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法人税申告で誤りが多い10事例とは?申告書確認表を使った自主点検のポイントを税理士が解説

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 7月21日
  • 読了時間: 18分

更新日:7月28日

こんにちは!代表の安田です。


法人税申告書は、別表の数が多く、制度ごとに細かな記載ルールがあります。

特に、外国税額控除、受取配当等の益金不算入、租税公課、役員給与、減価償却、研究開発税制などは、計算や転記の誤りが起こりやすい項目です。


申告書を提出した後に誤りが見つかると、修正申告や更正の請求が必要になることがあります。また、税務署から照会を受けたり、税務調査で指摘されたりする可能性もあります。


国税庁は、調査課所管法人における法人税申告書の申告内容について、誤りが多い事例を公表しています。


調査課所管法人とは、一般に規模の大きい法人が中心ですが、公表された誤りの内容は、大法人だけでなく、中堅企業や中小企業の申告実務でも参考になります。


本日は、国税庁が公表した法人税申告書の誤りが多い10事例をもとに、決算・申告時に確認したいポイントを解説します。


国税庁が公表した「申告内容の誤りが多い事例」とは

国税庁は、調査課所管法人における法人税申告書について、申告内容の誤りが多い事例を公表しています。これは、令和3事務年度に実地調査以外で把握された申告誤りを集計し、その状況を取りまとめたものです。


集計対象となった法人は約350法人で、そのうち約6割の法人において、何らかの申告誤りが確認されたとされています。


誤りが多い項目は、法人税申告書の別表や内訳書に関するものです。

たとえば、外国税額控除、法人税額・地方法人税額、別表四・別表五(一)、受取配当等の益金不算入、租税公課、役員給与、減価償却、留保金課税、各種税額控除などが挙げられています。


申告内容の誤りは、税額に直接影響するものもあれば、別表間の整合性や記載内容の不備に関するものもあります。


いずれにしても、申告書提出前の自主点検で防げるものが少なくありません。


誤りが多い10事例

国税庁が公表した調査課所管法人における法人税申告書の申告内容の誤りが多い10事例は、次のとおりです。

  1. 外国税額の控除等に関する誤り

  2. 法人税額及び地方法人税額の計算に関する誤り

  3. 所得金額の計算、利益積立金額等の計算に関する誤り

  4. 受取配当等の益金不算入に関する誤り

  5. 租税公課の納付状況等に関する誤り

  6. 役員給与等に関する誤り

  7. 減価償却資産の償却額の計算に関する誤り

  8. 特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する誤り

  9. その他の法人税額の特別控除に関する誤り

  10. 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除に関する誤り


これらは、いずれも法人税申告で頻繁に確認する項目です。


特に、別表六、別表八、別表十六などは、制度の適用要件や記載方法を誤ると、税額控除や益金不算入額に影響します。


申告書を作成する際は、単に税務ソフトの計算結果を確認するだけでなく、元資料との照合、別表間の整合性、適用要件の確認を行うことが大切です。


1.外国税額控除等に関する誤り

最も誤りが多い事例として挙げられているのが、外国税額控除等に関する誤りです。

外国税額控除は、国外源泉所得に対して外国で課された税額について、一定の範囲で日本の法人税額から控除する制度です。


海外取引、海外子会社からの配当、海外支店、海外源泉税などがある法人では重要な制度です。


しかし、計算項目が多く、誤りが起こりやすい分野でもあります。

たとえば次のような誤りが考えられます。

  • 別表六(二)の「その他の国外源泉所得に係る当期利益又は当期欠損の額」欄の金額が、税引後の金額になっていなかった

  • 外国法人税に該当しない税を記載していた


外国税額控除では、控除対象となる外国法人税かどうか、国外源泉所得の金額、控除限度額、繰越控除余裕額・繰越控除限度超過額などを確認する必要があります。


特に、海外で支払った税金であっても、すべてが外国税額控除の対象になるわけではありません。現地の罰金、延滞税、付加税、手数料、法人税に該当しない税などは、外国法人税として扱えない場合があります。


