top of page
検索


2割特例の後に簡易課税を選ぶときの届出期限に注意|経過措置の誤認と令和8年度改正を解説
おはようございます!代表の安田です。 インボイス制度の導入以後、消費税申告では2割特例を活用した事業者が少なくありません。一方で、その後に簡易課税制度へ移行したいと考えたとき、届出書の提出期限を誤認してしまうケースが実務上起こりやすくなっています。 特に注意したいのは、2割特例後の簡易課税制度選択届出書について、特例的に提出期限が緩和される経過措置は、いつでも使えるわけではないという点です。 この経過措置は2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間に限って適用されると整理されています。つまり、「過去に一度でも2割特例を使っていればよい」という理解は誤りです。今回は、2割特例と簡易課税制度選択届出書の関係について、実務で間違えやすいポイントを整理して解説します。 そもそも簡易課税制度選択届出書の提出期限とは? 消費税の簡易課税制度を選択する場合、原則として、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、所轄税務署へ簡易課税制度選択届出書を提出しなければなりません。 たとえば、個人事業者が令和9年分から簡易課税を適用したいのであれば、原則として令和
安田 亮
3 日前


研修会で配るコーヒーやお茶の税率は? 軽減税率の判断ポイントを税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 消費税の軽減税率制度が始まって以降、飲食料品に関する税率判定は、実務の中でも迷いやすいテーマの一つになっています。特に、会社の研修会・会議・セミナー・説明会などで配る飲み物については、 コーヒー代は8%なのか10%なのか ペットボトルのお茶は軽減税率の対象になるのか 同じ飲み物でも、提供方法で税率が変わるのか といった疑問が生じやすいところです。 結論からいえば、研修会で配る飲料は、飲み物そのものの種類だけでなく、どのように提供しているかによって、軽減税率8%になる場合と標準税率10%になる場合があります。 今回は、研修会場で配る飲料と軽減税率の考え方を、実務で迷いやすいポイントに絞って整理します。 1.軽減税率の基本は「飲食料品の譲渡」か「食事の提供」か 軽減税率制度の基本として、「飲食料品の譲渡」には軽減税率8%が適用される一方、レストランや喫茶店などで行われる「食事の提供」には標準税率10%が適用されると説明されています。 ここで重要なのは、税率の違いが単に「食べ物か飲み物か」で決まるのではなく、その提
安田 亮
4 日前


令和8年度税制改正「消費税」のポイント
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度税制改正(消費課税)では、インボイス制度の経過措置が次の方向で大きく見直されます。 2割特例は終了し、個人事業者向けに「3割特例」を新設 適格請求書発行事業者以外からの仕入れに係る8割控除等は、7割→5割→3割へ段階縮小しつつ延長 越境EC(少額輸入)やプラットフォーム課税、暗号資産、非居住者向け国内不動産役務など、国境をまたぐ取引への課税整理 以下、要点をまとめます。 1. インボイス制度「2割特例」は終了、個人事業者は「3割特例」へ <2割特例の適用期限> 売上税額の2割を納付税額とできる「2割特例」は、令和5年10月1日~令和8年9月30日までの各課税期間が対象です。 <新設>個人事業者向け「3割特例」 改正では、免税事業者からインボイス登録を行った(又は課税事業者選択で免税点制度が使えなくなった)個人事業者について、令和9年・令和10年に含まれる各課税期間に、売上税額の3割を納付税額とできる「3割特例」が創設される予定です。 すでに2割特例を使っている個人事業者も、引き続き3割特例の適用が可
安田 亮
4 日前


