税務書類は旧姓(旧氏)で提出できる?確定申告・法人番号関係届出の取扱いを解説
こんにちは!代表の安田です。
結婚などにより戸籍上の氏が変わった後も、仕事では以前の氏を使い続けている方は少なくありません。
そこで気になるのが、
「確定申告書や税務署への届出書に、旧姓(旧氏)を記載してもよいのか」
という点です。
結論からいうと、国税関係法令等に基づいて税務署などへ提出する税務書類について、旧氏の使用を希望する場合は、旧氏で氏名を記載することができます。
また、法人番号に関する一定の届出書についても、旧氏を使用することが可能です。
一方、確定申告書などマイナンバーを記載する手続では本人確認が必要となるため、旧氏を使用する場合には本人確認書類の準備に注意が必要です。
本日は、税務書類における旧氏の使用可否、法人番号関係の届出、マイナンバーを記載する場合の注意点について解説します。
税務書類には旧氏を記載できる
税務署等へ提出する国税関係法令等に基づく書類については、納税者本人が旧氏の使用を希望する場合、旧氏で氏名を記載することができます。
したがって、戸籍上の氏が変わったので、税務書類も必ず現在の戸籍上の氏だけで記載しなければならないというわけではありません。
仕事上、旧氏を継続して使用している場合でも、税務書類で旧氏を使える取扱いが示されています。
法人番号関係の届出でも旧氏を使用できる
旧氏を使用できるのは、所得税や法人税などに関係する税務書類だけではありません。
法人番号関係法令等に基づいて提出する一定の届出書についても、旧氏で氏名を記載することができます。
届出等 | 旧氏の使用 |
法人番号の指定を受けるための届出 | 可能 |
名称・所在地等の変更の届出 | 可能 |
法人番号等の公表同意 | 可能 |
法人の代表者や担当者として各種届出を行う場合にも、旧氏の使用を希望する方に配慮した取扱いとなっています。
確定申告書を旧氏で提出する場合は本人確認に注意
旧氏を使用できるとはいえ、確定申告書などマイナンバーを記載する手続では別途本人確認が必要です。
マイナンバーを利用する行政手続では、提出者本人であることを確認しなければなりません。
旧氏を使用している場合には、本人確認の際に、戸籍上の氏と旧氏の双方を確認できる必要があります。
必要となる本人確認のイメージ
旧氏を併記した本人確認書類を使用します。
例えば、
旧氏が併記されたマイナンバーカード等を提示する
旧氏が併記された本人確認書類の写しを添付する
といった方法により、戸籍上の氏と旧氏を確認するとされています。
税務書類と本人確認を整理すると
手続 | 旧氏での記載 | 注意点 |
一般的な国税関係書類 | 可能 | 旧氏の使用を希望する場合 |
法人番号関係の一定の届出 | 可能 | 対象となる届出を確認 |
確定申告書などマイナンバー記載手続 | 可能 | 旧氏が確認できる本人確認書類が必要 |
ポイントは、「旧氏で記載できるか」と「本人確認ができるか」は別の問題だということです。
旧氏での記載自体は認められていても、マイナンバーを記載する手続では、本人確認書類との整合性を確認する必要があります。
旧氏を使用する場合の実務上のポイント
税務書類で旧氏を使用する場合には、提出時に混乱しないよう、次の点を確認しておくとよいでしょう。
1.マイナンバーを記載する書類か確認する
マイナンバーの記載が必要な手続では、本人確認も必要になります。
旧氏で提出する予定であれば、事前に旧氏が確認できる本人確認書類を用意しておくとスムーズです。
2.本人確認書類に旧氏が表示されているか確認する
税務書類に旧氏を書いていても、本人確認書類から旧氏との関係を確認できなければ、確認手続に支障が出る可能性があります。
提出前に、使用する本人確認書類の記載内容を確認しましょう。
3.法人関係の届出でも利用可能
法人番号関係の一定の届出についても旧氏を利用できます。
法人の代表者等が仕事上旧氏を使用している場合には、税務・法人番号関連の手続でも旧氏を利用できるケースがあることを把握しておくとよいでしょう。
旧氏を使用できる税務書類の範囲は?
添付資料では、国税関係法令等に基づいて税務署等へ提出する税務書類について、旧氏を使用できるとされています。
また、法人番号関係法令等に基づく一定の届出についても利用できます。
一方、個々の書類の具体的な記載方法や、電子申告時の入力方法までは今回の資料では示されていません。
特定の申告書・届出書について記載方法に迷う場合には、その書類の最新様式や案内を確認する必要があります。
よくある疑問
Q. 結婚後も仕事では旧姓を使っています。税務署への書類も旧姓で提出できますか?
A. 旧氏の使用を希望する場合、国税関係法令等に基づく税務書類について旧氏で氏名を記載することができます。
Q. 確定申告書も旧氏で提出できますか?
A. 旧氏を使用することは可能ですが、確定申告書などマイナンバーを記載する手続では本人確認が必要です。旧氏が併記されたマイナンバーカード等により、戸籍上の氏と旧氏を確認できるようにする必要があります。
Q. 法人番号に関係する届出でも旧氏を使えますか?
A. 一定の法人番号関係の届出についても旧氏を使用できます。資料では、法人番号の指定を受けるための届出、名称・所在地等の変更届、公表同意などが挙げられています。
まとめ
税務署等へ提出する国税関係法令等に基づく税務書類では、旧氏の使用を希望する場合、旧氏で氏名を記載することができます。
また、法人番号関係の一定の届出についても旧氏を使用できます。
一方、確定申告書などマイナンバーを記載する手続では本人確認が必要です。
その場合には、旧氏が併記されたマイナンバーカード等の本人確認書類を提示したり、写しを添付したりすることで、戸籍上の氏と旧氏を確認する取扱いとなっています。
整理すると、次の点が重要です。
税務書類では旧氏を使用できる
法人番号関係の一定の届出でも旧氏を使用できる
マイナンバーを記載する手続では本人確認が必要
旧氏使用時は、旧氏が併記された本人確認書類を準備する
個別の書類の入力・記載方法は最新の様式等を確認する
仕事で旧氏を継続して使用している方は、税務書類だからといって必ず戸籍上の氏だけを使用しなければならないわけではありません。
ただし、マイナンバーを利用する手続では本人確認書類との関係が重要になるため、提出前に必要書類を確認しておきましょう。
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。






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