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税制改正)不動産小口化商品は「取得時期に関係なく時価評価」へ
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度税制改正では、相続税・贈与税の分野において不動産小口化商品の評価方法が大きく見直されることとなりました。 不動産小口化商品は、これまで相続・贈与対策の一環として利用されるケースも多く見られましたが、今回の改正により、従来想定されていた評価減効果は原則として期待できなくなります。 本日は、改正の内容と実務への影響を分かりやすく解説します。 1.不動産小口化商品とは 不動産小口化商品とは、主に次のような仕組みを指します。 不動産特定共同事業契約 一定の信託受益権に係る金融商品取引契約 に基づき、一つの貸付用不動産を小口化し、複数の投資家が出資する仕組みです。 投資家は、 不動産を直接所有することなく 比較的少額で不動産投資に参加できる というメリットがある一方、相続税評価では通達評価を基にした低い評価額が適用されるケースがありました。 2.改正の背景 市場価格と評価額の乖離への対応 税務当局が問題視してきたのは、 実際の市場価格は高額であるにもかかわらず 相続税評価額が大幅に低くなる という市場価格と通
安田 亮
2月18日


令和8年度税制改正(地方税)のポイント
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度税制改正大綱の地方税分野では、個人住民税の控除等の見直しや、ふるさと納税(住民税の特例控除)の上限設定、固定資産税の免税点引上げなど、家計・不動産・中小事業者に影響しやすい改正が盛り込まれています。本日は、実務で押さえるべき要点を整理します。 1. 個人住民税:給与所得控除の最低保障額が引上げ(2年間はさらに上乗せ) 所得税側で基礎控除等を物価上昇に連動して見直す仕組みが創設されることに伴い、個人住民税でも給与所得控除の最低保障額が65万円 → 69万円へ引上げとなります。 さらに「三党合意」を踏まえた2年間の時限措置として、令和9年度分・令和10年度分に限り、最低保障額が74万円となる見込みです。 <非課税ライン(単身者イメージ)も上がる> 地方税独自の非課税限度額(単身者の例)として、 現行:基本額45万円+給与所得控除65万円=110万円 改正後:基本額45万円+給与所得控除69万円=114万円(2年間は119万円) と整理されています。 <適用時期>令和9年度分以後の個人住民税です。 2..
安田 亮
2月14日


税制改正)貸付用不動産の評価方法が大きく変わります
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度税制改正では、相続税・贈与税の分野で特に注目されている「貸付用不動産の評価方法の見直し」が打ち出されました。 これは、近年問題視されてきた市場価格と通達評価額の大きな乖離を利用した節税スキームに対する、制度的な対応といえます。 本記事では、改正の背景と内容、実務への影響を解説します。 ■改正の背景ーなぜ貸付用不動産が見直されるのか 現行の財産評価基本通達では、貸付用不動産について、 貸家建付地 貸家 借家権割合 などを考慮した 通達評価 により、市場価格よりも大幅に低い評価額となるケースがあります。 この仕組みを利用し、 相続・贈与直前に高額な貸付用不動産を取得 多額の借入を行い 相続税・贈与税を大きく圧縮する といった事例が増加していました。 これまでは、通達総則6項(評価方法が著しく不適当な場合の個別評価)で対応してきましたが、 納税者の予測可能性が低い 課税の公平性に課題がある という指摘もあり、評価方法そのものを見直す必要性が高まっていました。 ■改正のポイント①ー相続・贈与前5年以内に取得
安田 亮
2月4日