一般消費者にもインボイスを渡す必要はある?レシート・領収書の登録番号と簡易インボイスを税理士が解説
こんにちは!代表の安田です。 令和5年10月1日からインボイス制度が始まり、適格請求書発行事業者、いわゆるインボイス登録事業者は、取引先から求められた場合にインボイスを交付する義務を負うことになりました。 小売店、飲食店、美容室、クリニック、整体院、学習塾、ECサイト、各種サービス業など、一般消費者向けの取引が多い事業者では、次のような疑問が出てきます。 ・一般消費者にも必ずインボイスを交付しなければならないのか ・レシートや領収書に登録番号を書かなくてもよいのか ・「商品代金10,000円、消費税額1,000円」と表示してよいのか ・事業者から求められた場合だけインボイス対応すればよいのか ・簡易インボイスを渡している場合、別の領収書にも税率や消費税額を書く必要があるのか 結論からいうと、インボイス登録事業者であっても、一般消費者に対してインボイスを交付する義務はありません。 インボイスの交付義務が生じるのは、原則として、取引の相手方である課税事業者からインボイスの交付を求められた場合です。 したがって、取引相手が一般消費者であれば、登録番号を
安田 亮
6月5日


法人成りしたらインボイス登録番号は引き継げる?個人事業主から法人化するときの手続きを税理士が解説
こんにちは!代表の安田です。 個人事業主として事業を続けていると、売上規模の拡大、節税、社会的信用、従業員採用、取引先対応などを理由に、法人化、いわゆる「法人成り」を検討することがあります。 インボイス制度が始まった現在では、法人成りの際に特に注意したいのが、適格請求書発行事業者、いわゆるインボイス発行事業者の登録です。 個人事業主としてすでにインボイス登録をしている場合でも、法人成りをすれば、その登録番号を法人がそのまま使えるわけではありません。個人事業主と新設法人は、消費税法上、別の事業者として扱われます。 そのため、個人事業主の登録番号は法人に引き継がれず、個人側では廃業に関する手続き、法人側では新たなインボイス登録に関する手続きが必要になります。 この手続きを忘れると、法人化後に取引先へインボイスを交付できない期間が生じるおそれがあります。特に、法人化後すぐにインボイスを発行したい場合には、設立初年度から課税事業者になるための手続きや、新設法人等の登録時期の特例を確認する必要があります。 この記事では、個人事業主が法人成りするときのインボ
安田 亮
6月4日


消費税の不正還付とは?架空仕入れ・外注費仮装・輸出免税の悪用と税務調査の注意点を税理士が解説
こんにちは!代表の安田です。 消費税の申告では、納付になるケースだけでなく、還付になるケースがあります。 たとえば、大きな設備投資をした場合、輸出売上が多い場合、開業初期で売上より仕入や経費が多い場合などには、課税売上に係る消費税額よりも課税仕入れに係る消費税額が大きくなり、消費税の還付を受けられることがあります。 消費税の還付は、制度上認められた正当な仕組みです。 しかし近年、この仕組みを悪用し、架空仕入れや虚偽の輸出売上を計上して、消費税の還付を不正に受けようとする事案が問題になっています。 国税当局も、消費税の不正還付への対応を重点課題として位置付け、還付申告の審査や税務調査を強化しています。特に、外注費の水増し、給与の外注費化、架空請求書の作成、実態のない国内仕入れ、虚偽の輸出免税売上などは、税務調査で厳しく確認されるポイントです。 本日は、消費税の還付の基本、不正還付が起こる仕組み、代表的な不正パターン、国税当局の対応、会社が適正申告のために整備すべきチェックポイントを税理士が解説します。 消費税の還付とは 消費税は、事業者が売上に係る
安田 亮
6月2日


簡易課税制度選択届出書の提出期限が弾力化|2割特例・3割特例後の実務対応を解説
こんにちは!代表の安田です。 インボイス制度の開始以降、個人事業主や小規模法人にとって、消費税の申告方式をどう選ぶかは非常に重要なテーマになっています。特に、2割特例や令和8年度改正で創設された3割特例を利用した後に、翌課税期間から簡易課税制度へ移行するかどうかは、実務上よく相談される論点です。 通常、簡易課税制度を適用するには、原則として適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、所轄税務署長へ簡易課税制度選択届出書を提出する必要があります。 ところが、令和8年度税制改正では、2割特例や3割特例の適用後に簡易課税制度へ移行する場合について、届出期限の弾力化が行なわれました。添付資料によると、一定の場合には、簡易課税制度の適用を受けようとする課税期間の申告期限までに選択届出書を提出すればよいこととされています。 今回は、この改正内容について、実務で押さえておきたいポイントを整理して解説します。 簡易課税制度とは? 簡易課税制度とは、課税売上に係る消費税額をもとに、業種ごとのみなし仕入率を使って仕入税額控除額を計算する制度です。実際の仕入や経費
安田 亮
5月29日