外国税額控除で確認したいポイント

外国税額控除を適用する法人は、次の点を確認しましょう。

  • 控除対象となる外国法人税か

  • 外国法人税に該当しない税を含めていないか

  • 国外源泉所得の金額を正しく計算しているか

  • 税引前、税引後の金額を取り違えていないか

  • 外国税額控除限度額を正しく計算しているか

  • 国外所得に対応する費用を控除しているか

  • 外国税額の納付日、納付国、通貨、円換算額を確認しているか

  • 別表六(二)等の記載と元資料が一致しているか


海外取引がある法人では、経理部門だけでなく、海外子会社、現地税理士、国際税務担当者との情報共有が必要です。


外国税額控除は、資料が不足していると正確な申告が難しくなります。

現地の納税証明書、源泉徴収票、配当通知、租税条約の適用関係などを早めに整理しておきましょう。


2.法人税額及び地方法人税額の計算に関する誤り

法人税額及び地方法人税額の計算に関する誤りも多く確認されています。


法人税申告書では、別表一や同次葉で、課税所得金額、法人税額、税額控除、加算税額、地方法人税額などを計算します。税務ソフトを使っていても、入力情報や別表連動が誤っていると、税額計算に誤りが生じることがあります。


たとえば、次のような点に注意が必要です。

  • 税率区分の誤り

  • 中小法人の軽減税率の適用誤り

  • 特別控除額の転記漏れ

  • 地方法人税額の計算誤り

  • 所得金額や税額控除額の別表間連動ミス

  • 修正申告や更正後の金額を前提とする場合の入力誤り


法人税額そのものに関する誤りは、納付税額に直結します。

申告書提出前には、別表一だけでなく、別表四、別表六、別表七、別表八など関連する別表との整合性を確認しましょう。


3.別表四・別表五(一)に関する誤り

所得金額の計算や利益積立金額等の計算に関する誤りも多い項目です。

法人税申告では、会計上の利益から税務上の所得金額を計算するために、別表四で加算・減算を行ないます。


また、別表五(一)では、利益積立金額や資本金等の額を管理します。

この2つの別表は、法人税申告書の中心といえる存在です。

よくある誤りとしては、次のようなものがあります。

  • 別表四の加算・減算項目の漏れ

  • 留保・社外流出の区分誤り

  • 別表五(一)への転記誤り

  • 前期末残高と当期首残高の不一致

  • 税効果会計や引当金に関する調整漏れ

  • 過年度修正や更正処分後の調整漏れ

  • 利益積立金額の増減処理の誤り


別表四と別表五(一)は、当期だけでなく翌期以降にも影響します。

一度誤ると、翌期以降も残高がズレ続けることがあるため、毎期の残高確認が重要です。


別表四・別表五(一)の自主点検ポイント

別表四・別表五(一)では、次の点を確認しましょう。

  • 会計上の当期純利益から正しくスタートしているか

  • 法人税上の加算項目、減算項目を漏れなく反映しているか

  • 留保項目と社外流出項目を正しく区分しているか

  • 別表四の留保項目が別表五(一)に正しく反映されているか

  • 前期申告書の期末残高と当期申告書の期首残高が一致しているか

  • 修正申告、更正、過年度修正がある場合に調整しているか

  • 別表五(二)との整合性が取れているか


別表四・五(一)は、税務ソフトに任せきりにせず、前期申告書との比較表を作ると誤りを見つけやすくなります。特に、会計上の修正仕訳や税務調整項目が多い法人では、調整一覧表を作成しておくことをおすすめします。


