期中レビュー報告書の文例が変更|2026年9月期の半期報告書で注意したいポイント
こんばんは!代表の安田です。
企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」の公表を受け、期中レビュー基準報告書第1号「独立監査人が実施する中間財務諸表に対するレビュー」が2026年3月に改正されています。
今回の改正は、期中会計基準の公表に伴う適合修正という位置付けですが、実務上は注意が必要です。
特に3月決算会社では、2026年9月期の半期報告書に添付する期中レビュー報告書から改正文例を反映する必要があります。
変更されるのは一見するとわずかな文言ですが、過去にはレビュー基準報告書の改正を報告書文面へ反映しなかったことが原因とみられる訂正事例も確認されています。
本記事では、今回の期中レビュー報告書の文例変更と、半期報告書作成時に確認したいポイントを公認会計士が解説します。
企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」とは
今回の期中レビュー報告書の文例変更は、企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」、いわゆる期中会計基準の公表に伴うものです。
これを受け、日本公認会計士協会の期中レビュー基準報告書第1号も改正されました。
資料では、この改正について、期中会計基準の公表に伴う適合修正と整理されています。
つまり、監査・レビューの考え方を大きく変更するというより、基礎となる会計基準の名称や位置付けに合わせてレビュー報告書の表現を整える改正と理解すると分かりやすいでしょう。
いつから新しい期中レビュー報告書を使う?
今回の改正は、2026年4月1日以後開始する中間財務諸表に係る会計期間の中間財務諸表に対する期中レビューから適用されます。
そのため、3月決算会社については、2026年9月期の半期報告書に添付する期中レビュー報告書から新しい文例への対応が必要です。
<3月決算会社のイメージ>
項目 | 内容 |
事業年度 | 2026年4月1日~2027年3月31日 |
半期末 | 2026年9月30日 |
対象 | 2026年9月期の半期報告書 |
期中レビュー報告書 | 改正文例を反映する必要あり |
2026年9月期は、3月決算会社にとって今回の改正が初めて実務上問題となるタイミングになります。
具体的に何が変わるのか
主な変更は中間連結財務諸表に対する期中レビュー報告書の文例です。
改正前と改正後を比較すると次のとおりです。
改正前:我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準
改正後:期中連結財務諸表に係る我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準
つまり、「期中連結財務諸表に係る」という語句が追加されています。
一見すると小さな変更ですが、正式な監査・レビュー報告書では、基準に沿った正確な文言を使用する必要があります。
なぜ「期中連結財務諸表に係る」が追加されたのか
今回の変更は、期中財務諸表について独立した会計基準が整備されたことを踏まえ、レビュー報告書上も、どの会計基準に準拠して期中財務諸表が作成されているのかをより明確にするための表現修正と考えることができます。
従来の「我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」という表現だけではなく、「期中連結財務諸表に係る我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とすることで、期中財務諸表に適用される会計基準を明示する形になります。
「単なる文言変更」と軽視しない方がよい理由
今回、特に重要なのは、過去の訂正事例についても言及されている点です。
直近1年間の半期報告書の訂正報告書を見ると、期中レビュー基準報告書第1号の過去の改正をレビュー報告書の文面へ反映していなかったことが原因とみられる訂正が散見されたとされています。
つまり、「去年使ったレビュー報告書のWordファイルをコピーして日付だけ直す」という運用では、基準改正を見落とすリスクがあります。
過去様式の「使い回し」がリスクになる
決算実務では、前年の資料をベースに当年度版を作ることが一般的です。
しかし、監査報告書やレビュー報告書のような定型文書では、この方法が思わぬミスにつながることがあります。
例えば、
文例改正の反映漏れ
基準名称の更新漏れ
会社名の修正漏れ
対象期間の更新漏れ
報告書の日付の更新漏れ
などです。
レビュー報告書の文面だけでなく、年月日の更新ミスによる訂正事例もあります。
