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税効果会計の応用論点を税理士が解説|その他有価証券・連結決算・退職給付会計のポイント
こんばんは!代表の安田です。 税効果会計の基本を理解した後に、多くの方がつまずくのが応用論点です。 特に難しいのが、その他有価証券の含み損益、連結決算の税効果、退職給付会計に係る税効果です。 これらは、通常の「会計では費用、税務ではまだ損金にならない」というシンプルな一時差異とは少し違った見方が必要になります。 その他有価証券では、含み損益を損益計算書ではなく純資産に計上するため、税効果の相手勘定が法人税等調整額ではなく、その他有価証券評価差額金になります。 連結決算では、個別会社単位ではなく連結グループ全体の視点で税効果を考えるため、未実現利益の消去や貸倒引当金の消去など、連結仕訳に伴う一時差異を検討する必要があります。 退職給付会計では、会計上の予測計算と法人税上の損金算入時期の違いにより一時差異が発生し、さらに数理計算上の差異については個別決算と連結決算で処理が異なります。 本日は、税効果会計の応用論点として、その他有価証券、連結決算、退職給付会計の税効果について、会計事務所を運営する税理士の視点からわかりやすく解説します。 税効果会計の基
安田 亮
11 分前


契約資産とは?売掛金との違いと財務諸表での表示方法を公認会計士がわかりやすく解説
こんにちは!代表の安田です。 企業会計において、売上を計上したにもかかわらず、まだ顧客に請求できないケースがあります。 たとえば、請負工事、システム開発、受注制作、長期のサービス契約などでは、企業がすでに一定の作業やサービスを提供していても、契約上の条件を満たすまでは請求書を発行できないことがあります。 このような場合に登場するのが「契約資産」です。 契約資産は、収益認識会計基準の適用により、実務上よく見かけるようになった勘定科目です。しかし、「売掛金と何が違うのか」「いつ債権に振り替えるのか」「決算書ではどのように表示するのか」といった点で迷いやすい項目でもあります。 本日は、契約資産の意味、売掛金との違い、具体例、財務諸表での表示方法、実務上の注意点について、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 契約資産とは 契約資産とは、企業が顧客に商品やサービスを提供した結果として、対価を受け取る権利を有しているものの、その権利がまだ無条件ではないものをいいます。 少し噛み砕くと、「売上はすでに認識しているが、契約上の条件があるため、まだ請求でき
安田 亮
4 時間前


内部監査の体制整備と開示とは?デュアルレポーティングラインを公認会計士が解説
こんばんは!代表の安田です。 上場会社のコーポレート・ガバナンスを考えるうえで、内部監査の重要性が高まっています。 内部監査は、会社の業務が適切に行われているか、法令や社内規程に違反していないか、内部統制が有効に機能しているかを確認する重要な仕組みです。 しかし、内部監査部門が形式的に存在しているだけでは、十分な効果は期待できません。特に、内部監査部門が代表取締役など経営トップのみに報告する体制の場合、経営陣に関係する不正や不適切な取引が発生した際に、独立した立場で十分に機能できるのかという問題があります。 そこで注目されているのが「デュアルレポーティングライン」です。 近年、有価証券報告書におけるコーポレート・ガバナンス開示の拡充により、内部監査の体制や、内部監査部門と取締役会・監査役会等との連携状況について、より具体的な説明が求められるようになっています。 本日は、内部監査の役割、デュアルレポーティングラインの意味、有価証券報告書での開示、実効性を確保するためのポイントについて、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 内部監査とは...
安田 亮
1 日前


