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収益認識に関する注記で誤解しやすいポイントとは?重要な会計方針の書き方を公認会計士が解説
おはようございます!代表の安田です。 収益認識会計基準の適用により、売上高の会計処理だけでなく、財務諸表注記の重要性も高まっています。 特に上場会社や会社法上の大会社では、顧客との契約から生じる収益について、単に「売上をいつ認識するか」だけでなく、どのような履行義務があり、どの時点で履行義務が充足され、取引価格をどのように算定しているのかを、財務諸表利用者にわかりやすく説明する必要があります。 しかし実務では、収益認識会計基準について、いくつか誤解されやすいポイントがあります。 たとえば、「従来の工事進行基準と同じ」「出荷基準はこれまでどおり使える」「本人・代理人の判定は総額か純額かだけの問題」「取引価格が確定していなければ収益認識できない」といった理解です。 これらは一部では正しそうに見えますが、収益認識会計基準の考え方を正確に理解すると、必ずしもそうではありません。 本日は、収益認識に関する5つの誤解、重要な会計方針で注記すべき内容、収益認識の5ステップと注記の関係、実務で使える確認ポイントを、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。..
安田 亮
8月2日


期中会計基準の経過措置とは?切放し法から期中洗替え法へ変更する場合の実務上の注意点
おはようございます!代表の安田です。 2027年3月期の第1四半期から、企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」、いわゆる期中会計基準が順次適用されます。 期中会計基準は、従来の中間会計基準と四半期会計基準を統合した新しい会計基準です。第1種中間財務諸表と四半期財務諸表に適用する会計処理等を定めるもので、上場会社の四半期決算・中間決算実務に影響します。 適用初年度において、同基準の定めに従って会計方針を変更する場合には、遡及適用を求めず、新たな会計方針を適用初年度の最初の期中会計期間から将来にわたって適用する経過措置が設けられています。 ただし、この経過措置は、どのような会計方針の変更にも使えるわけではありません。対象は限定的であり、特に注意すべきなのが、有価証券の減損処理と棚卸資産の簿価切下げに関する方法の変更です。 本日は公認会計士の視点から、期中会計基準の概要、経過措置の対象、切放し法と期中洗替え法の違い、実務上の注意点を解説します。 期中会計基準とは 期中会計基準とは、従来の中間会計基準と四半期会計基準を統合した会計基準です。
安田 亮
8月1日


KAMに画像を使える?監査報告書の見やすさとEDINET開示上の注意点を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の有価証券報告書を読むと、監査報告書の中に「監査上の主要な検討事項」という項目が記載されています。 この「監査上の主要な検討事項」は、英語ではKey Audit Mattersと呼ばれ、一般に「KAM」と略されます。KAMは、監査人が当年度の監査で特に重要と判断した事項について、なぜ重要と考えたのか、監査上どのように対応したのかを説明するものです。 近年、KAMは投資家や金融機関、経理担当者にとって、会社の重要な会計上の見積りや監査上の論点を理解するための情報として注目されています。 そして、EDINETのシステム更改により、KAMの記載に画像を使用できるようになりました。これにより、文章だけでは伝わりにくいリスクの位置づけや、監査上の検討プロセスを、図表やイメージで補足できる可能性があります。 ただし、KAMに画像を使えるといっても、自由に何でも掲載できるわけではありません。画像はあくまで監査報告書本文を補足するためのものであり、使用目的やデータとしての取扱いには注意が必要です。 本日は、KAMの基本的な意
安田 亮
7月31日