監査法人だけでなく会社側も確認した方がよい
期中レビュー報告書は監査人が作成する文書です。
そのため、会社側は確認しなくてもよいと考えるかもしれません。
しかし、期中レビュー報告書は半期報告書に添付され、会社が提出する開示書類の一部となります。
したがって、会社側の経理・開示担当者も、
当年度のレビュー報告書文例になっているか
対象期間が正しいか
会社名が正しいか
日付が正しいか
半期報告書本文との整合性があるか
を最終提出前に確認しておくことが有効です。
半期報告書提出前のレビュー報告書チェックリスト
今回の改正を踏まえると、2026年9月期の半期報告書については、例えば次のようなチェックが考えられます。
確認事項 | チェック |
2026年3月改正のレ基報1号を反映している | □ |
「期中連結財務諸表に係る」の文言が反映されている | □ |
対象となる中間会計期間が正しい | □ |
会社名が正しい | □ |
監査法人名が正しい | □ |
レビュー報告書の日付が正しい | □ |
前年度の年月日が残っていない | □ |
半期報告書本文と記載内容が整合している | □ |
最新の監査法人のテンプレートを使用している | □ |
決算スケジュールの早い段階で監査法人へ確認
3月決算会社の2026年9月期については、今回の変更が実務上初めて反映されることになります。
そのため、半期報告書提出直前になって修正するのではなく、監査法人から最新の期中レビュー報告書文例を早めに入手し、会社側の開示チェックリストにも追加しておくといった対応が考えられます。
特に複数の連結子会社を持つ会社や、開示資料の確認者が多い企業では、変更点を事前共有しておくと効率的です。
文例変更で重要なのは「差分管理」
今回のような改正では、会計基準そのものの影響額を計算する作業ではなく、定型文の変更を漏れなく反映することが重要になります。
そこで実務では、前年の文書と当年の文書について、
管理方法 | 内容 |
改正一覧 | 当年度に変更された基準・文例を一覧化 |
差分確認 | 前年度様式との変更箇所を確認 |
テンプレート管理 | 最新版のみ使用 |
ダブルチェック | 日付・期間・名称を別担当者が確認 |
提出前確認 | EDINET提出ファイルで最終チェック |
といった方法が有効です。
期中レビュー報告書で注意したい3つのポイント
今回の資料の内容を実務的に整理すると、特に次の3点が重要です。
1.文例改正を反映する
「期中連結財務諸表に係る」という語句の追加を反映します。
2.前年文例をそのまま使用しない
過去にも基準改正の反映漏れによる訂正とみられる事例があるため、最新版との照合が必要です。
3.年月日も必ず更新する
資料では、文例改正以外にも年月日の更新ミスによる訂正事例が確認されています。
2026年9月期の実務対応を一表で整理
項目 | 対応 |
対象会社 | 主に3月決算会社 |
対象書類 | 2026年9月期半期報告書 |
対象 | 添付する期中レビュー報告書 |
改正根拠 | レ基報1号の2026年3月改正 |
主な変更 | 「期中連結財務諸表に係る」を追加 |
実務上の注意 | 過去テンプレートの流用による反映漏れ |
その他注意 | 日付・対象期間の更新ミス |
推奨対応 | 最新文例との突合、提出前ダブルチェック |
まとめ
企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」の公表を受け、期中レビュー基準報告書第1号が2026年3月に改正されました。
今回のポイントは次のとおりです。
期中会計基準の公表に伴いレ基報1号が改正
改正は期中会計基準への適合修正
2026年4月1日以後開始する対象期間から適用
3月決算会社では2026年9月期の半期報告書から対応
中間連結財務諸表のレビュー報告書文例が変更
「期中連結財務諸表に係る」という語句が追加
過去には文例改正の反映漏れによる訂正とみられる事例がある
年月日の更新ミスも訂正事例として確認されている
今回の改正は、会計処理の金額に大きな影響を与えるものではありません。
しかし、開示書類は一語の文言変更や日付の誤りでも訂正が必要になる可能性があります。
特に2026年9月期の半期報告書では、前年のレビュー報告書をそのまま流用せず、最新の文例と突き合わせることが重要です。
経理・開示担当者としては、監査法人に任せきりにするのではなく、半期報告書全体の最終チェックの一環として、レビュー報告書についても文例・日付・対象期間を確認しておくことが望まれます。
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。






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