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電子申告義務化への対応
おはようございます!代表の安田です。 2025年7月、国税庁は「大法人等の皆様!!電子申告義務化に対応できていますか?」と題したリーフレットを公開しました。これは、電子申告義務のある法人の一部が、依然として法令に定められた方法で申告を行なっていないという現状を踏まえた注意喚起です。 このタイミングでの公表には、「認識不足」と「誤った提出方法」が依然として多いという背景があります。 よくある誤解とミス リーフレットによれば、義務化対象法人に多く見られるミスは以下のとおりです: 自社が義務化対象であると認識していない PDFや紙で添付書類を提出している(財務諸表・勘定科目内訳明細書・会社事業概況書等) 特に添付書類の電子化漏れは要注意。法律で定められていない形式での提出は、形式不備による税務署からの指摘対象になりかねません。 義務化対象法人とは? リーフレットには、法人区分ごとに義務化対象となるか否かが整理されています(下図参照): 法人区分 資本金1億円超 法人税 消費税 株式会社・相互会社等 対象 ○ ○ 公益法人・協同組合 対象 ○ ○ 通算法
安田 亮
2025年8月18日


少額減価償却資産の特例の誤解しがちなポイント
おはようございます!代表の安田です。 中小企業にとって、固定資産の購入費を早期に経費化できる「少額減価償却資産の特例」は、節税効果が高く非常に使い勝手のよい制度です。しかし、この特例には複雑な適用要件があり、誤った運用をしてしまうケースも少なくありません。 本記事では、最新の制度内容と注意点をわかりやすくご紹介します。 ■ 制度の概要:30万円未満なら一括損金算入OK! 少額減価償却資産の特例とは、取得価額が30万円未満の減価償却資産について、一定の中小企業等が取得した事業年度に全額損金算入できる制度です(年間300万円まで)。 ■ 適用要件①:対象法人に厳格な基準あり 従来は資本金1億円以下であればOKでしたが、現在では以下のように厳格な要件があります。 青色申告法人であること 資本金1億円以下であること 常時使用する従業員数が500人以下(パート・アルバイトも含む) 過去3年間(基準年度)の平均所得金額が15億円超の法人は除外 ※所得金額は「繰越控除後の所得金額」を基に計算されます。欠損金の繰戻還付に使用された欠損金は繰越控除の対象となりませ
安田 亮
2025年8月14日


フリーレントの法人税処理が明確化
おはようございます!代表の安田です。 フリーレントの法人税処理が明確化されました。 ◆ フリーレントとは? 不動産の賃貸借契約において、契約初期の数ヶ月間、賃料が無料となる期間のことを「フリーレント」と言います。主にテナント誘致のためのインセンティブとして用いられますが、この“賃料ゼロ期間”の法人税上の取扱いが長らく明確でなく、税務調査等でトラブルの火種になることもありました。 ◆ 国税庁が通達で明確化 国税庁は令和7年度税制改正に対応し、法人税基本通達を改正。 「フリーレント期間が定められた契約に係る借手の法人税処理」について新たな取扱いを設けました。 ✦ 適用開始 令和7年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。 ◆2つの損金処理方法のうち、どちらを選ぶ? これまで実務では以下2つの考え方がありましたが、今後は課税上の弊害がなければ②の方法も選択可能となります。 処理方法 内容 実務上の扱い ① 支払基準(従来) 賃料の支払があった年度に損金算入 中小企業では主流 ② 按分基準(新設) 賃料総額を賃借期間で按分して各年度に損金算入 新
安田 亮
2025年8月7日


「資産の賃貸借」の範囲
おはようございます!代表の安田です。 新リース会計基準では、実質的にリースに該当する契約も「リース」に含めるとされており、形式にとらわれず契約内容ベースでの判定が求められます。 これを受けて国税庁は、法人税法における「資産の賃貸借」の範囲を明確化した改正通達を公表し、新会計基準上のリースも法人税法上の「資産の賃貸借」に該当するとしました。 「資産の賃貸借」の範囲と法人税法上の区分 ● ファイナンス・リース取引(リース取引) 中途解約禁止とフルペイアウトの両要件を満たすもの。 法人税法第64条の2③に規定 税務上は売買処理を行なう ● オペレーティング・リース取引(賃貸借取引) 「資産の賃貸借」で、上記のファイナンス・リースに該当しないもの 法人税法第53条①に規定 税務上は賃貸借処理を行なう 新リース会計基準における「リースの識別」 契約が「リースを含む」と判断されるのは以下の条件を満たす場合です。 資産が特定されている 資産の使用を支配する権利が対価と交換に一定期間移転する この判断は、契約がリース契約でない場合(例:役務提供契約)でも行なう必
安田 亮
2025年8月5日