国税庁がインボイスQ&Aを改訂|特定金属くず特例は令和8年9月1日以後の仕入れから適用
こんにちは!代表の安田です。 インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、原則として適格請求書等の保存が必要です。しかし、取引の性質上、インボイスの交付を受けることが難しい取引については、一定の場合に帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例が設けられています。 今回、国税庁は令和8年5月7日、インボイス制度に関するQ&Aである「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」を改訂しました。 今回の改訂では、令和8年度税制改正で創設された特定金属くず特例について、その適用時期が明確化されています。具体的には、特定金属くず特例の対象となる特定金属くずの購入は、令和8年9月1日以後に行なわれるものに限る旨が、既存の5問に反映されました。 今回は、このインボイスQ&A改訂の内容と、特定金属くず特例の実務上のポイントを整理して解説します。 特定金属くず特例とは何か 特定金属くず特例とは、一定の要件を満たす場合に、適格請求書発行事業者でない者から特定金属くずを買い受けた場合でも、帳簿のみの保存により仕入税額控除を認める制度です。
安田 亮
5月27日


免税事業者にインボイス登録をお願いしてもよい?独占禁止法・下請法上の注意点を税理士が解説
こんにちは!代表の安田です。 インボイス制度が始まって以降、免税事業者との取引をどう見直すかは、多くの事業者にとって悩ましいテーマになっています。 買手側である課税事業者にとって、免税事業者からの仕入れは、原則としてインボイスを受け取ることができないため、仕入税額控除に制限が生じます。 そのため、取引先に対して、 インボイス登録をしてもらえませんか 課税事業者になってもらえませんか 登録しない場合、取引価格を見直したいです と伝える場面もあるでしょう。 結論からいうと、免税事業者である取引先に対して、課税事業者やインボイス登録事業者になるようお願いすること自体は、直ちに独占禁止法上問題になるものではありません。 しかし、登録を求めるだけでなく、「登録しないなら値下げする」「応じなければ取引を打ち切る」と一方的に通告すると、独占禁止法や下請法上の問題が生じる可能性があります。 本日は、免税事業者にインボイス登録をお願いする場合の注意点、価格交渉で避けるべき対応、課税事業者になった取引先との価格据置きの問題、実務上の進め方について解説します。 インボ
安田 亮
5月26日


インボイス経過措置の7割控除で法人税処理はどう変わる?令和8年度改正後の消費税経理通達を解説
おはようございます!代表の安田です。 インボイス制度が始まって以降、免税事業者等からの仕入れに関する仕入税額控除の経過措置は、消費税実務だけでなく、法人税の経理処理にも影響する重要テーマになっています。 特に税抜経理方式を採用している法人では、「控除できる消費税相当額」と「控除できない部分」をどう会計・税務処理するかで、申告実務に差が出ます。 令和8年度改正により、免税事業者などインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて認められている経過措置は2年間延長される一方、控除可能割合は7割・5割・3割へ段階的に引き下げられます。 その結果、令和8年10月1日からは80%控除ではなく70%控除になります。さらに、法人税の取扱いを定める消費税経理通達の考え方は改正後も従前どおり維持される方向で、控除対象とならない部分は取引対価の額に含めて処理する必要があるとされています。 今回は、この改正内容と、税抜経理方式を採用する法人が押さえておきたい法人税処理のポイントを整理します。 まず押さえたい改正の全体像 今回の改正では、インボイス制度導入時に設けら
安田 亮
5月17日