SESCが不正会計リスクをシステムで自動検出へ|上場企業が押さえるべき開示・内部統制のポイント
こんばんは!代表の安田です。 証券取引等監視委員会(SESC)は、不正会計リスクの高い企業を自動的に検出するシステムを導入し、開示検査業務に活用しています。 近年、上場企業による不正会計や開示規制違反が相次いで明らかになる中、規制当局は、問題が表面化してから対応するだけでなく、より早い段階でリスクの高い企業を把握する体制を強化しています。 今回注目されているのが、SESCの開示検査課が導入した「不正会計検出モデル」です。 このシステムは、過去に不正会計を行なった企業の特徴や傾向を分析し、財務諸表の数値などを基に、不正会計リスクが高い企業を一覧で表示できるものとされています。 本記事では、公認会計士の視点から、SESCの不正会計検出モデルの概要、検査対象となりやすい企業の特徴、上場企業が今後意識すべき開示・内部統制上のポイントを整理します。 1. SESCの開示検査とは 証券取引等監視委員会(SESC)は、市場の公正性・透明性の確保や投資者保護を担う組織です。その中で、開示検査課は、上場会社等が提出する有価証券報告書、有価証券届出書、大量保有報告書
安田 亮
5 日前


グループ通算制度への移行で税効果会計はどう変わる?繰延税金資産への影響を公認会計士が解説
こんばんは!代表の安田です。 2022年4月1日以後に開始する事業年度から、従来の連結納税制度は見直され、グループ通算制度へ移行しました。 グループ通算制度は、完全支配関係にある企業グループ内で損益通算等を行う制度です。従来の連結納税制度と似ている部分もありますが、各法人が納税単位となって個別に申告を行う点など、制度設計には大きな違いがあります。 この制度変更は、法人税申告だけでなく、会計上の税効果会計にも影響します。 特に、繰延税金資産の回収可能性、繰越欠損金の取扱い、特定資産譲渡等損失額の利用制限、投資簿価修正などは、決算実務上注意すべき重要論点です。 本記事では、グループ通算制度への移行が税効果会計に与える影響について、連結納税制度から移行する場合、単体納税制度から移行する場合、連結納税制度から単体納税制度へ戻る場合に分けて、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 グループ通算制度とは グループ通算制度とは、完全支配関係にある企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、グループ内で損益通算等を行う制度です。 従来の連結納税制度では、企業
安田 亮
6 日前


有価証券報告書で知的財産・無形資産の開示拡充へ|企業価値を伝える開示実務のポイント
おはようございます!代表の安田です。 企業価値を考えるうえで、知的財産や無形資産の重要性がますます高まっています。 従来、企業価値は工場、設備、不動産、在庫などの有形資産を中心に語られることが多くありました。しかし現在では、技術、ブランド、人材、顧客基盤、研究開発力、データ、ソフトウェア、ノウハウなど、財務諸表に十分には表れにくい無形資産が、企業の競争力や成長力の源泉となっています。 こうした中、内閣府・知的財産戦略本部が取りまとめた「知的財産推進計画2026」において、有価証券報告書での知的財産・無形資産に関する開示拡充に向けた検討が始まることが明らかになりました。 本日は、公認会計士の視点から、知的財産・無形資産開示が注目される背景、有価証券報告書での開示拡充の方向性、企業が今から準備すべき実務対応を解説します。 知的財産・無形資産とは 知的財産・無形資産とは、企業が保有・活用する目に見えない経営資源をいいます。 代表的なものとして、次のようなものがあります。 特許権、商標権、意匠権、著作権 技術、ノウハウ、研究開発成果 ブランド、顧客基盤、
安田 亮
7 日前