新リース会計基準と法人税のズレ
おはようございます!代表の安田です。 オペレーティング・リース取引に係る申告調整の新情報についての記事です。 2024年4月から適用が始まった新リース会計基準。これにより、従来はオフバランス処理されていたオペレーティング・リースも、原則として「資産」として計上されるようになりました。 しかし、ここで一つ問題が……。税務では従来どおり、オペレーティング・リース取引は「賃貸借」として処理するルールが変わっていないのです。 税務と会計の「ズレ」が発生する? 新リース会計基準では、オペレーティング・リースも「資産」として計上し、減価償却や利息相当額を費用として計上します。 一方、法人税のルールでは、あくまで「リース料」を損金算入する処理が継続されます。 これにより、税務と会計で計上する費用の中身が異なり、「税会不一致」が生じるのです。 国税庁が示した対応方法 このズレをどう扱うかについて、国税庁が6月30日付で「オペレーティング・リース取引に係る借手の申告調整について」を公表しました。 掲載場所は以下のとおりです(少し奥深くにあるので注意):...
安田 亮
2025年8月3日


中小企業経営強化税制E類型の2つの報告書
おはようございます!代表の安田です。 中小企業経営強化税制E類型とは、令和7年度税制改正で創設された「中小企業経営強化税制」の一類型で、経営規模拡大設備等への投資を支援する制度です。 対象資産:建物およびその附属設備(1,000万円以上)など 適用主体:売上高10億円超90億円未満の中小企業法人(個人事業主は対象外) 適用要件と注意点 【主な要件】 区分 内容 対象企業 前期売上高10億円超~90億円未満の中小企業(個人事業主除く) 目的 売上高100億円超・年平均10%成長を目指す計画が必要 計画内容 給与支給額を毎年段階的に増加させるロードマップを策定すること 投資利益率 年平均7%以上が見込まれる設備であること 設備基準 新設または増設される建物・附属設備で、生産性向上に資すること 投資金額 認定日から2年以内に1億円以上、または前期売上高の5%以上 【併用不可制度】 中小企業投資促進税制(措法42の6) 少額減価償却資産の特例(措法67の5) 必要な手続・書類(2種) 以下の2つの報告書の提出が義務付けられています。 ① 実施状況報告書(
安田 亮
2025年8月1日


全税目でオンライン調査を本格導入へ
おはようございます!代表の安田です。 2025年7月、国税庁より発表された新たな取り組みとして、令和7年(2025年)9月から全税目・法人個人を対象としたオンライン税務調査がスタートします。 従来の「電話・対面・郵送」をベースにした調査から一転、メール、WEB会議、クラウドストレージを駆使したデジタル調査(オンライン調査)が段階的に導入される予定です。 導入の背景と概要 この新たなオンライン調査は、政府共通の業務環境「ガバメントソリューションサービス(GSS)」の導入に伴うもので、まずは金沢国税局と福岡国税局管内からスタートし、順次全国に展開されます【参考:図】 オンライン調査の対象 以下のすべての税目が対象になります。 法人税・消費税・源泉所得税・個人所得税 相続税・贈与税などの資産税 つまり、すべての納税者(法人・個人問わず)が、将来的にオンライン調査の対象となるということです。 具体的な調査方法 今回のオンライン調査は、以下の3つの方法を中心に構成されます。 1. インターネットメールによる連絡 調査官からの資料依頼や質問は、登録済みのメー
安田 亮
2025年7月29日


棚卸資産の評価方法を変更するには
おはようございます!代表の安田です。 暗号資産を含む棚卸資産の会計・税務処理において、評価方法(移動平均法または総平均法)の選択は、企業の損益計算や税額に直接影響する重要な判断です。 ただし、いったん選択した評価方法を変更するには、原則として「相当期間」が経過していることが求められます。本記事では、評価方法の変更に関する実務ポイントを整理します。 ■暗号資産の譲渡原価にも評価方法の選択が必要 法人が暗号資産を保有・譲渡する場合、その譲渡原価(売却原価)の算定にあたっては、「棚卸資産の評価方法に準じる」必要があります。 適用できる評価方法は、次のいずれかです: 移動平均法(法定評価方法) 総平均法(申請により選択可) 【注記】評価方法を選択せずに届け出を怠った場合、自動的に「移動平均法」が適用されます。 ■評価方法の変更には「相当期間」が必要 現在採用している評価方法を変更するには、原則として次の条件が求められます: 「相当期間」=3年以上の継続使用 所轄税務署長への「変更承認申請書」の提出 新しい評価方法を適用する事業年度の開始日の前日までに提出
安田 亮
2025年7月27日