軽減税率は飲食設備の「合意」で変わる? 店内飲食と持ち帰りの判定を税理士が解説
こんにちは!代表の安田です。 消費税の軽減税率制度では、飲食料品の販売について8%が適用される一方、外食などの飲食サービスには10%が適用されます。 そのため、飲食店や食品販売業では、同じ商品を販売していても、店内で食べるのか、持ち帰るのかによって税率が変わることがあります。 実務では、次のような相談を受けることがあります。 テーブルやイスが近くにある場合、必ず10%になるのか 店が設置した席ではなく、施設側のベンチで食べる場合はどうなるのか フードコートで販売する商品は軽減税率8%なのか、標準税率10%なのか 飲食設備の設置者と販売者が違う場合、どのように判断するのか」 この論点は、飲食店だけでなく、サービスエリア、商業施設、イベント会場、観光地、フードコート、テイクアウト専門店などでも問題になります。 今回は、飲食設備がある場合の軽減税率判定について、税理士の視点からわかりやすく解説します。 1.軽減税率の基本は「飲食料品の譲渡」か「食事の提供」か まず、軽減税率の基本を確認しましょう。 飲食料品を販売する場合、原則として軽減税率8%の対象に
安田 亮
5月15日


土日祝日でも期限が延びない消費税届出書とは? 簡易課税の不適用届出の注意点を税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 税務実務では、「申告期限が日曜日なら翌営業日で大丈夫」という感覚が広く浸透しています。実際、多くの申告書や届出書は、期限日が土日祝日に当たると翌営業日へ延長されます。 しかし、この感覚をそのまま消費税関係の届出書にも当てはめてしまうと、思わぬミスにつながることがあります。特に注意が必要なのが、簡易課税制度の選択・不適用届出などです。 実務では次のような誤解が起こりやすいです。 12月31日が休日なら、年明け最初の営業日提出でも間に合うのでは? 届出書も一般の申告書と同じく翌営業日にズレるはず 年明け提出でも、その年分から本則課税へ戻せるのでは? 実は、土日祝日でも期限がズレない消費税関係書類があります。 今回は、期限が延長されない消費税届出書の考え方と、簡易課税制度の不適用届出で気を付けたい実務ポイントを税理士の視点でわかりやすく解説します。 1.税務書類は土日祝日に当たると翌営業日に延びるのが原則 国税通則法10条2項により、国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出その他の書類の提出や納付などの期限が
安田 亮
5月11日


栄養ドリンクや健康食品は軽減税率8%? 医薬品・医薬部外品との違いを税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 コンビニやドラッグストアでは、栄養ドリンク、健康食品、サプリメント、美容食品などが同じような売場に並んでいます。 忙しい時期や疲れがたまったときに、栄養補給を目的として購入する方も多いでしょう。しかし、消費税の軽減税率を考えるうえでは、これらの商品をすべて同じように扱うことはできません。 実務では、次のような相談を受けることがあります。 栄養ドリンクは食品だから軽減税率8%でよいのか 医薬部外品と書かれているドリンクは10%なのか 健康食品やサプリメントは軽減税率の対象になるのか 同じ売場にある商品でも税率が違うことはあるのか 軽減税率の判定では、商品名や売場、購入目的だけでなく、その商品が食品なのか、医薬品・医薬部外品なのかを確認する必要があります。 今回は、栄養ドリンク・健康食品・サプリメントの消費税率判定について、税理士の視点からわかりやすく解説します。 1.軽減税率の対象は「飲食料品」 消費税の軽減税率制度では、一定の飲食料品の譲渡について、標準税率10%ではなく、軽減税率8%が適用されます。...
安田 亮
5月10日


