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令和9年分から「給与+年金」の控除合計に上限

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 3月13日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月27日

おはようございます!代表の安田です。


令和8年度税制改正大綱では、給与等と公的年金等の両方の収入がある人について、給与所得控除と公的年金等控除の合計額に上限を設ける方針が示されました。


現行は給与所得控除と公的年金等控除を両方使えるため、給与だけの人と比べて税負担が軽くなり得る点が公平性の観点から問題視されていました。


本日は、改正内容のポイントと、対象になりやすい人、実務での注意点を税理士が解説します。


1. 何が変わる?控除の合計上限は280万円

改正後は、給与所得控除額と公的年金等控除額の合計額に上限が設けられ、上限は280万円となる予定です。適用は令和9年分の所得税からとされています。


2. 背景 在職老齢年金の見直しで「給与+年金」の手取りが増えやすくなる

65歳以上になると老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給でき、所得税法上は公的年金等として雑所得に該当します。給与等と公的年金等の両方がある場合、給与所得控除と公的年金等控除の適用を受けられます。


さらに、年金制度改革法により令和8年4月から在職老齢年金制度の基準額が月65万円(改正前は月51万円)に引き上げられます。基準額引上げにより、働きながら年金を受ける人の手取りが増加しやすくなるため、税負担の公平性の問題がより顕在化するとの指摘があり、今回の控除上限制が導入される流れです。


3. 仕組み 上限超過分は「公的年金等控除」から減額する

合計上限280万円を超える場合、超過分は公的年金等控除額から減額されます。給与所得控除額そのものは減額対象外とされています。

実務的には、給与所得控除の計算は従来どおりで、公的年金控除側を調整して合計280万円に合わせるイメージです。


4. 具体例:給与900万円+年金200万円のケース

例)

65歳以上で給与等900万円、公的年金等200万円(公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が1,000万円以下)の場合


改正前:給与所得控除195万円、公的年金等控除110万円の合計305万円

改正後:合計上限が280万円のため、超過分25万円(305万円-280万円)を公的年金等控除から減額 → 給与所得控除195万円、公的年金等控除85万円の合計280万円


このように、上限超過がある場合は年金控除が減るため、課税所得が増え、所得税が増える方向になります。


5. どんな人が影響を受けやすいか

影響が出やすいのは、次のような人です。

  • 65歳以上で在職し、給与と年金の両方を受け取っている

  • 給与所得控除が大きい水準の給与収入がある・年金収入も一定額ある


反対に、給与や年金が小さく、控除合計が280万円以内に収まる場合は影響が出ません。


6. 実務での注意点 年末調整だけで完結しないケースも

給与と年金の両方がある人は、年金側でも源泉徴収が行なわれている一方、給与側の年末調整では年金収入を完全に取り込めないケースがあります。控除上限制の影響で最終税額が変わる場合、確定申告で精算が必要になることがあります。


特に、年金収入が増える人や、年末に退職・再就職がある人は、早めに概算税額を把握しておくと安心です。


まとめ 令和9年分から「給与+年金」は控除合計280万円が上限に

令和9年分の所得税から、給与所得控除と公的年金等控除の合計額に280万円の上限が設けられ、上限超過分は公的年金等控除から減額される予定です。


働きながら年金を受け取る人は、在職老齢年金の基準額引上げで手取りが増える一方、税務上は控除上限制により課税所得が増える可能性があります。給与と年金の両方がある場合は、改正の影響を試算し、必要に応じて確定申告で調整することが大切です。


神戸での起業や開業に関するご相談、確定申告にお困りの方、顧問税理士をお探しの方は安田亮公認会計士・税理士事務所までお問い合わせください!


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【この記事の執筆者】

安田 亮(公認会計士・税理士)

安田亮公認会計士・税理士事務所 代表

京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。

現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。

事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。


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