M&Aに関する記事を監修させていただきました
おはようございます!代表の安田です。 fundbook様のM&Aに関する記事を監修させていただきました。 「M&Aの減税措置とは?中小企業が受けられる控除内容や2024年度税制改正を解説」 https://fundbook.co.jp/column/understanding-ma/tax-reduction-in-ma/ M&Aに関連する減税措置・優遇措置など、読みごたえのある記事となっております。 M&A実務に携わる方はぜひ一度読んでみてください。
安田 亮
2025年7月26日


電子取引データのタイムスタンプ
おはようございます!代表の安田です。 2024年の電子帳簿保存法改正により、電子取引データの保存要件が強化されています。 特に注目されているのが、「改ざん防止措置」としてのタイムスタンプの付与です。 しかし、取引先からワードやエクセル形式で送られてくる請求書等に直接タイムスタンプが付けられない場合、どのように対応すべきか悩まれている企業も多いのではないでしょうか。 今回の記事では、この点に関する現実的な解決策を紹介します。 ■電子取引データの保存義務とは? 電子取引とは、メールやEDIなどで請求書・見積書などの取引情報を授受することを指します。電子帳簿保存法第7条により、これらのデータは「電子データのまま保存」する義務があります。 この際、満たすべき保存要件には次のいずれかが必要です タイムスタンプの付与 改ざん防止措置(ログ管理など) 真実性・可視性確保のための検索機能など ■タイムスタンプが付けられない場合の代替策 では、ワード形式で受領したファイルに「編集制限」がかかっており、タイムスタンプを直接付与できない場合はどうすればいいのでしょうか
安田 亮
2025年7月15日


防衛特別法人税の申告期限は法人税と連動
おはようございます!代表の安田です。 2024年の税制改正で創設された「防衛特別法人税」。すでに2025年4月には申告書様式の概要も国税庁から公表され、本格的な運用が目前に迫っています。 今回は「防衛特別法人税の確定申告書の提出期限」についてご紹介します。 ■原則の申告期限は「事業年度終了日の翌日から2か月以内」 防衛特別法人税の確定申告は、原則として法人税と同様、「事業年度終了日の翌日から2か月以内」に所轄税務署に提出する必要があります。 たとえば、3月決算の法人であれば、申告期限は5月末日となります。 ■法人税の申告期限延長がある場合は、防衛法人税も延長される 法人税の確定申告書の提出期限が延長されている場合、防衛特別法人税の提出期限も自動的に延長されるという点です(防確法25④)。 つまり、法人税で申請済の「延長の特例(法人税法第75条)」を活用していれば、個別に防衛特別法人税についての延長申請を行う必要はありません。 ■対象となる法人:収益事業のない公益法人等を除き、すべての法人が対象 申告義務は基本的にすべての法人に生じます。ただし、収
安田 亮
2025年6月29日


税務調査時の預貯金等のオンライン照会
おはようございます!代表の安田です。 国税当局による税務調査の現場では、預貯金・保険・証券等の情報取得が“オンライン”で行われる時代に突入しています。かつては金融機関への照会に数週間かかっていたものが、今やわずか数日で情報取得可能となり、税務調査の迅速化が著しく進んでいます。 2024年度のオンライン照会件数はついに835万件に達し、金融機関だけでなく、生命保険会社や証券会社にも拡大されつつあります。 ■急増する「オンライン照会」の現状とは? 年度 照会件数 令和3年度(導入初年) 約28万件 令和4年度 約263万件 令和5年度 約588万件 令和6年度 約835万件 ←3年間で約30倍! 2021年(令和3年)に開始されたこの制度ですが、対応金融機関の数は当初の37行から令和6年度末には431行にまで拡大。国内の銀行の7割以上が対象となっており、メガバンクはもちろん、地銀、信用金庫、インターネット銀行まで幅広く含まれています。 ■保険会社・証券会社にも拡大中 令和4年度から生命保険会社の契約情報もオンライン照会対応(現在6社)...
安田 亮
2025年6月27日