収益認識基準で何が変わった?一定期間収益認識と本人・代理人の判定を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 2021年4月1日以後開始する事業年度から、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が原則適用されています。 収益、つまり売上高は、財務諸表を見るうえで最も重要な指標の一つです。売上高は、企業規模、成長性、収益力、株価評価、金融機関の与信判断、M&Aにおける企業価値評価にも影響します。 そのため、収益認識基準の適用は、単なる会計処理の変更にとどまりません。 売上をいつ計上するのか。売上を総額で表示するのか、純額で表示するのか。契約ごとの履行義務は何か。原価管理体制は十分か。新規事業やM&Aで取得した会社の売上は適切に計上されているか。 これらは、経理部門だけでなく、経営管理、営業、法務、IT、事業部門にも関係する実務論点です。 本日は、収益認識基準の適用が企業にもたらした影響のうち、特に実務で議論が多い「一定の期間にわたり収益を認識する方法」と「本人・代理人の判定」を中心に、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 収益認識基準とは 収益認識基準とは、顧客との契約から生じる収益について、いつ、いくら売上を
安田 亮
7月30日


会計上の見積りの注記とKAMの関係とは?固定資産の減損会計を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の監査報告書では、KAMという項目を目にする機会が増えました。 KAMとは「監査上の主要な検討事項」のことで、監査人が当年度の財務諸表監査において特に重要であると判断した事項を、監査報告書に記載するものです。 KAMは監査人が記載するものですが、会社側にとって無関係ではありません。 なぜなら、KAMの多くは、会計上の見積り、重要な会計方針、財務諸表注記、経営者の判断、事業計画などと密接に関係しているからです。 特に固定資産の減損会計では、将来キャッシュ・フロー、成長率、販売数量、販売価格、主要な資産、経済的残存使用年数、割引率など、多くの見積り要素が関係します。 そのため、会計上の見積りの注記とKAMを切り離して考えることはできません。 本日は、固定資産の減損会計を例に、会計上の見積りの注記とKAMの関係、主要な仮定、監査上の対応、監査役等とのコミュニケーション、実務上の注意点について、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 KAMとは何か KAMとは、Key Audit Mattersの略で、日本語で
安田 亮
7月29日


欠損填補の決議が無効に?その他資本剰余金で赤字を補填する際の上限額を公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 会社の決算で繰越利益剰余金がマイナスになっている場合、「その他資本剰余金を使って欠損填補できないか」と検討することがあります。 特に、過去の赤字が累積している会社、資本政策を整理したい会社、配当可能額や財務体質を見直したい会社では、欠損填補は実務上よく出てくる論点です。 しかし、その他資本剰余金による欠損填補は、自由にできるわけではありません。補填できる金額には上限があり、この上限額を誤ると、取締役会や株主総会で行なった決議が無効と判断される可能性があります。 実際に、利益剰余金のマイナス残高の計算を誤り、補填可能額を超えて欠損填補を行おうとした事例では、決議が無効とされています。 本日は、その他資本剰余金による欠損填補の基本、資本剰余金と利益剰余金の違い、補填可能額の考え方、決議無効になり得るケース、実務で確認すべきポイントについて、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 欠損填補とは 欠損填補とは、会社に生じている利益剰余金のマイナス残高、いわゆる欠損を、他の剰余金などで補う手続をいいます。...
安田 亮
7月28日


減資による欠損てん補とは?法務・会計・税務のポイントを公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 会社の業績が悪化し、貸借対照表上の繰越利益剰余金がマイナスになっている場合、「減資による欠損てん補」を検討することがあります。 減資と聞くと、「会社の規模を小さくする」「株主にお金を返す」「株式数を減らす」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。 しかし、会社法上の減資とは、あくまで資本金という計数を減少させる行為です。減資をしたからといって、必ずしも株主に現金を払い戻すわけではありません。また、発行済株式数が当然に減少するわけでもありません。 実務では、資本金を減少させてその他資本剰余金を計上し、そのその他資本剰余金を使って利益剰余金のマイナスを補うことがあります。これが「欠損てん補」です。 本日は、減資による欠損てん補について、会社法上の手続、会計処理、税務上の取扱い、地方税への影響、実務で間違いやすいポイントを公認会計士・税理士の視点からわかりやすく解説します。 減資とは何か 減資とは、会社法上、資本金の額を減少させることをいいます。 ここで重要なのは、減資は「資本金という会計上・会社法上の金額を減らす手
安田 亮
7月27日