相続税・贈与税の改正ポイント
おはようございます!代表の安田です。 本日は、令和7年度税制改正で示された「相続税・贈与税関係」の主な改正内容についてご紹介します。相続・贈与の実務に関わる方にとって重要な改正が複数含まれています。 1. 相続税の物納制度の見直し これまで、相続税を金銭で納付できない場合に認められる「物納」について、計算上の限度額が厳しく、生活資金が圧迫されるケースがありました。今回の改正により、延納期間終了後の当面の生活費を物納許可限度額に加算できるようになります。これにより、納税者の生活に一定の配慮がなされる形となります。 2. 結婚・子育て資金贈与の非課税措置の延長 直系尊属(祖父母や父母)からの結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税制度が、令和9年3月31日まで延長されます。少子化対策や若年世代の生活支援の観点から、引き続き活用できる制度となっています。 3. 農地・山林に関する納税猶予制度の見直し (1)農地等 受贈者や相続人が農業を続けられなくなる「故障」の範囲に、介護医療院への入所が追加されました。これにより、一定の貸付を行なった場合でも納税猶予が
安田 亮
2025年11月23日


外形標準課税と賃上げ促進税制
おはようございます!代表の安田です。 令和6年度税制改正により、資本金1億円以下であっても外形標準課税の対象となるケースが生じています。これに伴い、従来は大法人のみが対象だった外形標準課税における賃上げ促進税制についても、中小企業者等であれば適用できる道が開かれました。 1. 適用できる事業年度 対象は 令和7年4月1日から令和9年3月31日までに開始する各事業年度 法人税の賃上げ促進税制を受けているかどうかは問われず、独立して適用可能 2. 適用要件 雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加していること 付加価値割の課税標準から、給与増加額相当を控除できる 算定にあたっては、雇用安定助成金などの扱いに注意が必要(増加割合算定時と控除額算定時で取扱いが異なります) 3. 法人税との違い 法人税の制度と大きく異なる点は、当初申告要件がないことです。確定申告書に加え、修正申告や更正請求の際に「給与等支給額増加に関する明細書」を添付すれば、遡って適用することも可能です。 4. 雇用安定控除との調整 賃上げ促進税制の控除額は、雇用安定控除を適用した後
安田 亮
2025年11月20日


令和8年から外形標準課税の対象法人が拡大
おはようございます!代表の安田です。 令和6年度の税制改正により、2026年(令和8年)4月1日以後開始事業年度から、外形標準課税の適用対象となる法人の範囲が拡大されることになりました。今回は、「100%子法人等への対応」が導入されることで、企業グループ内の資本関係をどう把握し、どのように課税対象かを判断するかが論点となっています。 ■ 改正の概要:100%子法人等も課税対象に これまで資本金1億円以下の法人は原則として外形標準課税の対象外でしたが、令和8年からは次のような子法人も課税対象に追加されます: 親法人(払込資本50億円超)との間に完全支配関係がある 当該子法人の資本金が1億円以下 ただし払込資本額が2億円を超える法人 この改正により、大企業グループ傘下の資本額の大きな子会社が、形式的な「中小法人」扱いで課税を逃れることを防止する狙いがあります。 ■ 判定のために使われる資料:地方税と法人税がクロスオーバー 地方税の課税判断には、主に以下の資料が使用されます: ▼ 地方税の申告書関連(法人事業税): 第6号様式(事業概況説明書) 第6号
安田 亮
2025年11月4日


外国法人との契約書
おはようございます!代表の安田です。 今回は、外国法人と契約を結ぶ際に注意が必要な印紙税の課税関係について解説します。 契約書の「作成場所」をどう証明するかが実務上の重要なポイントとなります。 1. 国内作成か国外作成かで課税関係が変わる 印紙税法は日本国内のみで効力を持ちます。そのため、 日本国内で作成された契約書 → 課税対象 国外で作成された契約書 → 課税対象外 となります。 例えば、日本法人が署名した契約書を外国法人に郵送し、相手側が国外で署名して返送してきた場合、その契約書は「国外で作成された」とみなされ、印紙税の課税対象にはなりません。 2. 「調印日」だけでは作成場所を特定できない 契約書に「調印日」が記載されていても、それだけで作成場所を特定することはできません。税務調査では「国外で署名されたことを裏付ける証拠」が求められるため、調印日のみを根拠にして非課税を主張することは難しいとされています。 3. 実務上の対応ポイント 国外で作成されたことを証明するためには、次のような対応が推奨されます。 契約書に「本契約書は〇〇国において
安田 亮
2025年9月17日