経営強化税制E類型
おはようございます!代表の安田です。 令和7年度税制改正により、「中小企業経営強化税制」の対象が拡大され、建物も対象資産となる“E類型”が創設されました。 しかしながら、このE類型には他の類型と異なる重要なルールがあります。それが、「確認書の申請前に建物を着工すると、税制の適用が受けられなくなる」という点です。 ■ E類型とは?──建物も税制対象に 従来の経営強化税制では、対象設備は主に「機械装置」や「器具備品」でしたが、新設されたE類型では、以下の設備も対象となります: 建物(附属設備含む、取得価額1,000万円以上) 機械装置、器具備品 など ただし、建物単体のみでは適用不可で、対象となる設備(例:機械装置等)とセットで導入し、かつ建物内で事業供用する必要があります。 ■ 最大の注意点:「確認書申請前の着工」はアウト! 税制の適用を受けるには、次の手順が厳格に決められています: 経済産業局への確認書を申請 上記申請後に建物を着工 確認書を取得 経営力向上計画を申請・認定 設備(建物+機械装置等)を取得 事業供用開始 📌 建物の着工は、必ず「
安田 亮
2025年6月18日


税務CGの対象が拡大
おはようございます!代表の安田です。 国税庁はこれまで、資本金40億円以上の大企業(いわゆる「特官所掌法人」)に限定して実施していた税務に関するコーポレートガバナンス(税務CG)強化の取組を、今後は資本金1億円以上の「一般調査部門所掌法人」にも広げる方針を示しました。 この動きにより、全国の中堅企業約35,000社も対象となる可能性があり、税務対応の質が今まで以上に問われるようになります。 ■税務CGとは?なぜ今注目されているのか 「税務CG(コーポレートガバナンス)」とは、企業が税務コンプライアンスをどのように確保しているかを、国税当局が評価・対話・助言を通じて確認する制度です。 主な実施内容は以下の通りです: 税務ガバナンス確認表の作成・提出 確認表内容の確認 税務CGの評価・判定 結果の説明と意見交換 トップマネジメントとの面談 この評価により、税務リスクの程度に応じて次回調査までの期間や調査体制の判断に活用され、良好な評価を得た企業は税務調査の負担軽減などのメリットを享受できます。 ■今後の拡大対象:「資本金1億円以上」の法人へ これまで
安田 亮
2025年6月9日


賃上げ税制と助成金の関係
おはようございます!代表の安田です。 賃上げを行なった企業への支援措置として導入されている「賃上げ促進税制」。 その適用において、給与に充てられる助成金の取扱いには注意が必要です。特に、助成金の入金が翌期になるケースでも、適用判断は「支給決定日」を基準に行なわれる点は見落とされがちです。 本記事では、助成金の補填額としての扱いと賃上げ税制上の控除判断について解説します。 ■助成金が補填額になる条件とは? 賃上げ促進税制において、給与等の支給額から控除しなければならない「補填額」とは、他者(例:国や地方公共団体)から給与の支払いに充てる目的で支給される金額を指します。具体例としては以下のような助成金が該当します: 出向元法人から出向先法人への給与負担金 キャリアアップ助成金 トライアル雇用助成金 人材確保等支援助成金 など これらは、原則として支給が「決定された日」を基準に、給与支給額から控除する補填額として扱います。 ■支給決定日と入金日がズレていても「決定日」で処理 たとえば、3月決算法人が3月25日に助成金の支給決定を受け、実際の入金が4月1
安田 亮
2025年6月8日


オペレーティング・リースの税務処理は「賃貸借」方式に
おはようございます!代表の安田です。 2025年4月1日、令和7年度税制改正法の一部が施行され、リース取引に関する税務上の取扱いが見直されました。特に注目されるのが、オペレーティング・リース(以下「OL」)の費用処理についての明確化です。 会計上は新リース会計基準により、すべてのリースに使用権資産・リース負債を計上する形に統一されましたが、税務上は従来どおり賃貸借処理が原則とされ、税務と会計の不一致が生じる場面が今後増加する見込みです。 ■オペレーティング・リースは「賃貸借」として損金処理 改正後の法人税法53条により、OLに該当する契約については、企業が支払うリース料のうち、各事業年度に債務が確定した金額を、その確定日の属する年度の損金として処理することが明文化されました。 このため、会計処理上は減価償却費や利息相当額を計上する一方で、税務上は発生主義に基づいたリース料相当額の損金算入となり、会計と税務の差異が発生することとなります。 ■その他のリース税制改正ポイント 本改正ではOLに限らず、リース取引全般に関する制度も改正されています。...
安田 亮
2025年6月2日