繰延税金資産の回収可能性とは?会社分類と検討表の作り方を税理士がわかりやすく解説
こんばんは!代表の安田です。 税効果会計で最もつまずきやすい論点の一つが、繰延税金資産の回収可能性です。 「繰延税金資産は将来の税金を減らす効果」と説明されますが、実務ではそれだけでは足りません。 将来本当に税金を減らせるのか どの年度で税金を減らせるのか 将来加算一時差異と相殺できるのか 将来の課税所得で回収できるのか 会社分類はどれに該当するのか 評価性引当額はいくら必要なのか このような検討を行なわなければ、貸借対照表に計上できる繰延税金資産の金額は決まりません。特に、赤字がある会社、業績が不安定な会社、多額の減損損失や引当金を計上している会社、繰越欠損金を有する会社では、繰延税金資産の回収可能性の判断が決算上の重要論点になります。 本日は、繰延税金資産の回収可能性とは何か、会社分類1〜5の判定の考え方、回収可能性検討表の作り方、実務上の注意点を、会計事務所を運営する税理士の視点からわかりやすく解説します。 繰延税金資産とは 繰延税金資産とは、将来の税金を減らす効果を資産として貸借対照表に計上したものです。 たとえば、会計上は当期に費用とし
安田 亮
8月4日


期中会計基準と防衛特別法人税に対応した財規等改正とは?経理・開示担当者が押さえるポイント
おはようございます!代表の安田です。 2026年3月31日、金融庁は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」や「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」などの一部を改正する内閣府令等を公布・施行しました。 今回の改正は、主に次の2つの会計基準・実務対応報告に対応するものです。 企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」 実務対応報告第48号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」 上場会社の経理・開示実務では、期中会計基準の適用により、中間財務諸表や四半期財務情報の会計処理が整理されます。また、防衛特別法人税については、貸借対照表や損益計算書上の表示にも関係します。 本日は、公認会計士の視点から、今回の財規等改正の背景、期中会計基準への対応、防衛特別法人税の会計処理・表示、適用時期、企業が確認すべき実務ポイントを解説します。 今回の財規等改正の概要 今回改正された主な規則・ガイドライン・告示は、以下のとおりです。 <規則> 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 連結財務諸表の用語、様式及び作
安田 亮
8月4日


税効果会計とは?繰延税金資産・繰延税金負債・繰越欠損金を税理士がわかりやすく解説
こんばんは!代表の安田です。 税効果会計という言葉を聞くと、「難しそう」「会計士向けの話ではないか」「中小企業には関係ないのでは」と感じる方も多いと思います。 確かに税効果会計は会計基準の中でも理解しにくい分野です。しかし、基本的な考え方はそれほど複雑ではありません。 税効果会計をひとことで言えば、会計と法人税の一時的なズレを調整するための会計処理です。会社の決算書で表示される利益と、法人税の申告書で計算する所得は、必ずしも一致しません。 会計では費用として処理しているのに、法人税ではまだ損金として認められないものがあります。反対に、会計ではまだ収益として処理していないのに、法人税では益金として認めるものもあります。 このようなズレが一時的なもので、将来解消される場合に、税金費用を会計上適切に表示するために使うのが税効果会計です。 本日は、税効果会計の目的、会計と法人税の違い、一時差異と永久差異、繰延税金資産・繰延税金負債の計算方法と仕訳、繰越欠損金に係る税効果について、公認会計士・税理士の視点からわかりやすく解説します。 税効果会計とは...
安田 亮
8月3日


収益認識に関する注記で誤解しやすいポイントとは?重要な会計方針の書き方を公認会計士が解説
おはようございます!代表の安田です。 収益認識会計基準の適用により、売上高の会計処理だけでなく、財務諸表注記の重要性も高まっています。 特に上場会社や会社法上の大会社では、顧客との契約から生じる収益について、単に「売上をいつ認識するか」だけでなく、どのような履行義務があり、どの時点で履行義務が充足され、取引価格をどのように算定しているのかを、財務諸表利用者にわかりやすく説明する必要があります。 しかし実務では、収益認識会計基準について、いくつか誤解されやすいポイントがあります。 たとえば、「従来の工事進行基準と同じ」「出荷基準はこれまでどおり使える」「本人・代理人の判定は総額か純額かだけの問題」「取引価格が確定していなければ収益認識できない」といった理解です。 これらは一部では正しそうに見えますが、収益認識会計基準の考え方を正確に理解すると、必ずしもそうではありません。 本日は、収益認識に関する5つの誤解、重要な会計方針で注記すべき内容、収益認識の5ステップと注記の関係、実務で使える確認ポイントを、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。..
安田 亮
8月2日