「デジタル遺言」創設に向けた検討開始
おはようございます!代表の安田です。 今日は相続税にも関連するお話しです。 デジタル社会に合わせた遺言制度の見直し 法務省の法制審議会(民法〔遺言関係〕部会)は、2025年7月15日に「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」を取りまとめました。これにより、従来の「自筆証書遺言」に加えて、パソコンやスマートフォンを活用した 「デジタル遺言」 の創設が検討されています。 従来の遺言は自筆が原則でしたが、社会のデジタル化に伴い、より利便性の高い制度へと変わろうとしています。 中間試案で示された3つの方式 今回の試案では、次の3つの方式が提案されています。 甲案遺言本文を電磁的記録(パソコン等で作成)とし、遺言者が全文を朗読した音声・映像を記録する方法 乙案遺言本文を電磁的記録で作成し、公的機関に保管する方法 丙案遺言本文をプリントアウトして書面化し、公的機関に保管する方法 これにより、利用者の状況に応じて柔軟に遺言の作成・保管が可能となる見込みです。 今後のスケジュール 中間試案はすでに 2025年9月23日までパブリック・コメントが実施されており
安田 亮
2025年8月28日


相続税の計算に使われる「平均余命」
おはようございます!代表の安田です。 2025年度税制改正により、相続税法に関する重要なルールが見直されました。その中でも注目したいのが、物納制度における物納許可限度額の算定に関して、「平均余命」の計算方法が明確化された点です。この記事では、2種類の生命表の違いと、相続税との関係についてわかりやすくご紹介します。 「生命表」ってなに? 生命表とは、「ある年齢の人があとどれくらい生きられるか(=平均余命)」や「死亡率」などを統計的に示したものです。日本では厚生労働省が次の2種類の生命表を作成・公表しています。 完全生命表:5年ごとの国勢調査データをもとに作成される、いわば確定版の生命表です。より正確なデータに基づいており、各種法律や制度における根拠資料とされることが多いです。 簡易生命表:毎年作成されるもので、速報性を重視した“概算版”のような位置づけです。推計人口や月次データを基にしています。 例えば、80歳男性の平均余命は次のように差があります(令和7年7月17日時点): 生命表の種類 平均余命 完全生命表 9.34年 簡易生命表 8.98年.
安田 亮
2025年8月16日


TOB制度の見直しと「僅少買付け等」の新基準
おはようございます!代表の安田です。 2024年5月の金融商品取引法(以下、金商法)等の改正により、TOB(公開買付け)制度の運用が大きく見直されました。この改正は、上場会社をはじめとする多くの企業にとって、株式の取得戦略や支配権の移動に直接影響を与える可能性があります。 今回は特に、2025年7月に公布された政府令で新たに設けられた「僅少買付け等」の除外規定に焦点を当て、実務上のポイントをわかりやすくご紹介します。 ■ TOB義務化の閾値が「3分の1超」→「30%超」に引き下げ 従来、TOBが義務付けられるのは「株券等の所有割合が3分の1超」となる買付けでしたが、今回の改正によりこの閾値が「30%超」に引き下げられました。 加えて、市場内(立会内)取引による取得もTOB義務の対象となった点が実務上の大きな変更点です。 ■ 「僅少買付け等」はTOB不要に──除外規定の内容とは? TOB義務の拡大に伴い、負担の過大化を避けるために導入されたのが「僅少買付け等」の除外規定です。 ▷ 適用要件(要約) 買付者がすでに30%超の株券等を所有していること.
安田 亮
2025年8月11日