オフィス自販機の手数料は軽減税率? 自動販売機取引の消費税を税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 従業員の福利厚生や来客対応のため、オフィス内に自動販売機を設置している会社は少なくありません。飲料メーカーや自販機業者に設置してもらい、販売数量や売上高に応じて会社が手数料を受け取るケースもあります。 一見すると、自動販売機で販売されるのはジュースやお茶などの飲食料品です。そのため、関連する取引はすべて軽減税率8%になると思われがちです。 しかし、実務では次のような疑問が出てきます。 自動販売機で売るジュースは軽減税率でよいのか 自販機設置会社が受け取る手数料も8%なのか 販売奨励金を受け取った場合の消費税率はどうなるのか 自社で飲料を仕入れて販売する場合は処理が変わるのか 自動販売機に関する取引は、飲料そのものの販売と、設置場所の提供や販売協力に対する手数料が混在しやすい分野です。 今回は、オフィス自販機に関する消費税の税率判定について、税理士の視点からわかりやすく解説します。 1.自動販売機でのジュース販売は軽減税率8% まず、自動販売機で販売されるジュースやお茶などの飲料について確認しましょう。...
安田 亮
5月9日


単身赴任手当は消費税の仕入税額控除の対象? 帰宅旅費との違いを税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 単身赴任をしている従業員に対して、会社が単身赴任手当や帰宅旅費を支給しているケースは少なくありません。家族と離れて生活する従業員の負担を軽減するため、毎月一定額を支給したり、月に数回まで自宅へ戻る交通費を会社が負担したりする制度を設けている会社もあります。 一方で、経理処理では次のような疑問が出やすいところです。 単身赴任手当は消費税の課税仕入れになるのか 実費精算の帰宅旅費なら仕入税額控除できるのか 出張旅費と同じように処理してよいのか 会議に合わせて帰宅する場合はどうなるのか」 単身赴任手当や帰宅旅費は、給与、福利厚生費、旅費交通費など、会計処理上の勘定科目だけで判断すると誤りやすい項目です。添付資料でも、単身赴任手当等の消費税処理ではミスが散見されると注意喚起されています。 今回は、単身赴任手当や帰宅旅費が消費税の仕入税額控除の対象になるのかについて、税理士の視点からわかりやすく解説します。 1.単身赴任手当には主に2つの支給パターンがある 単身赴任者への支給には、大きく分けて次の2つがあります。...
安田 亮
5月8日


課税売上がない期でも消費税の還付は受けられる? 仕入税額控除の考え方を税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 会社設立1期目や新規事業の立ち上げ期には、先行して設備投資や仕入れだけが発生し、まだ売上が立っていないということがあります。このような場合によく受ける相談が、「売上がゼロなのに、支払った消費税は控除できるのか」というものです。 特に、事務所や店舗の開設準備、商品の仕入れ、広告宣伝費、外注費などが先行して発生していると、消費税の負担も小さくありません。そのため、課税売上がない期でも仕入税額控除が使えるのかどうかは、資金繰りにも直結する重要な論点です。 結論からいうと、課税売上がない課税期間でも、採用している計算方式によっては仕入税額控除を適用でき、消費税の還付を受けられる可能性があります。ただし、すべての方法で同じ取扱いになるわけではありません。 今回は、課税売上がない課税期間における仕入税額控除の考え方について、個別対応方式と一括比例配分方式の違いを中心に解説します。 1.仕入税額控除には2つの方法がある 消費税の仕入税額控除には、個別対応方式と一括比例配分方式があります。 消費税の課税事業者が仕入税額控除を
安田 亮
5月1日


消費税・地方消費税の内訳記載ミスに注意|合計額が合っていても修正が必要な理由を税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 消費税の確定申告書を作成する際、納付税額の合計だけに目が向きがちですが、実務上は「消費税」と「地方消費税」の内訳にも注意が必要です。特に、中間納付を行なっている事業者では、確定申告書に記載する中間納付税額等の内訳を誤るケースがあります。 このときよくある誤解が、「最終的な納付税額の合計が合っていれば問題ないのではないか」という考え方です。 しかし、合計額に誤りがなくても、消費税と地方消費税の内訳に誤りがあれば是正が必要とされています。今回は、消費税・地方消費税の内訳記載誤りがなぜ問題になるのか、そしてミスを防ぐための実務対応について解説します。 1.誤りやすいのは「中間納付税額等の内訳」 消費税の確定申告書を作成する際の注意事項の一つとして、「消費税(税率7.8%)・地方消費税(税率2.2%)に係る中間納付税額等の内訳」の記載誤りが挙げられます。 消費税の確定申告では、単に税額を合計して申告するわけではありません。申告書上では、 消費税額から中間納付税額等を控除した「消費税の納付税額」 地方消費税額から中間納
安田 亮
4月24日