期中会計基準の経過措置とは?切放し法から期中洗替え法へ変更する場合の実務上の注意点
おはようございます!代表の安田です。 2027年3月期の第1四半期から、企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」、いわゆる期中会計基準が順次適用されます。 期中会計基準は、従来の中間会計基準と四半期会計基準を統合した新しい会計基準です。第1種中間財務諸表と四半期財務諸表に適用する会計処理等を定めるもので、上場会社の四半期決算・中間決算実務に影響します。 適用初年度において、同基準の定めに従って会計方針を変更する場合には、遡及適用を求めず、新たな会計方針を適用初年度の最初の期中会計期間から将来にわたって適用する経過措置が設けられています。 ただし、この経過措置は、どのような会計方針の変更にも使えるわけではありません。対象は限定的であり、特に注意すべきなのが、有価証券の減損処理と棚卸資産の簿価切下げに関する方法の変更です。 本日は公認会計士の視点から、期中会計基準の概要、経過措置の対象、切放し法と期中洗替え法の違い、実務上の注意点を解説します。 期中会計基準とは 期中会計基準とは、従来の中間会計基準と四半期会計基準を統合した会計基準です。
安田 亮
8月1日


KAMに画像を使える?監査報告書の見やすさとEDINET開示上の注意点を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の有価証券報告書を読むと、監査報告書の中に「監査上の主要な検討事項」という項目が記載されています。 この「監査上の主要な検討事項」は、英語ではKey Audit Mattersと呼ばれ、一般に「KAM」と略されます。KAMは、監査人が当年度の監査で特に重要と判断した事項について、なぜ重要と考えたのか、監査上どのように対応したのかを説明するものです。 近年、KAMは投資家や金融機関、経理担当者にとって、会社の重要な会計上の見積りや監査上の論点を理解するための情報として注目されています。 そして、EDINETのシステム更改により、KAMの記載に画像を使用できるようになりました。これにより、文章だけでは伝わりにくいリスクの位置づけや、監査上の検討プロセスを、図表やイメージで補足できる可能性があります。 ただし、KAMに画像を使えるといっても、自由に何でも掲載できるわけではありません。画像はあくまで監査報告書本文を補足するためのものであり、使用目的やデータとしての取扱いには注意が必要です。 本日は、KAMの基本的な意
安田 亮
7月31日


収益認識基準で何が変わった?一定期間収益認識と本人・代理人の判定を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 2021年4月1日以後開始する事業年度から、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が原則適用されています。 収益、つまり売上高は、財務諸表を見るうえで最も重要な指標の一つです。売上高は、企業規模、成長性、収益力、株価評価、金融機関の与信判断、M&Aにおける企業価値評価にも影響します。 そのため、収益認識基準の適用は、単なる会計処理の変更にとどまりません。 売上をいつ計上するのか。売上を総額で表示するのか、純額で表示するのか。契約ごとの履行義務は何か。原価管理体制は十分か。新規事業やM&Aで取得した会社の売上は適切に計上されているか。 これらは、経理部門だけでなく、経営管理、営業、法務、IT、事業部門にも関係する実務論点です。 本日は、収益認識基準の適用が企業にもたらした影響のうち、特に実務で議論が多い「一定の期間にわたり収益を認識する方法」と「本人・代理人の判定」を中心に、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 収益認識基準とは 収益認識基準とは、顧客との契約から生じる収益について、いつ、いくら売上を
安田 亮
7月30日