「のれん償却前利益」の開示義務化とは?M&A企業の比較可能性と決算短信開示の論点を解説
こんばんは!代表の安田です。 M&Aを積極的に行なう企業にとって、買収後の業績に大きな影響を与える会計項目の一つがのれん償却費です。 日本基準では、企業買収によって発生したのれんを一定期間にわたって償却する処理が基本です。一方、IFRSではのれんを規則的に償却せず、減損テストによって価値の下落を把握する考え方が採られています。 この違いにより、日本基準を採用する企業とIFRSを採用する企業では、同じようにM&Aを行っていても、営業利益や純利益の見え方が大きく変わることがあります。 こうした中、企業会計基準委員会(ASBJ)の第9回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会において、のれん非償却の導入が実現しない場合には、「のれん償却前利益」を決算短信等の必須開示項目とすることで、企業間の比較可能性を改善すべきとの意見が示されました。 本日は、公認会計士の視点から、のれん償却前利益とは何か、なぜ開示義務化が議論されているのか、企業実務や投資家との対話にどのような影響があるのかを整理します。 のれんとは何か...
安田 亮
7月26日


グループ通算制度の注記とは?実務対応報告第42号に基づく開示ポイントを公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 グループ会社を持つ企業にとって、法人税の申告・会計処理は重要な論点です。 従来、日本では一定の企業グループについて「連結納税制度」が設けられていました。しかし、制度改正により連結納税制度は見直され、現在は「グループ通算制度」へ移行しています。 グループ通算制度は、完全支配関係のある企業グループ内で損益通算を行う制度です。税務申告の仕組みだけでなく、会計処理や財務諸表の注記にも影響があります。 特に、グループ通算制度を適用する会社では、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」に基づき、法人税・地方法人税や税効果会計に関する会計処理・開示を行う必要があります。 本日は、グループ通算制度の概要、実務対応報告第42号に基づく注記のポイント、税効果会計の注記、連帯納付義務の取扱いについて、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 グループ通算制度とは グループ通算制度とは、一定の企業グループを一体として捉え、グループ内の会社間で損益を通算できる法人税制度です。...
安田 亮
7月26日


公認会計士法改正で監査法人の合併は進むのか?「総社員の同意」要件と監査事務所再編の論点
こんばんは!代表の安田です。 上場会社の監査を担う監査事務所には、高い品質管理体制、十分な人員、独立性、継続的な監査対応能力が求められます。 近年、上場会社の不適切会計や監査品質をめぐる問題を背景に、上場会社監査を担当する監査事務所の体制強化が改めて注目されています。その中で、日本公認会計士協会は、上場会社の監査を行う監査事務所について、社員数要件の見直しを検討しているとされています。 仮に社員数要件が引き上げられた場合、中小規模の監査法人や共同事務所にとっては、単独で要件を満たすことが難しくなる可能性があります。その結果、監査事務所同士の合併や統合が選択肢として浮上することも考えられます。 しかし、監査法人等の合併には、公認会計士法上の重要なハードルがあります。それが「総社員の同意」です。 本日は、公認会計士の視点から、監査事務所の社員数要件見直しの背景、公認会計士法上の総社員の同意要件、監査法人の合併をめぐる実務上の課題、今後の制度改正の方向性を整理します。 上場会社監査を行なう監査事務所に求められる体制 上場会社の監査は、非上場会社の監査と
安田 亮
7月25日


