2027年(令和9年)分の源泉徴収税額表が公表|2026年分との取り違えに注意
こんばんは!代表の安田です。
給与や賞与を支払う会社・個人事業主は、従業員から源泉徴収する所得税額を計算するため、「源泉徴収税額表」を使用します。
国税庁は2026年8月31日、「令和9年分源泉徴収税額表」を公表しました。
令和9年、つまり2027年分の給与等の源泉徴収では、新しい税額表を使用することになります。
今回の税額表には、令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等が反映されています。そのため、給与計算担当者は年末から年始にかけて給与計算システムや税額表の切替えを忘れないよう注意が必要です。
令和9年分源泉徴収税額表は2026年8月31日に公表
国税庁が公表していた「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」では、当初、令和9年分の源泉徴収税額表について2026年8月末頃に公表予定と案内されていました。
その後、予定どおり2026年8月31日に国税庁ホームページで公表されています。
<今回のポイント>
項目 | 内容 |
対象 | 令和9年分(2027年分)の源泉徴収 |
公表日 | 2026年8月31日 |
公表者 | 国税庁 |
主な反映内容 | 令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ等 |
注意点 | 令和8年分以前の給与等には使用しない |
給与計算を社内で行なっている企業は、新しい税額表がすでに公表されていることを把握しておくとよいでしょう。
なぜ2027年分の源泉徴収税額表が変わる?
今回、新しい源泉徴収税額表が必要となる背景には、令和8年度税制改正による所得税制度の見直しがあります。
令和9年分の税額表について、「所得税の基礎控除の引上げ等を反映している」とされています。
源泉徴収税額表は、給与を支払うたびに天引きする所得税額を計算するための表です。
基礎控除など所得税の計算ルールが変われば、それに合わせて毎月の源泉徴収額についても見直しが必要になります。
2026年分と2027年分の税額表を取り違えない
今回、国税庁が特に注意喚起しているのが、適用年分の取り違えです。
令和9年分源泉徴収税額表には税制改正後の内容が反映されています。
そのため、2026年分の給与だから、先に公表された2027年分の新しい税額表を使おうという処理はできません。
<使用する税額表の整理>
給与等の年分 | 使用する税額表 |
令和8年分(2026年分) | 令和8年分に対応する税額表 |
令和9年分(2027年分) | 今回公表された令和9年分源泉徴収税額表 |
令和8年分以前 | 令和9年分を使用しない |
年末年始は給与計算設定の切替え時期になるため、特に注意が必要です。
「新しい表が公表された=すぐ使う」ではない
給与担当者にとって注意したいのは、税額表の公表日と適用年分は別という点です。
令和9年分源泉徴収税額表は2026年8月31日に公表されていますが、2026年中の給与計算で直ちに新表へ変更するという意味ではありません。
2026年分には2026年分のルールを適用し、2027年分になってから令和9年分の税額表を使用します。
給与計算ソフトを利用している場合も、更新時期を確認し、2026年分と2027年分の設定が混在しないようにすることが重要です。
給与計算ソフトを利用している会社も確認を
現在は、多くの会社が給与計算ソフトやクラウド給与システムを利用しているため、紙の源泉徴収税額表を直接見ながら税額を計算する機会は少なくなっています。
しかし、ソフトを利用している場合でも、
税制改正対応版へ更新されているか
2027年分の税額表が反映されているか
適用開始時期が正しく設定されているか
は確認した方がよいでしょう。
自動アップデートされるシステムであっても、年初最初の給与計算時には、税額表の年分が正しいか確認しておくと安心です。
2027年最初の給与計算前に確認したいこと
特に給与計算担当者は、2027年分の給与計算を始める前に、次の点を確認しておくとよいでしょう。
確認項目 | 内容 |
税額表 | 令和9年分へ切り替わっているか |
給与ソフト | 税制改正対応版になっているか |
適用年分 | 2026年分との混在がないか |
従業員情報 | 扶養関係など必要情報を最新化しているか |
初回給与計算 | 源泉所得税額を確認したか |
特に、前年の給与計算データをコピーして翌年の給与計算を開始する会社では、税額表だけ前年設定のまま残っていないか確認した方がよいでしょう。
源泉徴収税額表を間違えるとどうなる?
源泉徴収税額表を誤って使用すると、従業員から徴収する所得税額が本来の金額と異なる可能性があります。
例えば、2026年分の給与に対して2027年分の税額表を使用すると、税制改正後の内容を本来より早く適用してしまうことになります。
結果として、
源泉所得税の徴収不足
源泉所得税の徴収過多
給与計算のやり直し
従業員への説明
などが必要になる可能性があります。
年末調整等で最終的に年間税額を精算する場合でも、毎月の源泉徴収事務は正しい税額表で処理することが基本です。
中小企業では税理士・給与担当者間の連携も重要
給与計算を社内で行ない、年末調整や源泉所得税について税理士へ依頼している会社では、「毎月の給与計算は会社、年末調整は税理士」という分担になっていることもあります。
その場合、新税額表への切替えは会社側の給与計算システムで行なう必要があります。
2027年最初の給与計算前に、
給与ソフトが更新済みか
新しい税額表が反映されているか
税理士側で追加対応が必要か
を確認しておくと、年始の給与計算をスムーズに進めやすくなります。
よくある疑問
Q. 令和9年分源泉徴収税額表はもう公表されていますか?
A. はい。国税庁は2026年8月31日に「令和9年分源泉徴収税額表」をホームページで公表しています。
Q. なぜ新しい税額表になったのですか?
A. 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等を反映するためです。
Q. 2026年中の給与にも令和9年分の税額表を使えますか?
A. 使わないよう注意が必要です。国税庁は、令和8年分以前の給与等の税額を算出する際に、令和9年分の税額表を使用しないよう注意喚起しています。
Q. 2027年の給与計算前に何を確認すればよいですか?
A. 少なくとも、給与計算ソフトが令和9年分源泉徴収税額表へ対応しているか、税額表の適用年分が正しく切り替わっているかを確認するとよいでしょう。
まとめ
国税庁は2026年8月31日、「令和9年分源泉徴収税額表」を公表しました。
今回の税額表には、令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等が反映されています。
給与・経理担当者が押さえておきたいポイントは、
令和9年分源泉徴収税額表はすでに公表済み
令和8年度税制改正を反映した税額表である
2027年分の給与等の源泉徴収に使用する
2026年分以前の給与等には使用しない
給与計算ソフトの税額表切替えを確認する
年初最初の給与計算時に設定をチェックする
という点です。
今回の改正では、「新しい税額表が公表された時期」ではなく、「どの年分の給与等に適用する税額表なのか」を正しく管理することが重要です。
2027年分の給与計算を開始する前に、給与システムや社内マニュアルを確認しておきましょう。
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。






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