会計上の見積りの注記とKAMの関係とは?固定資産の減損会計を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の監査報告書では、KAMという項目を目にする機会が増えました。 KAMとは「監査上の主要な検討事項」のことで、監査人が当年度の財務諸表監査において特に重要であると判断した事項を、監査報告書に記載するものです。 KAMは監査人が記載するものですが、会社側にとって無関係ではありません。 なぜなら、KAMの多くは、会計上の見積り、重要な会計方針、財務諸表注記、経営者の判断、事業計画などと密接に関係しているからです。 特に固定資産の減損会計では、将来キャッシュ・フロー、成長率、販売数量、販売価格、主要な資産、経済的残存使用年数、割引率など、多くの見積り要素が関係します。 そのため、会計上の見積りの注記とKAMを切り離して考えることはできません。 本日は、固定資産の減損会計を例に、会計上の見積りの注記とKAMの関係、主要な仮定、監査上の対応、監査役等とのコミュニケーション、実務上の注意点について、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 KAMとは何か KAMとは、Key Audit Mattersの略で、日本語で
安田 亮
7月29日


欠損填補の決議が無効に?その他資本剰余金で赤字を補填する際の上限額を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 会社の決算で繰越利益剰余金がマイナスになっている場合、「その他資本剰余金を使って欠損填補できないか」と検討することがあります。 特に、過去の赤字が累積している会社、資本政策を整理したい会社、配当可能額や財務体質を見直したい会社では、欠損填補は実務上よく出てくる論点です。 しかし、その他資本剰余金による欠損填補は、自由にできるわけではありません。補填できる金額には上限があり、この上限額を誤ると、取締役会や株主総会で行なった決議が無効と判断される可能性があります。 実際に、利益剰余金のマイナス残高の計算を誤り、補填可能額を超えて欠損填補を行おうとした事例では、決議が無効とされています。 本日は、その他資本剰余金による欠損填補の基本、資本剰余金と利益剰余金の違い、補填可能額の考え方、決議無効になり得るケース、実務で確認すべきポイントについて、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 欠損填補とは 欠損填補とは、会社に生じている利益剰余金のマイナス残高、いわゆる欠損を、他の剰余金などで補う手続をいいます。...
安田 亮
7月28日


減資による欠損てん補とは?法務・会計・税務のポイントを公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 会社の業績が悪化し、貸借対照表上の繰越利益剰余金がマイナスになっている場合、「減資による欠損てん補」を検討することがあります。 減資と聞くと、「会社の規模を小さくする」「株主にお金を返す」「株式数を減らす」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。 しかし、会社法上の減資とは、あくまで資本金という計数を減少させる行為です。減資をしたからといって、必ずしも株主に現金を払い戻すわけではありません。また、発行済株式数が当然に減少するわけでもありません。 実務では、資本金を減少させてその他資本剰余金を計上し、そのその他資本剰余金を使って利益剰余金のマイナスを補うことがあります。これが「欠損てん補」です。 本日は、減資による欠損てん補について、会社法上の手続、会計処理、税務上の取扱い、地方税への影響、実務で間違いやすいポイントを公認会計士・税理士の視点からわかりやすく解説します。 減資とは何か 減資とは、会社法上、資本金の額を減少させることをいいます。 ここで重要なのは、減資は「資本金という会計上・会社法上の金額を減らす手
安田 亮
7月27日


「のれん償却前利益」の開示義務化とは?M&A企業の比較可能性と決算短信開示の論点を解説
こんばんは!代表の安田です。 M&Aを積極的に行なう企業にとって、買収後の業績に大きな影響を与える会計項目の一つがのれん償却費です。 日本基準では、企業買収によって発生したのれんを一定期間にわたって償却する処理が基本です。一方、IFRSではのれんを規則的に償却せず、減損テストによって価値の下落を把握する考え方が採られています。 この違いにより、日本基準を採用する企業とIFRSを採用する企業では、同じようにM&Aを行っていても、営業利益や純利益の見え方が大きく変わることがあります。 こうした中、企業会計基準委員会(ASBJ)の第9回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会において、のれん非償却の導入が実現しない場合には、「のれん償却前利益」を決算短信等の必須開示項目とすることで、企業間の比較可能性を改善すべきとの意見が示されました。 本日は、公認会計士の視点から、のれん償却前利益とは何か、なぜ開示義務化が議論されているのか、企業実務や投資家との対話にどのような影響があるのかを整理します。 のれんとは何か...
安田 亮
7月26日