有価証券報告書と事業報告の一本化とは?株主総会前開示をめぐる議論と企業実務への影響
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の開示実務に大きな影響を与えるテーマとして、事業報告等と有価証券報告書の「一本化」が議論されています。 現在、上場会社は、会社法に基づく事業報告・計算書類・株主総会参考書類などと、金融商品取引法に基づく有価証券報告書を、それぞれ作成・開示しています。 両者には重複する情報も多く、企業側には作成負担が生じています。一方、投資家や株主にとっても、似た情報が複数の書類に分かれて掲載されることで、確認に手間がかかる面があります。 こうした背景から、事業報告等と有価証券報告書を一本化する方向で会社法制の見直しが検討されています。 もっとも、一本化自体には賛成意見が多いものの、「定時株主総会の3週間前までに有価証券報告書の全内容を開示すること」を事実上義務付ける制度設計には、企業側から慎重な意見が多く出ています。 本日は、有価証券報告書と事業報告の一本化をめぐる議論、株主総会前開示の論点、企業実務への影響について、公認会計士の視点から解説します。 有価証券報告書と事業報告の違い まず、有価証券報告書と事業報告の違いを整理
安田 亮
7月25日


四半期配当はなぜ増えない?会社法上の仕組みと違法配当リスクを公認会計士が解説
こんにちは!代表の安田です。 上場会社の株主還元策として、配当は非常に重要なテーマです。 日本企業では、期末配当と中間配当を組み合わせた年2回配当が一般的です。一方で、海外企業では四半期ごとに配当を行なう会社も多く、日本でも「四半期配当」を導入することは制度上可能です。 しかし、日本国内では四半期配当を実施する会社はそれほど多くありません。 株主にとっては、年1回や年2回よりも、年4回配当を受け取れる方が魅力的に見えるかもしれません。企業にとっても、安定株主の確保や株主還元姿勢のアピールにつながる可能性があります。 それにもかかわらず、なぜ四半期配当は広がっていないのでしょうか。 本日は、四半期配当の基本、会社法上の仕組み、導入が進まない理由、分配可能額を超える違法配当リスク、実務上の注意点について、公認会計士の視点からわかりやすく解説します。 四半期配当とは 四半期配当とは、1事業年度を4つの期間に分け、四半期ごとに剰余金の配当を行う制度です。 一般的な日本企業では、期末配当を中心に、中間配当を加えた年1回または年2回の配当が多く見られます。こ
安田 亮
7月24日


収益認識に関する注記とは?契約資産・契約負債の残高等を公認会計士がわかりやすく解説
こんにちは!代表の安田です。 収益認識に関する注記とは?契約資産・契約負債の残高等を公認会計士がわかりやすく解説 2022年3月期以降の年度財務諸表では、収益認識に関する注記が本格的に求められるようになりました。 収益認識会計基準は、売上高をどのタイミングで、いくら認識するかという会計処理だけでなく、財務諸表利用者が収益の内容を理解できるようにするための注記も重視しています。 その中でも、実務上わかりにくい項目の一つが「契約資産及び契約負債の残高等」です。 契約資産や契約負債は、収益認識会計基準の導入によって注目されるようになった勘定科目です。これらは、売上債権、前受金、未請求の対価などと密接に関係しますが、単に残高を表示すればよいというものではありません。 財務諸表利用者が、顧客との契約から生じる収益やキャッシュ・フローの性質、金額、時期、不確実性を理解できるよう、残高の内容や変動理由を説明する必要があります。 本日は、収益認識に関する注記の全体像、契約資産・契約負債の意味、注記で求められる内容、実務上の注意点について、公認会計士の視点からわか
安田 亮
7月22日