4.受取配当等の益金不算入に関する誤り

受取配当等の益金不算入制度は、法人が受け取った配当等について、一定額を益金に算入しない制度です。


国内法人からの配当、関連法人株式等、完全子法人株式等、非支配目的株式等など、株式の保有割合や保有期間に応じて取扱いが異なります。


受取配当等の益金不算入に関する誤りとして、「非支配目的株式等の受取配当等の額」欄に、非支配目的株式等に係る配当等の額に該当しないものを含めていた例があります。

受取配当等の益金不算入では、配当の種類と株式区分の判定が重要です。

特に、次のような点に注意が必要です。

  • 完全子法人株式等か、関連法人株式等か、非支配目的株式等か、その他株式等か

  • 短期保有株式等に該当しないか

  • 負債利子控除が必要か

  • 外国子会社配当益金不算入制度との混同がないか

  • みなし配当の処理が適切か


株式の保有割合や保有期間の判定を誤ると、益金不算入額が変わります。

配当通知だけでなく、株主名簿、保有株式一覧、取得日、保有割合、議決権割合などを確認しましょう。


5.租税公課の納付状況等に関する誤り

租税公課の納付状況等に関する誤りは、別表五(二)で問題になりやすい項目です。

別表五(二)では、法人税、地方法人税、住民税、事業税、事業所税、その他の租税公課について、納付状況や未納額を整理します。

よくある誤りとしては、次のようなものがあります。

  • 未納法人税等の記載漏れ

  • 中間納付額の転記誤り

  • 事業税の損金算入時期の誤り

  • 損金不算入となる法人税、住民税を損金算入している

  • 還付税額の処理誤り

  • 別表四、別表五(一)との整合性不一致


租税公課は、税目によって損金算入時期や税務調整の方法が異なります。

法人税や住民税は損金不算入ですが、事業税は原則として損金算入されます。

納付書、申告書控え、会計仕訳、別表五(二)を照合し、税目ごとの処理を確認しましょう。


6.役員給与等に関する誤り

役員給与は、法人税で誤りが起こりやすい代表的な項目です。

役員に対する給与は、原則として損金不算入ですが、一定の要件を満たすものについては損金算入が認められます。代表的なものは次のとおりです。

  • 定期同額給与

  • 事前確定届出給与

  • 業績連動給与


これらの要件を満たしていない役員給与は、損金不算入となる可能性があります。

役員給与等の内訳書では、役員ごとの役職、氏名、給与額、賞与、退職給与などを記載します。誤りやすい点としては、次のようなものがあります。

  • 定期同額給与の改定時期を誤っている

  • 期中に不規則な増減がある

  • 事前確定届出給与の届出額

  • 支給日・支給額が一致していない

  • 事前に届け出ていない役員賞与を損金算入している

  • 使用人兼務役員の使用人分給与の区分が不明確

  • 役員退職給与の過大額判定をしていない

  • 内訳書の記載と総勘定元帳が一致していない


役員給与は、金額が大きくなりやすく、税務調査でも確認されやすい項目です。

株主総会議事録、取締役会議事録、事前確定届出給与の届出書、給与台帳を保存し、内訳書との整合性を確認しましょう。


7.減価償却資産の償却額に関する誤り

減価償却資産の償却額に関する誤りも、法人税申告で多い項目です。

別表十六(一)などでは、資産ごとに取得価額、耐用年数、償却方法、償却限度額、当期償却額などを記載します。誤りが起こりやすい点は次のとおりです。

  • 耐用年数の誤り

  • 償却方法の誤り

  • 取得価額に含めるべき付随費用の漏れ

  • 資本的支出と修繕費の区分誤り

  • 事業供用日の判定誤り

  • 少額減価償却資産、一括償却資産の処理誤り

  • 特別償却、税額控除との重複適用誤り

  • 除却・売却済み資産が台帳に残っている


減価償却は、会計ソフトや固定資産管理システムで自動計算されることが多いですが、元となる取得価額、耐用年数、事業供用日が誤っていれば、償却額も誤ります。


固定資産台帳と現物、請求書、契約書、稟議書、除却資料を照合することが大切です。


8.特定同族会社の留保金課税に関する誤り

特定同族会社に該当する法人では、留保金課税の判定が必要になることがあります。

留保金課税とは、特定同族会社が一定額を超えて所得を社内に留保した場合に、通常の法人税に加えて特別な税額が課される制度です。

別表三(一)で計算します。

誤りやすい点としては、次のようなものがあります。

  • 特定同族会社に該当するかの判定漏れ

  • 株主グループの判定誤り

  • 留保所得金額の計算誤り

  • 留保控除額の計算誤り

  • 中小法人に係る適用除外の確認漏れ

  • 別表三(一)の添付漏れ


同族会社判定は、単純な持株割合だけでなく、同族関係者の範囲や議決権割合を確認する必要があります。株主構成が変わった場合、グループ内再編があった場合、増資・自己株式取得があった場合には、特に注意しましょう。