会計上「資産計上」でも相続税評価には影響なし?
おはようございます!代表の安田です。 2025年4月に適用が始まった新リース会計基準。 上場・非上場を問わず、一定の大会社においてオペレーティング・リース取引でも「使用権資産」および「リース負債」を貸借対照表に計上する必要が出てきました。 この新たな会計処理により、「非上場株式の相続税評価への影響があるのでは?」と懸念される方も増えています。しかし、税務の実務上は従来通りで問題ないということが、国税当局や専門誌の見解から明らかになっています。 そもそも「オペレーティング・リース取引」とは? 従来のリース取引は、以下のように分類されていました: ファイナンス・リース取引:資産の売買とみなされ、貸借対照表に計上 オペレーティング・リース取引:賃貸借処理で、貸借対照表に計上しない 今回の新会計基準では、後者のオペレーティング・リースも含めて、全て「使用権資産」として資産計上することが原則となりました。 相続税評価では“従来通り”でOK 新リース基準では貸借対照表に資産・負債を計上する必要が出てきましたが、相続税においてはリース取引に関する明確な規定はあ
安田 亮
2025年8月10日


変更契約書に貼る印紙税額
おはようございます!代表の安田です。 契約の変更を行なう際に作成する「変更契約書」。これにかかる印紙税の課税関係について、実務では迷う場面が多いのではないでしょうか。特に、工期などの条件だけが変更され、請負代金が変わらない場合、「印紙はいくら分貼ればいいの?」という疑問が生じます。 今回は、このようなケースに対して、実際の税務相談事例をもとにその考え方をわかりやすく解説します。 ◆ ケーススタディ:変更後も請負金額は同額 ある建設会社(乙建設)が、物流会社(甲物流)から設備更新工事を受注し、その工期延長のために「変更注文請書」を提出することになりました。 この請書には、 変更前の契約金額 変更後の契約金額 変更金額(差額) の3項目が記載されていますが、今回は工期のみの変更で金額は同じ(差額0円)です。 このようなとき、果たして貼るべき印紙の額面は? ◆ 印紙税法における「記載金額」とは? 印紙税法では、「請負に関する契約書(第2号文書)」について、記載金額に応じて印紙税額が決まります。変更契約書における「記載金額」は、次のルールで判断されます。
安田 亮
2025年7月17日


令和7年分の路線価
おはようございます!代表の安田です。 2025年7月1日、国税庁より令和7年分の路線価が発表されました。今回の公表では、土地の評価額の目安となる路線価において、特に都市部での上昇傾向が顕著であるとともに、能登半島地震による特例的な対応も示されています。 ■ そもそも「路線価」とは? 路線価とは、相続税や贈与税を計算する際に使われる土地の評価額の基準です。毎年1月1日時点の価格を基準に国税庁が定め、公表されます。具体的には、1平方メートルあたりの金額で示されており、土地の立地や商業性に応じて変動します。 ■ 最高路線価は「銀座」で過去最高額を更新 令和7年分で最も高額だった路線価は、例年通り東京・銀座の「鳩居堂前」(中央区銀座5丁目)で、1㎡あたり4,808万円(前年比+8.7%)と、過去最高額を更新しました。 次いで大阪・梅田の「御堂筋角田町」(大阪市北区)が2,088万円(前年比+3.2%)で3年連続の上昇となりました。 ■ 都道府県庁所在地では「35都市が上昇」 全国の都道府県庁所在地のうち、最高路線価が上昇したのは35都市。特に10%以上の
安田 亮
2025年7月12日