新リース会計基準のリース期間はどう決める?資産除去債務・経済的耐用年数との整合性も解説
おはようございます!代表の安田です。 2027年4月から、新リース会計基準の適用が始まります。 新リース会計基準では、借手側の多くのリースについて、使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上することになります。そのため、これまでオフバランスで処理していた契約についても、リースに該当するかどうかを判定し、リース期間やリース料総額を見積もる必要があります。 特に実務で悩みやすいのが、不動産賃貸借契約にリースが含まれるか、また契約期間より長いリース期間を見積もる必要があるかという点です。さらに、監査法人から「資産除去債務の期間とリース期間を整合させるべきではないか」と指摘されるケースもあり、経理担当者にとって判断に迷いやすい論点になっています。 本日は、公認会計士の視点から、新リース会計基準におけるリースの識別、リース期間の見積り、資産除去債務や経済的耐用年数との関係、実務対応のポイントを整理します。 新リース会計基準における「リース」の定義 新リース会計基準では、リースは「原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約または契約の一部分
安田 亮
7月19日


のれん会計はどう変わる?償却・非償却の議論とM&A実務への影響を公認会計士が解説
こんばんは!代表の安田です。 M&Aが一般的な経営戦略となる中で、「のれん」をどのように会計処理するかは、企業価値評価や投資家への説明に大きな影響を与えます。 日本基準では、のれんは原則として一定期間で規則的に償却されます。一方、IFRSでは、のれんは償却せず、減損テストによって価値の毀損を確認する仕組みが採用されています。 この「のれんを償却すべきか、償却せず減損で対応すべきか」という論点は、長年にわたり会計基準の重要テーマとなってきました。 2026年6月に開催された日本経済会計学会の第43回年次大会でも、「のれん会計の再検討」が統一論題として取り上げられ、研究者や実務家による討論が行われました。 本日は、のれん会計をめぐる議論の背景、償却・非償却それぞれの考え方、M&A実務や投資家向け開示への影響について、公認会計士の視点から解説します。 のれんとは何か のれんとは、企業買収において、買収価格が被取得企業の識別可能な純資産の時価を上回る場合に、その差額として認識される資産です。 簡単にいえば、買収先企業のブランド力、顧客基盤、技術力、従業員
安田 亮
7月19日


早期退職と割増退職金の会計処理|特別損失になる?退職給付債務に入れる?実務の注意点
おはようございます!代表の安田です。 企業の構造改革や事業再編の局面では、赤字企業に限らず、黒字でも「早期退職者の募集」を行うケースがあります。早期退職施策では、通常の退職金に加えて割増退職金(特別加算金等)を支給することが多く、会計処理を誤ると、費用計上のタイミングや開示にも影響します。 本日は、早期退職と割増退職金について、退職給付会計上の位置づけと、実務でつまずきやすい判断ポイントを解説します。 1. 早期退職は黒字企業でも起こる|特別損失計上の例 早期退職は「業績悪化による人員削減」のイメージが強いですが、黒字でも構造改革を目的に実施されることがあります。 ここで押さえたいのは、早期退職施策のコストは、単に人件費の一部ではなく、一時的な改革コストとして損益に大きく出る可能性がある点です。 2. 一時的な「早期割増退職金」は退職給付見込額に入れない 結論から言うと、一時的に支払われる早期割増退職金は、退職給付会計の考え方として、通常の退職給付とは性格が異なるため、原則として退職給付見込額の見積りに含めません。 理由はシンプルで、早期割増退職
安田 亮
7月18日


インボイス経過措置は2026年10月1日から70%控除へ|短期前払費用を使う場合の注意点
おはようございます!代表の安田です。 インボイス制度では、原則として、免税事業者などインボイス発行事業者以外の者から行なった課税仕入れについて、仕入税額控除を受けることはできません。 もっとも、制度開始直後の急激な負担増を避けるため、一定期間は、免税事業者等からの課税仕入れについても、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置が設けられています。 令和8年度税制改正により、この経過措置の控除割合が見直され、2026年10月1日からは、現在の80%控除から70%控除へ引き下げられます。 本日は、公認会計士の視点から、インボイス経過措置の控除割合の変更、2026年10月1日をまたぐ取引の取扱い、短期前払費用を適用する場合の実務上の注意点を解説します。 1. インボイス経過措置とは インボイス制度では、仕入税額控除を受けるためには、原則として、適格請求書発行事業者が発行するインボイスの保存が必要です。 そのため、免税事業者や適格請求書発行事業者ではない事業者からの課税仕入れについては、本来、仕入税額控除を行なうことができません。 ただし、制度開始後の
安田 亮
7月17日