LED照明の導入は「修繕費」か「資本的支出」か
おはようございます!代表の安田です。 この記事では、蛍光灯からLEDへの切替えに関する修繕費と資本的支出の判定について解説いたします。 ■背景:蛍光灯の段階的廃止とLED化の進展 2023年秋に開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)」において、一般照明用の蛍光ランプについて、2027年末までに製造・輸出入の段階的廃止が合意されました。これにより、今後、蛍光灯からLED照明への切替えが一層進むことが見込まれます。 ■LED照明への取り替えと税務上の取扱い 工事を伴わない「蛍光灯型LEDランプ」への取替え 建物の天井に設置された照明設備について、工事を伴わず、蛍光灯から蛍光灯型のLEDランプに取り替える場合には、その支出は税務上「修繕費」として処理することが可能です。 この点については、国税庁の質疑応答事例でも、LEDランプが照明設備を構成する一部品であるとの位置づけが明示されており、部品の性能向上は建物附属設備の価値向上に直結しないとされています。 工事を伴うLED照明への更新 一方で、LEDランプの導入に伴って照明設備自体の
安田 亮
2025年5月20日


役員報酬の「自主返納」はOK?――定期同額給与との関係
おはようございます!代表の安田です。 物価高やトランプ関税などの影響を受け、企業経営に大きな影響が出てきております。 経営層自らが報酬を返納し、会社の財務状況の立て直しに貢献するケースも考えられます。 ここで気になるのが、役員報酬の返納が税務上どう扱われるのか?という点です。特に「定期同額給与」の制度との関係を正しく理解しておくことが大切です。 ■定期同額給与とは?その基本 「定期同額給与」とは、法人税法上、損金算入が認められる役員報酬の形の一つで、原則として1ヵ月以内の一定の間隔で、かつ金額が毎回同じである給与をいいます。 もし期中に給与の金額を変更したい場合は、以下のいずれかの要件を満たす必要があります: 期首から3ヵ月以内に行われる定時改定 臨時的なやむを得ない事情による改定(臨時改定) 業績悪化による改定 これらに該当しない減額や増額は、損金算入が認められなくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。 ■返納という手段もある 上記のような正規の改定に該当しない場合でも、「返納」という選択肢があります。これは、いったん支給された役員報
安田 亮
2025年5月10日


「防衛特別法人税」納付ゼロでも全法人に申告義務
おはようございます!代表の安田です。 令和7年度税制改正により、「防衛特別法人税」が新たに導入されることとなりました。この税制は、法人の規模にかかわらず、すべての法人に申告義務が生じる点が大きな特徴です。 今回は、防衛特別法人税の概要と、実務上注意すべきポイントについてご紹介します。 ■防衛特別法人税の概要 防衛特別法人税は、法人の基準法人税額(所得税額控除前の法人税額)をベースに算定される特別税で、次のような仕組みになっています: 基準法人税額から基礎控除額500万円を差し引いた金額を課税標準とする 課税標準に対して税率4%を乗じて税額を算出 令和8年4月1日以降に開始する各事業年度から適用 ここでいう「基準法人税額」とは、所得税額控除や外国税額控除を適用する前の法人税額を指します。 ■納付がない法人でも「申告義務あり」 中小企業など、基準法人税額が500万円以下の法人については、結果として防衛特別法人税の納付額がゼロとなる場合が多いと想定されます。 しかし、納付額がゼロであっても、防衛特別法人税の申告書提出は必要です。いわゆる「ゼロ申告」が
安田 亮
2025年5月8日


新リース会計基準での貸手の処理
おはようございます!代表の安田です。 令和9年度(2027年度)から、新しいリース会計基準が強制適用されることとなりました。これにより、特に「貸手側」の会計処理に重要な変更が生じることになります。 今回は、新リース会計基準における貸手の会計処理について、押さえておくべきポイントをわかりやすく整理します。 ■貸手の「第2法」は廃止へ 従来のリース会計基準では、貸手側のファイナンス・リース(FL)取引について「第2法」と呼ばれる処理方法が認められていました。この方法では、リース料の受取時に売上高と売上原価を計上し、実質的には「延払基準(割賦基準)」に沿った収益認識が行われていました。 しかし、新リース会計基準では、この第2法が廃止されることになりました。これにより、リース料全額を売上として計上する処理は認められなくなります。 ■新基準における貸手の処理方法 新リース会計基準では、貸手のファイナンス・リースについて、以下の処理が求められます。 リース開始日に、原資産の現金購入価額でリース投資資産を計上 その後、利息相当額のみを各期に配分して収益計上.
安田 亮
2025年5月2日
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