令和7年度も一部対象者に定額減税が継続
おはようございます!代表の安田です。 2025年5月下旬、各事業主のもとに個人住民税の「特別徴収税額通知書」が届き始めています。今年は、前年(令和6年度)の定額減税に引き続き、令和7年度も一部の納税義務者に限り、定額減税が実施される点がポイントです。 この記事では、その背景と対象者、実務上の留意点について解説します。 ■令和6年度の定額減税とは? 令和6年度の定額減税は、物価高対策として導入された時限的な措置で、以下の控除が実施されました: 所得税:本人およびその同一生計配偶者・扶養親族1人につき 3万円 個人住民税:同条件で 1万円 ■令和7年度も住民税で継続される理由 当初、定額減税は「令和6年度限り」とされていましたが、次のような技術的な理由により、一部の納税者に対しては令和7年度分の住民税にも適用されます: 本人の合計所得金額が1,000万円を超えていると、「配偶者控除の適用対象外」となり、その配偶者は「控除対象配偶者以外の同一生計配偶者」とされる この場合、令和5年末時点では該当情報が正確に把握できず、令和6年分の給与支払報告書等により
安田 亮
2025年6月3日


特別手当を支給したら社会保険料は変わる?
おはようございます!代表の安田です。 企業が従業員の年末年始やGWの出勤に対して感謝の気持ちを込めて「特別手当」を支給するケースがありますが、社会保険料の算定に影響が出る可能性があることをご存じでしょうか?今回は、「標準報酬月額」の見直し=「随時改定」について解説します。 ■標準報酬月額とは? まず、標準報酬月額とは、健康保険や厚生年金保険の保険料を計算するために用いられる基礎となる金額です。給与や各種手当などの「報酬月額」を等級区分に当てはめて決定されます。 たとえば、厚生年金保険では、報酬額に応じて1等級から31等級まで分かれており、基本的には毎年4月~6月の報酬平均をもとに9月に決定されるのが通例です(これを「定時決定」と呼びます)。 ■「随時改定」が必要になるのはどんなとき? 特別手当などによって、報酬に固定的な変動があった場合には、「随時改定(随時改定届)」の対象となる可能性があります。これは、定時決定を待たずに、報酬額に基づく社会保険料を早期に見直す制度です。 以下の条件をすべて満たすと、「随時改定」が必要になります: 固定的賃金(
安田 亮
2025年5月24日


保険外交員への個人事業税課税、東京地裁が「代理業」と認定
おはようございます!代表の安田です。 2025年4月時点、生命保険会社と委託契約を結ぶ保険外交員に対して個人事業税を課税することの是非が争われている訴訟について、東京地裁は課税処分を適法と判断し、原告らはこれを不服として東京高裁へ控訴しています。 この訴訟は、保険外交員に対する個人事業税の課税に関する初の司法判断であり、今後の実務に大きな影響を与える可能性があります。 ■争点:保険外交員の業務は「代理業」に該当するか 個人事業税の課税対象は地方税法で定められており、その中の一つに「代理業」があります(地法72の2第1項第23号)。 本件では、以下の点が主な争点となりました: 保険外交員の活動が、地方税法上の「代理業」に該当するか 業務の実態が独立した事業として認められるか 歩合制による報酬の受領形態が、事業所得に該当するか ■東京地裁の判断概要 東京地裁は、商法上の「代理商」および所得税法上の「事業所得」の解釈を踏まえ、次のように判断しました: 「自己の計算と危険において独立して反復継続的に営まれる事業であって、手数料等の報酬の収得を目的として、
安田 亮
2025年4月25日


新リース会計基準の固定資産税への影響
おはようございます!代表の安田です。 2025年4月から適用が開始される新リース会計基準により、会計処理上の変更が求められる中、税務・固定資産税の取り扱いにどのような影響があるのか注目が集まっています。本記事では、リース資産に係る固定資産税申告の取扱いについて整理いたします。 会計と税務におけるリース処理の違い 新リース会計基準では、原則すべてのリース取引について、借手は「使用権資産」および「リース負債」を貸借対照表に計上することが求められます。これにより、従来のオペレーティング・リースも実質的に資産として認識されるようになります。 しかし、法人税法や消費税法では引き続き、オペレーティング・リースについては賃貸借取引として取り扱い、リース料の支払額を損金算入・仕入税額控除する従前の取扱いが維持されます。 固定資産税の申告における取扱いは従来どおり 地方税法においては、リース資産に係る固定資産税の取扱いについて、新リース会計基準に伴う変更はありません。すなわち、償却資産としての申告義務は、「資産の所有者」にあるという点が従前どおり維持されます。 具
安田 亮
2025年4月10日