グループ通算制度の注記とは?実務対応報告第42号に基づく開示ポイントを公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 グループ会社を持つ企業にとって、法人税の申告・会計処理は重要な論点です。 従来、日本では一定の企業グループについて「連結納税制度」が設けられていました。しかし、制度改正により連結納税制度は見直され、現在は「グループ通算制度」へ移行しています。 グループ通算制度は、完全支配関係のある企業グループ内で損益通算を行う制度です。税務申告の仕組みだけでなく、会計処理や財務諸表の注記にも影響があります。 特に、グループ通算制度を適用する会社では、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」に基づき、法人税・地方法人税や税効果会計に関する会計処理・開示を行う必要があります。 本日は、グループ通算制度の概要、実務対応報告第42号に基づく注記のポイント、税効果会計の注記、連帯納付義務の取扱いについて、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 グループ通算制度とは グループ通算制度とは、一定の企業グループを一体として捉え、グループ内の会社間で損益を通算できる法人税制度です。...
安田 亮
7月26日


公認会計士法改正で監査法人の合併は進むのか?「総社員の同意」要件と監査事務所再編の論点
こんばんは!代表の安田です。 上場会社の監査を担う監査事務所には、高い品質管理体制、十分な人員、独立性、継続的な監査対応能力が求められます。 近年、上場会社の不適切会計や監査品質をめぐる問題を背景に、上場会社監査を担当する監査事務所の体制強化が改めて注目されています。その中で、日本公認会計士協会は、上場会社の監査を行う監査事務所について、社員数要件の見直しを検討しているとされています。 仮に社員数要件が引き上げられた場合、中小規模の監査法人や共同事務所にとっては、単独で要件を満たすことが難しくなる可能性があります。その結果、監査事務所同士の合併や統合が選択肢として浮上することも考えられます。 しかし、監査法人等の合併には、公認会計士法上の重要なハードルがあります。それが「総社員の同意」です。 本日は、公認会計士の視点から、監査事務所の社員数要件見直しの背景、公認会計士法上の総社員の同意要件、監査法人の合併をめぐる実務上の課題、今後の制度改正の方向性を整理します。 上場会社監査を行なう監査事務所に求められる体制 上場会社の監査は、非上場会社の監査と
安田 亮
7月25日


有価証券報告書と事業報告の一本化とは?株主総会前開示をめぐる議論と企業実務への影響
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の開示実務に大きな影響を与えるテーマとして、事業報告等と有価証券報告書の「一本化」が議論されています。 現在、上場会社は、会社法に基づく事業報告・計算書類・株主総会参考書類などと、金融商品取引法に基づく有価証券報告書を、それぞれ作成・開示しています。 両者には重複する情報も多く、企業側には作成負担が生じています。一方、投資家や株主にとっても、似た情報が複数の書類に分かれて掲載されることで、確認に手間がかかる面があります。 こうした背景から、事業報告等と有価証券報告書を一本化する方向で会社法制の見直しが検討されています。 もっとも、一本化自体には賛成意見が多いものの、「定時株主総会の3週間前までに有価証券報告書の全内容を開示すること」を事実上義務付ける制度設計には、企業側から慎重な意見が多く出ています。 本日は、有価証券報告書と事業報告の一本化をめぐる議論、株主総会前開示の論点、企業実務への影響について、公認会計士の視点から解説します。 有価証券報告書と事業報告の違い まず、有価証券報告書と事業報告の違いを整理
安田 亮
7月25日
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