9.その他の法人税額の特別控除に関する誤り

法人税額の特別控除には、研究開発税制以外にも、さまざまな制度があります。

たとえば、賃上げ促進税制、設備投資促進税制、地域未来投資促進税制、DX投資促進税制などです。


これらの制度は、適用要件が細かく、別表六関係の明細書や適用額明細書の記載が必要になることがあります。誤りやすい点は次のとおりです。

  • 対象法人の判定誤り

  • 中小企業者等に該当しない法人が中小企業向け制度を適用している

  • 対象設備の判定誤り

  • 取得日、事業供用日の確認漏れ

  • 税額控除限度額の計算誤り

  • 他制度との重複適用誤り

  • 当初申告要件のある明細書の添付漏れ

  • 適用額明細書の記載漏れ


特別控除は、税額を直接減らせるため効果が大きい一方、要件を満たしていなければ否認リスクも高くなります。制度ごとに対象法人、対象資産、対象期間、申告要件を確認しましょう。


10.研究開発税制に関する誤り

試験研究を行なった場合の法人税額の特別控除、いわゆる研究開発税制に関する誤りも挙げられています。

研究開発税制では、試験研究費の額に一定割合を乗じた金額を法人税額から控除できます。

ただし、対象となる試験研究費の範囲を誤ると、控除額が過大または過少になります。

誤りやすい点は次のとおりです。

  • 試験研究費に該当しない費用を含めている

  • 人件費の対象者や従事割合の集計誤り

  • 外注費や委託研究費の取扱い誤り

  • 補助金等を受けた場合の控除漏れ

  • 控除率や控除限度額の計算誤り

  • 中小企業技術基盤強化税制の対象法人判定誤り

  • 大企業の不適用措置の確認漏れ・別表六関係の添付漏れ


研究開発税制は、研究開発部門と経理部門の連携が欠かせません。

研究テーマごとの費用集計、対象外費用の除外、補助金の有無、税額控除限度額を確認し、申告書に正しく反映しましょう。


申告書確認表を活用する

国税庁は、法人税申告書の誤りを未然に防止するため、申告書確認表の活用を案内しています。申告書確認表は、申告書提出前に、誤りやすい項目を自主点検するためのチェックツールです。申告書確認表を使うことで、次のような確認がしやすくなります。

