決定通知

  • 特別償却や税額控除を検討している設備の資料

  • 前期の適用額明細書

  • 当期に使いたい租税特別措置のメモ


これらの資料があれば、適用する租税特別措置の洗い出しや、適用額明細書の記載漏れ防止につながります。


実務上のチェックポイント

法人税申告で適用額明細書を作成する際は、次の点を確認しましょう。

  • 法人税関係の租税特別措置を適用しているか

  • 税額または所得金額を減少させる規定を使っているか

  • 中小企業者等の軽減税率を適用しているか

  • 少額減価償却資産の特例を使っているか

  • 賃上げ促進税制や研究開発税制を使っているか

  • 制度ごとの別表や明細書と適用額明細書が一致しているか

  • 対象事業年度に対応する区分番号を使っているか

  • 国税庁の区分番号一覧表を確認しているか

  • 電子申告データに適用額明細書が含まれているか

  • 修正申告や更正の請求で適用額が変わる場合に見直しているか


適用額明細書は、申告書提出時の最終チェック項目です。

提出直前に慌てて確認するのではなく、適用する租税特別措置を洗い出す段階から意識しておきましょう。


まとめ

適用額明細書は、法人税関係の租税特別措置のうち、税額または所得金額を減少させる規定などの適用を受ける場合に、法人税申告書へ添付して提出する書類です。


この制度は、租税特別措置の適用実態を明らかにし、その効果を検証するために設けられました。提出された適用額明細書は、国による租税特別措置の適用実態調査に活用されます。

適用額明細書が必要になる制度は、研究開発税制や賃上げ促進税制のような税額控除だけではありません。


中小企業者等の法人税率の特例、少額減価償却資産の特例、特別償却、準備金の損金算入、所得の特別控除など、所得金額を減少させる制度も対象になることがあります。


特に中小企業では、中小企業者等の軽減税率や40万円未満の少額減価償却資産の特例を使うケースが多いため、適用額明細書の提出漏れに注意が必要です。


作成時には、対象事業年度に対応する国税庁の区分番号一覧表や記載の手引を確認し、制度ごとの別表や明細書と適用額明細書の金額が一致しているかを確認しましょう。


また、e-Taxで提出する場合には、電子申告データに適用額明細書が含まれているかを送信前にチェックすることが大切です。


適用額明細書は、法人税申告書の中では地味な書類に見えるかもしれません。

しかし、租税特別措置を適用する法人にとっては、提出義務のある重要な書類です。

法人税申告で特例や税額控除を使う場合は、適用額明細書の提出要否、区分番号、適用額、添付漏れを必ず確認しましょう。


適用額明細書の作成や租税特別措置の適用判断で迷う場合は、早めに税理士へ相談することをおすすめします。

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