外形標準課税の判定と新基準
おはようございます!代表の安田です。 令和7年4月1日以降の事業年度から適用される外形標準課税の新基準では、資本金と資本剰余金の合計額を基準とした新たな判定基準が導入され、外形標準課税の対象法人が広がる可能性があります。 1.外形標準課税の新基準とは? これまでの外形標準課税の対象法人は、事業年度末時点で資本金が1億円超の法人とされていました。しかし、令和6年度の税制改正により、資本金が1億円以下であっても、資本金と資本剰余金の合計額(払込資本の額)が10億円を超える法人も新たに対象となります。 これにより、形式的に資本金1億円以下であるものの、実質的な資本力が大きい法人も外形標準課税の適用対象となります。 2.令和7年4月1日施行後の最初の事業年度の特例 外形標準課税の新基準は、通常前事業年度に対象法人であったことが前提となります。しかし、新基準導入に伴い「駆け込みでの課税逃れ」を防ぐため、令和7年4月1日施行後の最初の事業年度では、特別な措置が講じられています。 具体的には、 令和6年3月30日時点で資本金が1億円超であった法人で、...
安田 亮
2025年2月23日


マンション評価と「評価かい離率」についての新基準
おはようございます!代表の安田です。 令和6年1月1日以降、相続や贈与で取得した分譲マンション1室の評価額が、新しい基準に基づいて計算されます。この新しい方法では、評価額をマンションの市場価格に近づけることを目的としていますが、築年数が古いマンションでは評価額がゼロ円となる場合もあります。 評価方法の詳細 評価額は以下の式で算定されます: 区分所有権の価額 × 区分所有補正率 + 敷地利用権の価額 × 区分所有補正率 ここで、「区分所有補正率」は「評価かい離率」に基づき計算されます。評価かい離率がゼロ以下の場合、補正率もゼロとなり、評価額がゼロ円になります。 評価かい離率の計算式 評価かい離率は以下の要因に基づいて算定されます: 築年数 建物の総階数 部屋の所在階 敷地持分の狭小度 これらの要素を基に、マンションの評価額が市場価格と大きく異なる可能性があります。 注意点と総則6項の適用 市場価格と評価額に乖離が生じる場合でも、単に価格の差異だけでは総則6項の適用は認められません。合理的な理由が必要であり、例えば、相続人や被相続人の税負担軽減を意図
安田 亮
2025年2月12日


令和6年以後の相続・贈与の変更点とポイント
おはようございます!代表の安田です。 2025年(令和7年)の贈与税申告期間を迎えるにあたり、令和6年以降の相続・贈与に関する税額計算の変更点について確認しておきましょう。2024年(令和6年)1月1日以降に発生する贈与や相続に適用される新制度では、贈与税・相続税の計算方法が大きく変わります。 <相続時精算課税制度の見直し> 相続時精算課税制度において、年110万円の基礎控除が新設されました。これにより、以下の計算方法が適用されます。 贈与時:特定贈与者(親など)からの1年間の贈与額合計から基礎控除額110万円を差し引き、残額が2,500万円を超える場合、その超過分に20%の贈与税が課されます 相続時:贈与時の財産価額から基礎控除110万円を差し引いた額が、相続財産に加算されます また、この制度を利用する場合、贈与税申告書に加え「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する必要があります。提出がない場合、暦年課税が適用されます。 <暦年課税における贈与税の変更> 暦年課税を選択する場合、以下の計算方法が適用されます。 1年間の贈与額合計から基礎控
安田 亮
2025年2月11日
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