国税庁がインボイスQ&Aを改訂|3割特例の適用関係と実務上の注意点を税理士が解説
おはようございます!代表の安田です。 インボイス制度が始まって以降、事業者にとって消費税実務はますます複雑になっています。登録のタイミング、免税事業者からの仕入れの経過措置、簡易課税との選択関係など、判断を誤りやすいテーマが少なくありません。 こうした中、国税庁は2026年4月1日付で「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」を改訂しました。 今回の改訂では、令和8年度税制改正で創設された「3割特例」に関する問答が新たに追加されたほか、既存の「インボイスの取扱いに関するご質問」の内容の取込みや、免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置(7割・5割・3割控除)の反映も行なわれています。加えて、消費税法基本通達も一部改正されています。 今回は、このQ&A改訂のうち、特に実務への影響が大きい3割特例を中心に、押さえておきたいポイントを整理します。 今回の改訂で何が追加されたのか 資料によると、今回のインボイスQ&A改訂では合計6問が追加されています。内訳は、既に公表されていた「インボイスの取扱いに関するご質問」からの取込み
安田 亮
4月15日


消費税の「非課税」と「免税」は何が違う?
おはようございます!代表の安田です。 消費税の話題では「非課税」「免税」という言葉が混同されがちです。どちらも消費税がかからないように見えますが、実務上は大きな差があります。最大の違いは、その取引に対応する仕入れについて「仕入税額控除ができるかどうか」です。 1. そもそも「非課税取引」とは 消費税は原則として国内取引に幅広く課税されますが、消費税の性質や社会政策的な配慮から、国内取引であっても課税の対象としない取引があります。これが「非課税取引」です。 代表例として、土地や有価証券の譲渡、社会保険医療などが挙げられます。 ポイントは、取引が「課税の枠の外」に置かれているイメージであることです。 2. 「免税取引」とは(いわゆる輸出免税) 一方の「免税取引」は、取引自体は本来「課税資産の譲渡等」に当たるものの、一定の要件を満たす場合に、その売上にかかる消費税が免除される仕組みです。 代表例は、商品の輸出、国際輸送、国外事業者へのサービス提供など、輸出取引および輸出類似取引です。 ポイントは、取引は課税取引のままなのに「税率が実質ゼロ」になるイメー
安田 亮
3月7日


インボイス「2割特例」後の選択がラクに?
おはようございます!代表の安田です。 インボイス制度開始に伴う経過措置として知られる「2割特例」。 令和8年度税制改正大綱では、この特例を見直し、対象を個人事業者に限定した上で、納付税額を売上税額の3割とする“3割特例”として2年延長する方向が示されました。 一方で、法人は現行期限で終了となる見込みで、特例終了後は「一般課税」か「簡易課税」のどちらかを選んで申告する必要があります。 さらに実務上大きいのが、2割特例(または3割特例)から簡易課税制度へ移行する際の「選択届出書」提出期限が後倒しされる点です。 本日は、会計事務所の税理士として、制度の要点と今やるべき実務対応を整理します。 1. 「個人だけ」 2割特例は 延長、法人は終了の方向 現行の2割特例は、「令和5年10月1日~令和8年9月30日」を含む課税期間で適用可能です。 改正大綱では、次のように整理されています。 個人事業者(適格請求書発行事業者):令和9年・令和10年に含まれる各課税期間について、納付税額を売上税額の3割とできる(=3割特例) 法人:3割特例の対象外。令和8年9月30日
安田 亮
2月28日
bottom of page