M&A関連費用は損金か、株式の取得価額か?東京地裁令和8年2月18日判決から考えるDD費用・成功報酬の税務処理
おはようございます!代表の安田です。 株式取得によるM&Aでは、仲介会社への報酬、ファイナンシャル・アドバイザー費用、法務・財務デューデリジェンス(DD)費用、株式譲渡契約書レビュー費用など、さまざまな関連費用が発生します。 税務実務で悩ましいのが、これらのM&A関連費用を発生時の損金として処理できるのか、それとも取得した株式の有価証券の取得価額に算入すべきなのか、という点です。 この論点について、東京地裁令和8年2月18日判決は、M&A関連費用の損金性を巡る初の司法判断とされています。本判決では、費用が「その有価証券の購入のために要した費用」に該当するかどうかについて、株式購入の蓋然性が相当程度高まり、購入の不確実性が解消していたかという判断枠組みが示されました。 本日は、公認会計士・税理士の視点から、本判決のポイントと、M&A実務での税務処理・証拠整理の注意点を解説します。 1. M&A関連費用の税務上の論点 法人税法施行令119条1項1号では、有価証券の取得価額に含めるべき費用として「その有価証券の購入のために要した費用」が問題となります。
安田 亮
7月14日


のれんは償却すべきか、非償却とすべきか?FASF情報要請から考える日本基準の今後
おはようございます!代表の安田です。 企業買収やM&Aの会計処理で、長年議論されているテーマの一つがのれんの会計処理です。 日本基準では、のれんは一定期間にわたり規則的に償却する処理が基本とされています。一方、IFRSや米国基準では、のれんを償却せず、減損テストによって価値の下落を把握する考え方が採られています。 こうした中、財務会計基準機構(FASF)は、「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する情報要請を行い、寄せられたコメントを公表しました。コメントでは、のれんの非償却を支持する意見がある一方で、導入に慎重な意見も多く示されています。 本日は、公認会計士の視点から、のれん非償却をめぐる議論のポイント、賛成・反対それぞれの考え方、企業実務への影響を整理します。 1. のれんとは何か のれんとは、企業買収において、取得した会社の純資産の時価を超えて支払った金額をいいます。 たとえば、ある会社を100億円で買収した際、取得した資産・負債を時価評価した純資産が70億円であれば、差額の30億円がのれんとして認識されます。...
安田 亮
7月13日


防衛特別法人税とは?2027年3月期1Q決算から注意すべき会計・税務処理を解説
こんにちは!代表の安田です。 令和8年4月1日以後開始する事業年度から、新たに「防衛特別法人税」が適用されます。 3月決算法人の場合、2027年3月期から適用が始まるため、第1四半期決算、つまり1Q決算から税金計算に反映する必要があります。 防衛特別法人税は、法人税に追加して課される国税です。税率だけを見ると大きな負担には見えにくいかもしれませんが、初年度の決算・四半期決算では「計算に入れ忘れる」ことが実務上の大きなリスクになります。 特に、法人税等の計算をExcelで独自に行なっている会社や、四半期決算で見積実効税率を使って税金費用を計算している会社では、早めに計算シートや決算手順を見直しておく必要があります。 本日は、防衛特別法人税の概要、計算方法、会計処理、1Q決算で注意すべきポイントを公認会計士の視点から解説します。 防衛特別法人税とは 防衛特別法人税とは、防衛力強化のための財源確保を目的として創設された法人向けの新しい税金です。 対象となるのは、令和8年4月1日以後に開始する事業年度です。したがって、3月決算法人であれば、2027年3月
安田 亮
7月7日
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