  • 別表間の整合性

  • 金額の転記漏れ

  • 適用要件の確認漏れ

  • 添付書類の不足

  • 税額控除や益金不算入の計算誤り

  • 前期申告書との残高不一致


特に、決算・申告作業では、担当者が税務ソフトに入力した後、別の担当者や責任者が確認表に沿ってレビューする体制が有効です。

申告書確認表は、税務調査対策というよりも、提出前の品質管理ツールとして活用するとよいでしょう。


中小企業にも参考になる理由

今回公表された事例は、調査課所管法人、つまり比較的大規模な法人を対象としたものです。しかし、誤りの内容自体は中小企業にも関係します。

たとえば、次のような項目は中小企業でもよく問題になります。

  • 別表四、別表五(一)の調整漏れ

  • 租税公課の損金算入時期

  • 役員給与の損金算入要件

  • 減価償却費の計算

  • 受取配当等の益金不算入

  • 賃上げ促進税制などの税額控除

  • 研究開発税制の適用要件


中小企業では、経理担当者が少人数で決算・申告資料を準備していることも多く、チェック体制が十分でない場合があります。

そのため、大法人向けに公表された事例であっても、申告書提出前のセルフチェックに活用する価値があります。


決算前から確認しておきたい項目

法人税申告の誤りを防ぐには、申告書作成時だけでなく、決算前から確認しておくことが大切です。特に、次の項目は早めに資料を集めましょう。

  • 海外取引、海外税額、国外源泉所得

  • 受取配当、株式保有割合、保有期間

  • 役員給与の改定時期、議事録、届出書

  • 固定資産の取得、除却、耐用年数

  • 租税公課の納付状況・税額控除の対象となる設備投資や賃上げ

  • 研究開発費の集計資料

  • 同族会社判定に必要な株主情報


決算後に初めて資料を集めると、申告期限までに確認が間に合わないことがあります。

特に、外国税額控除や研究開発税制は、社内外の複数部門から資料を集める必要があるため、早めの準備が重要です。


申告書レビューの実務ポイント

申告書を提出する前には、次のような流れでレビューすると効果的です。


  1. 前期申告書と当期申告書を比較する

    大きく変動している項目があれば、その理由を確認します。


  2. 会計資料と申告書別表を照合する

    総勘定元帳、固定資産台帳、税金計算資料、配当明細、海外税額資料などと、申告書の記載内容が一致しているかを確認します。


  3. 別表間の整合性を確認する

    別表四の留保項目が別表五(一)に反映されているか、別表五(二)の未納税額が別表五(一)と整合しているか、税額控除額が別表一に反映されているかなどを見ます。


  4. 申告書確認表を使って、誤りやすい項目をチェックする

    チェック結果を保存しておけば、翌期以降の申告作業や税務調査時の説明にも役立ちます。


税務ソフト任せにしない

法人税申告では、税務ソフトが多くの計算を自動で行なってくれます。

しかし、税務ソフトに入力する前提条件や元データが誤っていれば、申告書も誤ります。

たとえば、外国税額控除の対象外となる税を入力してしまえば、ソフトはその前提で計算します。


受取配当の株式区分を誤れば、益金不算入額も誤ります。

役員給与の損金不算入額を入力しなければ、別表四にも反映されません。

税務ソフトは便利ですが、制度の適用要件を判断してくれるわけではありません。

最終的には、税務担当者や税理士が、制度の要件、元資料、別表の整合性を確認する必要があります。


よくある誤解

法人税申告書の自主点検について、実務上よくある誤解を整理します。


  • 税務ソフトでエラーが出なければ正しい

税務ソフトのエラーチェックは、形式的な不備や明らかな計算不整合を見つけるには有効です。しかし、適用要件の誤りや、元資料の誤りまでは必ずしも検出できません。


  • 大法人向けの事例だから中小企業には関係ない

今回の誤り事例には、役員給与、減価償却、租税公課、別表四・五(一)など、中小企業でも頻繁に問題になる項目が含まれています。


  • 前年と同じ処理だから問題ない

税制改正、会社の取引内容の変化、株主構成の変化、設備投資、海外取引の開始などにより、前年と同じ処理が正しいとは限りません。


実務上のチェックポイント

法人税申告書の誤りを防ぐため、次の点を確認しましょう。

  • 国税庁の申告内容の誤りが多い事例を確認しているか

  • 申告書確認表を使って自主点検しているか

  • 外国税額控除の対象税額と国外源泉所得を確認しているか

  • 別表一、別表四、別表五(一)、別表五(二)の整合性を確認しているか

  • 受取配当等の株式区分を正しく判定しているか

  • 租税公課の損金算入

  • 不算入を区分しているか

  • 役員給与の損金算入要件を確認しているか

  • 減価償却資産の取得価額、耐用年数、事業供用日を確認しているか

  • 留保金課税の対象法人か確認しているか

  • 税額控除制度の適用要件と添付書類を確認しているか

  • 研究開発税制の対象費用と控除限度額を確認しているか

  • 前期申告書との残高連続性を確認しているか


法人税申告は、申告期限に追われると、細かい確認が後回しになりがちです。

チェックリストを使い、決算前から資料を整理しておくことが、申告誤りの防止につながります。


まとめ

国税庁は、調査課所管法人における法人税申告書の申告内容について、誤りが多い事例を公表しています。


令和3事務年度に実地調査以外で把握された誤りを集計したところ、対象となった約350法人のうち約6割で、いずれかの申告誤りが確認されたとされています。


誤りが多い項目としては、外国税額控除等、法人税額及び地方法人税額、別表四・別表五(一)、受取配当等の益金不算入、租税公課、役員給与、減価償却、留保金課税、その他の法人税額の特別控除、研究開発税制が挙げられています。


特に、外国税額控除では、国外源泉所得に係る利益・欠損の金額を税引後で記載していない誤りや、外国法人税に該当しない税を記載している誤りが紹介されています。


また、受取配当等の益金不算入では、非支配目的株式等に係る配当等に該当しないものを、非支配目的株式等の受取配当等として記載している誤りが挙げられています。


これらの誤りは、大法人だけでなく、中小企業の法人税申告でも参考になります。

申告書提出前には、国税庁の申告書確認表を活用し、別表間の整合性、元資料との一致、適用要件、添付書類を点検することが大切です。


法人税申告は、税務ソフトに入力すれば終わりではありません。

外国税額控除、受取配当等、役員給与、減価償却、税額控除など、誤りやすい項目については、制度の要件と元資料を確認し、申告書の品質を高めていきましょう。


法人税申告書の自主点検や申告誤りの防止で不安がある場合は、税理士へ相談することをおすすめします。


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【この記事の執筆者】

安田 亮(公認会計士・税理士)

安田亮公認会計士・税理士事務所 代表

京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。

現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。

事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。

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